マイホーム

中古住宅なら「500万円安く、土地は30㎡広い」住まいを見つけ方

マイホーム選びにおける中古一戸建てのメリットはどんな点にあるのだろうか。主な点としては、(1)新築に比べて価格が安い、(2)エリアや時期にこだわらず、どこでも、いつでも探せる、(3)新築に比べて土地面積が広い、(4)マンションに比べて20年後、30年後の資産価値が高い――などの点が挙げられる。

ただし、何でもそうだが、メリットがあればデメリットもある。その点を理解しておかないと後悔することになる。主な点としては、(1)新築時の基本性能が低い上、老朽化が進んでいる、(2)間取りプランが古く、使い勝手が悪い、(3)安くてもリフォーム費用が高くなる、(4)新築に比べて税制やローン面で不利になる――などの点だ。

このメリット、デメリットを知った上で判断する必要がある。まず、メリットからみてみよう。

中古住宅なら500万円安く、土地は30㎡広い

(写真=PIXTA)

東日本不動産流通機構の『首都圏不動産流通市場の動向』から、2016年の中古一戸建ての成約価格の平均は3030万円に対して、新築一戸建ては3522万円。金額にして492万円、率にして16.2%ほど中古住宅のほうが安くなっている。中古住宅はもっと安いのでは、という印象をお持ちの方が多いのではないだろうか。それには、理由がある。

実は、新築と中古では土地面積がかなり違っているのだ。新築の平均は119.09㎡に対して、中古は149.12㎡と中古のほうが30㎡ほど広くなっている。この土地面積の差を考慮すると、同じ広さの住宅なら、中古一戸建てのほうが3割程度は安いとみていいのではないだろうか。

特に首都圏の新築一戸建てだと、猫の額ほどの庭しかなく、ガーデニングなどは夢のまた夢だが、中古一戸建てならそんなことはない。家庭菜園までは無理にしても、庭いじり程度のことは可能になるはずだ。

人気エリアや駅近の物件が見つかるかも

新築の一戸建ては、件数も少なく、希望しているエリアではなかなか物件が出てこないものだか、中古一戸建てならいつでも、どこでも探せるというメリットがある。

不動産仲介会社の団体である不動産流通経営協会の『不動産流通業に関する消費動向調査(2016年度)』によると、「既存(中古)住宅を購入した理由」のトップは、「希望エリアの物件だったから」の64.3%で、2位は「手頃な価格だったから」が54.7%で続いている。希望する場所で、安く手に入るのが中古一戸建ての魅力であるのは間違いない。

どのエリアでも、駅前から開発が進んでいくため、新築はどうしても駅からの距離が遠くなる。徒歩10分以上、バス便物件も少なくない。

それに対して、中古一戸建てなら駅前は難しいにしても、徒歩数分程度の駅近物件を見つけられる可能性もある。そのためには、地元に強い不動産会社に希望条件を伝えておき、該当物件が出たら一番に教えて貰えるように手配、連絡があったら誰よりも迅速に対応できるようにしておく必要がある。

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タワマンより団地のほうが快適!? 実は暮らしやすい団地住まいの魅力

どんなところに住むのかはライフスタイルの要。働く女性にとって「自分のお城」とも言える住居には、こだわりや思い入れが強い人が多いはず。そんななか、セレブなイメージのある「タワーマンション」への憧れは根強く残っているようです。

しかしその一方で、「団地」と呼ばれる集合住宅への注目が高まりつつあります。実は、かつての「古い」とか「窮屈」とか、必ずしもいいとは言えないイメージが少しずつ払拭されてきているんです。団地ならではの魅力も改めて評価され始めています。

そこで、全国で1600以上の団地を管理しているUR都市機構(以下、UR)の小川絵美子さんと橘亜希さんに、団地暮らしのいいところについて話を聞きました。

お話を伺った小川さんと橘さん(写真=筆者撮影)

洗練された雰囲気の部屋にも住める

団地というと建物が古くて、いまのライフスタイルには合わないのではと思っている人も多いはず。しかし、建物自体は定期的に内装のリノベーションを行っているため、快適な生活に必要な設備は新しいものが揃っているのだそうです。

「キッチンや水廻りなど、消耗品である設備は定期的に新しいものに取り替えています。単身世帯や核家族が増えてきているなかで間取り自体を大きく変えている部屋もあります」(小川さん)

またURでは、無印良品やIKEAイケアといったブランドとコラボレーションして、「団地」というイメージとはかけ離れた、洗練された雰囲気の部屋を作るプロジェクトを行っています。

無印良品とコラボしたお部屋(提供=UR都市機構)

「企業とのコラボレーションプロジェクトは、若年層の方々に団地住まいのきっかけになっていただけるよう入居率を高めるため、キャッチーなものを作ろうとしたのがきっかけで始まりました。『MUJI×UR団地リノベーションプロジェクト』では、もともとの柱や梁を活かしつつ、押し入れは襖を取り払ったりったりキッチンと同じ高さのテーブルを備え付けたり、住む人が自由に使い方を工夫できるような部屋になっています」(小川さん)

イケアとコラボしたお部屋(提供=UR都市機構)

団地ならではの広々とした間取りに、洗練された雰囲気の内装。ぜひ住みたいと思う物件ばかりです。

また、UR以外の住宅供給公社や民間企業でも、団地のリノベーションを積極的に行っているのだそう。デザイナーが設計を手がけている物件も多くあります。民間の賃貸住宅にはない魅力的な部屋がたくさんあるんですね。

URには働く女性向けに作られた部屋がある!

URが管理している団地には、働く女性向けに企画された「UR COCOCHI」というシリーズがあります。女性がとくに気になる「水廻り」「収納」「セキュリティ」に着目し、「女性目線による心地よい暮らし」をコンセプトに女性職員が企画している部屋なのだそうです。

UR COCOCHIのお部屋(提供=UR都市機構))

「水廻りのキレイさや、収納の多さは女性ならではのチェックポイントですよね。さらにひとり暮らしなら、安心安全に暮らせることは最優先事項。現在、関東を中心に11団地に取り入れられています(H28末現在)」(小川さん)

「UR COCOCHI」の部屋はリノベーションによって、清潔感のある洗面台やキッチン、広いクローゼットやシューズボックス、モニター付きインターホンやオートロックなどが備え付けられています。女性ならではのチェックポイントをちゃんと満たしてくれているのがうれしいですね。

共有地から生まれるコミュニティの「ゆるいつながり」

また、団地は女性にとって魅力的な点もあります。それは、周囲の住人と「ゆるいつながり」のコミュニティを築けること。団地内の共有スペースで住民同士の交流が生まれるため、コミュニティが形成されやすくなっているんです。

「敷地の中にある公園や集会所といった共有スペースを使うことで、住民同士が自然と顔見知りになっていくんです。共通の趣味を持つ人たちでサークルを作って、定期的に集会所で集まっている人たちもいます。とはいえ、組合に入らないといけないとか、ご近所づきあいが必須とか、そういう窮屈なつながりではありません。挨拶したり、少し立ち話したりする、ゆるいつながりを作ることができるんです」(橘さん)

核家族の世帯が増えているなかで、コミュニティのなかで生活できる場所はそんなに多くないはず。これが団地暮らしの大きな魅力のひとつです。

とくにマンションで暮らしていると、人と人とのつながりが感じられず少し寂しい思いをすることもあります。あまりにも密接なつながりは窮屈で面倒ですが、団地のなかで生まれる「ゆるいつながり」は、女性のライフスタイルにとって魅力的なポイントとなるのではないでしょうか。

実は、小川さんと橘さんは以前同じ団地に住んでいたことがあるのだといいます。

「ふたりでご飯を食べに行ったことがあったよね。仕事から帰ってきてひと息ついたころ『たまには飲みにでも行こうか』って連絡して」(橘さん)

「団地の1階に韓国料理屋が入っていたから、そこに行ったんだよね。ずっと行きたいと思ってたんだけどひとりでは入りづらかったから……」(小川さん)

帰宅してから、誘い合わせて敷地内や周囲のお店にご飯を食べに行ったり、お酒を飲みに行ったり。想像するだけで楽しそうです。働く女性のひとり暮らしなら、女友だちと一緒に同じ団地に住むという選択肢もありかもしれません。

女性が住む場所の選択肢として団地は大アリ!

人と人とのつながりを感じられ、快適な生活ができる周辺環境が整っている団地暮らし。働く女性が住む場所として、再評価すべき選択肢のひとつと言えるのではないでしょうか。

筆者は個人的に、仲のいい女友だちと同じ団地にお互いひとり暮らしをして、たまに集会所を一緒に使ったり、作りすぎたおかずを分け合ったり、近くまで飲みに出かけたり、そんな生活がとても楽しそうだと感じました。ひとり暮らしをしていると、たまにどうしようもなく寂しくなってしまうときもありますが、同じ敷地内に気の置けない友だちがいると思うと心強い気がします。

次の住まいを探すなら、団地という選択肢もアリかもしれませんね。

近藤 世菜 編集者/ライター。早稲田大学政治経済学部卒。nanapi、メディアジーンを経て、現在フリー。インタビュー、イベントレポート、記事広告を中心にコンテンツを制作。

(提供:DAILY ANDS

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マンション購入意向者が住んでみたい関西圏の街 「阪急神戸線」の駅が上位を占める

大手不動産会社7社が運営する新築マンションポータルサイト「MAJOR7(メジャーセブン)」はマンション購入意向者を対象に「住んでみたい街アンケート2017年度」を行い、その結果を公表した。関西部門では、上位に阪急神戸線沿いの街が並び、その人気の高さを示した。

首位は2年連続で「西宮北口」 アクセスの良さと利便性が売り

(写真=PIXTA)

MAJOR7は住友不動産 <8830> 、大京 <8840> 、東急不動産、東京建物 <8804> 、野村不動産、三井不動産レジデンシャル、三菱地所レジデンシャルの7社によって運営されている。今回の調査は7月14日~30日にかけて行われ、MAJOR7各社のインターネット会員で関西二府二県在住の1034名から回答を得た。

2017年度の関西圏住んでみたい街ランキングは次のようになっている。

順位(前年) 街名(駅名)/獲得ポイント 10位(13位)天王寺/90 9位(12位) 大阪/93 8位(8位) 千里中央/99 7位(5位) 宝塚/110 6位(7位) 御影/121 5位(6位) 芦屋川/129 4位(4位) 梅田/166 3位(3位) 岡本/196 2位(2位) 夙川/264 1位(1位) 西宮北口/297 ※住んでみたい街(駅名)上位3位を1544個の選択肢から選ぶ方式のアンケート(第1位=3P 第2位=2P 第3位=1P)。

関西圏で最も住んでみたい街は「西宮北口」となり、2年連続の1位となった。選択した理由で最多となったのは「交通の便がよいから」で51.8%であった。大阪梅田へ最短13分、神戸三宮へ最短14分と抜群のアクセスを誇る。「通勤に便利だから」も41.1%の回答を集めた。「商業施設が充実しているから」も44.6%と多くの回答を集めた。駅前の「阪急西宮ガーデンズ」を中心に評価が高いようだ。

2位は「夙川」となった。選択した理由については、「閑静な街並みだから」が60.7%、「街並みがきれいだから」が51.8%となり、落ち着いた街並みについての評価が高いようだ。従来から高級住宅地として知られる夙川であるが、マンション購入意向者の評価も非常に高いようである。

3位は「岡本」となった。選択理由は「高級感があるから」(51.2%)、「おしゃれだから」(48.8%)、「街並みがきれいだから」(43.9%)、「閑静な街並みだから」(41.5%)と街並みやイメージに関する意見が並んだ。神戸の「山の手」としてのブランド力の高さが窺える。

これら上位3位は全て阪急神戸線沿いの兵庫県の街である。阪急神戸線のブランド力の高さが如実に出る結果となった。また、「梅田」を含めた上位4位までは前年と全く変わらない順位である。これらの街のブランド力の高さは簡単には揺らぎそうに無い。

次のページ再開発の進む「梅田」や「天王寺」はランクアップ

中野サンプラザ建て替えで、サブカルの聖地「中野」が変わる?

中野といったら何をイメージするだろうか?多くの人はアイドルのコンサートがよく行われている中野サンプラザやサブカルの聖地と言われている中野ブロードウェイではないだろうか?実は、公園の周りに大学、オフィス、高級レジデンスが囲むお洒落な街として定着つつあるのだ。中野サンプラザの立て替えでその町並みはさらに変貌するだろう。

芸能人も憧れた街中野

(写真=PIXTA)

中野は、芸人やミュージシャンや作家など文化人が多く住む街として知られている。そもそも、1966年に中野ブロードウェイが中野駅北口商店街と早稲田通りがぶつかる地点に出来た当時は、住設エリアと商業エリアが併設された最新エリアとして話題のお洒落なエリアとなった。住設エリアには、後に東京都知事になる青島幸男や歌手のジュリーこと沢田研二も住んでいた高級マンションだった。今でも都心に近い便利な賃貸マンションとして人気がある。商業エリアは上場企業の「まんだらけ」が80年に発祥の地として漫画専門店を開店して以降、サブカルの店がどんどん集まり、オタクが集まる街として発展することになった。

中野サンプラザは、北口駅前の区役所の隣に73年にオープン。正式名称は「全国勤労青少年会館」で、勤労者の福祉施設として建設された。当時としては高層ビルだった地上21階建て地下2階のビルに、ホテル、コンサートホール、結婚式場などが入った最新の多目的施設だった。コンサートホールは1階から4階を占め、2000人程度収容できて音響もいいため、アイドルの聖地と言われている。モーニング娘。のハロプロがカウントダウンコンサートなどを開いていた歴史あるホールだ。このように中野は日本の文化をリードする先端的な人気の街の歴史があった。

中野の流れを変えた中野四季の森プロジェクト

中野北口の北西には警察大学校があったが01年に府中に移転した。その13.7haの広大な跡地が12年から再開発されることになった。駅からの立体連絡通路を完成し、中野四季の森公園を中央に配し、学園都市ゾーンには早稲田大学、明治大学、帝京平成大学の新キャンパスを誘致した。早稲田は国際コミュニティプラザや国際学生寮を開設し、明治は国際日本学部などを開設するなど、留学生など外人も多く集まる国際色豊かな街となった。オフィス棟である中野セントラルパークは、公園とデッキチェアと噴水が併設されたくつろげるスペースとなった。公園に面したテラスをもったお洒落なレストランもオープン、アンダーアーマー直営のランニングステーションもあり、ランナーにも人気のエリアに生まれ変わった。住宅エリアは、高級デザイナーズ賃貸マンションとして人気がある。

次のページサンプラザと区役所も再開発スタート

住んでみたい首都圏の街 3年連続1位は「交通の便」「飲食店の充実」が評価されたあの街

大手不動産会社7社が運営する新築マンションポータルサイト「MAJOR7(メジャーセブン)」はマンション購入意向者を対象に「住んでみたい街アンケート2017年度」を行い、その結果を公表した。首都圏部門で吉祥寺や自由が丘等をおさえ3年連続で1位となった街とはどこであろうか。

首位は「恵比寿」 2位を大きく引き離し、人気の高さを示す

(写真=PIXTA)

MAJOR7は住友不動産 <8830> 、大京 <8840> 、東急不動産、東京建物 <8804> 、野村不動産、三井不動産レジデンシャル、三菱地所レジデンシャルの7社によって運営されている。今回の調査は7月14日~30日にかけて行われ、MAJOR7各社のインターネット会員で首都圏在住の3621名から回答を得た。

2017年度の住んでみたい街(駅名)ランキングは次のようになっている。

順位(前年) 街名(駅名)/獲得ポイント  10位(11位)広尾/296 9位(7位) 表参道/327 8位(10位) 横浜/333 7位(6位) 中目黒/339 6位(8位) 品川/345 5位(4位) 目黒/428 4位(2位) 吉祥寺/470 3位(5位) 二子玉川/488 2位(3位) 自由が丘/541 1位(1位) 恵比寿/683 ※住んでみたい街(駅名)上位3位を1544個の選択肢から選ぶ方式のアンケート(第1位=3P 第2位=2P 第3位=1P)。

最も住んでみたい街は「恵比寿」となった。3年連続の1位であり、獲得ポイントは683と2位「自由が丘」の541を大きく上回り、圧倒的な人気を誇っている。「恵比寿」を選択した理由については、「交通の便がよいから」が59.9%と最も多かった。山手線に加え東京メトロ日比谷線もあり、どこへ行くにもスムーズである。「飲食店が充実しているから」(44.4%)、「おしゃれだから」(38.0%)がそれに続いた。交通の便だけでなく、街の雰囲気や店舗の充実も評価されているようだ。

2位は「自由が丘」となり、前回調査の3位から1ランクアップとなった。選択した理由については、こちらも「交通の便がよいから」が49.5%で最も多かった。「好きな沿線だから」(44.8%)、「おしゃれだから」(42.9%)が続き、東急東横線のブランド力の高さを見せ付けた格好だ。

3位は「二子玉川」である。前回調査の5位から2ランクアップである。選択した理由については、「商業施設が充実しいているから」が64.1%で最多となった。近年開発の進んでいる二子玉川であるが、施設の充実を評価する声は非常に多いようだ。「交通の便がよいから」(48.9%)、「おしゃれだから」(47.8%)がそれに続いている。

次のページ別の調査では上位常連の「吉祥寺」「武蔵小杉」は冴えず 「品川」に期待

国内初、ZEHの建築で「太陽光発電システム」導入費が実質ゼロになるサービス

太陽光発電は売電でなく、自家消費がこれからの主流となっている。そうした中で、国は自家消費を促進する方法として、ZEH(ゼロ・エネルギー住宅)の普及をあげ、普及促進のための様々な支援策を講じている。一方、民間企業でも、普及に向けた新たなサービスが登場した。ZEHの建築者に対して、太陽光発電システムを無償サービスするという思い切った内容である。もちろん国内で初めてのサービスであり、その仕組みやねらいを探ってみた。

光熱費ゼロの住宅

(写真=PIXTA ※画像はイメージです)

ZEHは、住宅建材、構造、設備の徹底した省エネ化を図り、家電製品などの電気機器の使用効率化を進める一方、太陽光発電などの創エネシステムでエネルギーを作り出し、年間のエネルギー消費量を正味でゼロに抑える住宅をいう。いわば、光熱費がゼロとなる住宅である。国はもちろん、地方自治体でも、ZEH建築に向けた補助金などの支援策を講ずるところが目立ったいる。

国や自治体に呼応した民間企業での新たなサービスを立ち上げたのは、東京電力エナジーパートナー(以下、東京電力EP)と建材・設備の販売・製造会社のLIXILである。このサービスは、ZEH建築のための建材・設備など、LIXIL製品を購入するお客様に、太陽光発電システムを実質的に無償でサービスする内容である。

東電EPとLIXILが合弁会社

東京電力EPとLIXILはこのほど、合弁会社「LIXIL TEPCO スマートパートナーズ」を設立、10月1日から太陽光発電の無償サービスに乗り出した。このサービスは、指定のLIXIL製品を使用してZEHを建築したお客様に、太陽光発電システムを割賦販売するが、設置した太陽光発電の電力売電先を「LIXIL TEPCO スマートパートナーズ」にすると、新会社はその分すなわち買電分を月々の割賦販売額に充当して実質的にシステムの代金を無償にする仕組みである。つまり、LIXILと東京電力EPは、LIXIL製品の拡販と東電EPの顧客獲得にそれぞれメリットがあり、太陽光発電システムを無償で提供しても十分メリットがあると判断したわけである。

電力の全面自由化によって、電力会社は顧客の獲得、顧客離れの防止が大きな営業課題となっている。住宅メーカーや関連企業にとっても、省エネ住宅、省エネ建材などの販売拡充が課題となっている。そうした両者の利害が、ZEHの普及を図るという点で、うまく一致したといえよう。

ZEHの普及は、省エネや、地球温暖化対策と同時に、太陽光発電の自家消費の促進という政策課題に合致する点を見逃せない。太陽光発電は再生可能エネルギーの中核的存在として、東日本大震災後の電力需給のひっ迫を背景として、政府がその導入拡大を積極的に推進してきた。

太陽光発電の導入拡大の原動力となったのは、2012年7月に制定された再エネ電力の固定価格買取制度(FIT制度)である。この制度は、太陽光発電の発電電力を、長期固定価格で電力会社に買取ることを義務づけた制度だ。買取価格は、電気料金単価より割高の価格で、10年間の固定価格で買い取るという内容である。買取費用は、電力会社が負担するのではなく、再エネ賦課金の形で電気料金に上乗せされ、国民が負担する形となっている。

2012年の制度創設以降、FIT制度は、太陽光発電事業者にとって、きわめて魅力のある制度だったことから、発電事業者の参入が相次ぎ、太陽光発電電力の買い取りが急増した。しかし、発電電力の買い取り急増は、再エネ賦課金の増大をもたらし、結局、国民負担の急増につながった。

次のページ4月の改正FIT法で太陽光発電の自立促す

その家、ホントに買ってOK?女性が不動産屋にだまされないコツを聞いてみた【前編】

バリキャリでシングルライフを謳歌する女性が増えたことから、女性が不動産を購入するケースが多くなっています。投資を目的とした不動産の購入を検討する女性も少なくありません。

(写真=筆者撮影)

しかし、不動産購入において、うまく言いくるめられて損をしてしまった女性や、女性ゆえに足元を見られてしまうことも少なくないように思います。

そこで今回は、『不動産屋にだまされるな 「家あまり」時代の売買戦略(中公新書ラクレ)』の著者である山田寛英さんに、女性が不動産屋さんにだまされないためのポイントをうかがいました。前後編に分けてお届けします。

前編では「女性が不動産を買う時にだまされやすい理由や対策」についてお話をうかがいました。

数千万円だまされても気づかない女性も

(写真=筆者撮影)

――山田さんは普段、どういうお仕事をされているのでしょうか。

不動産に特化した会計事務所を経営しています。

相続税や不動産所得の申告、贈与についてや相続対策、金融機関から融資を引き出すための融資計画書の作成のご相談にのっています。不動産にまつわる女性からの相談も多く、年齢層も20〜80代までと幅広いです。

――ご相談に来る女性のお客さんのなかで、不動産購入でだまされたという方はいらっしゃいますか?

本来ならば3000万円近くの相場の物件を、5000万円近くで買ってしまった女性がいらっしゃいます。

不動産業者側はもちろん相場を知っているのですが、銀行に相談したら「このお客さんは信用力あるから、5000万まで融資ができる」と言われた。すると不動産業者は、融資限度額まで価格を釣り上げて売ったんです。でもその女性は知識がないから、その価格で買ってしまった……。

また「将来が不安だから」と、狭くてボロい投資用物件を都内に買ってしまった女性もいました。2800万円で買ったのですが、本当の相場は2000万円程度。どちらのケースも独身女性だったのですが、明らかにだまされているのに本人は気づいてない。

例えば毎月の借入金の返済が20万円で家賃が15万だと、赤字になりますよね。でも損をしていることに気が付かず「毎月の給料で5万円分を埋め合わせればいいや」と思ってしまう女性もいるんです。「赤字が出たら給料から補てんすればいい」という考えがおかしいことすら理解できていません。

悪い物件を掴まされ、返済を続ける女性

――だまされていることに気がつかないままというのは怖いですね……

現在70代の女性で、若い頃に賃貸アパートを買ったけれど、20年間ずっと赤字で、アルバイトやパートをいくつもかけもちして返済を続けていて、子どもの学費も払えなかったという方もいらっしゃいました。

「あと8年くらい返済が残っているけれど売ってしまうと損をするので、完済のために働くことが人生の目的になっている」と聞いたときは、言葉が出なかったですね。

――その方は、悪徳不動産会社から物件を買ってしまったのでしょうか?

そうではなくて、大手の不動産業者から購入したそうなんです。

購入するときに「高いな」とは思ったそうなのですが、「営業担当者がいい人だったから買ってしまった」と言っていましたね。条件のよくない物件を高値でつかまされてしまったけれど、実際にアパート経営をスタートしたら人が入らず、赤字が続いているというわけです。

(写真=筆者撮影)

女性が不動産を買うのはかなり危険!?

――今回は「女性が不動産を買う時にだまされないようにするためにはどうしたらいいか」というテーマでお話をうかがいたいのですが。

それは……「南米の治安の悪い都市で、若い女性が夜中の12時にひとりで道を歩くにはどうすればいいか」という質問にかなり近いですね(笑)。

――え!それはどういうことでしょうか?

不動産業界では、消費者側である私たち一般人がものすごく弱い立場にいます。

例えばケガや病気で病院にかかるときは、保険点数が決まっているから、医者は患者をだましにくい。家電なども、不良品などの変なものを売ると、すぐに問題になる。でも不動産業界は、国土交通省の縛りが厳しくないので、業者が利益をむさぼることができてしまうのが現実です。

不動産に特化した会計事務所を経営している男性の私でも、不動産を買おうと思ったら8割くらいの確率である程度はだまされると思います。不動産業界で働くプロフェッショナルであっても「よい物件を安くオトクに買える」可能性はかなり低いと思いますね。

――女性が不動産を購入する場合、どのような点に注意すれば良いのでしょうか。

最初の深夜に夜道を歩く話で例えるとすれば、「武器で武装する」「男性と一緒に歩く」または「夜に出歩かない」という方法しかないですね。

――何だか不安になってきました……。具体的にはどうすればよいのでしょうか。

「武装」は、不動産の知識を身につけること。

「男性と一緒に」というのは言葉の通りで、不動産業者と会ったり交渉をしたりする時は、女性ひとりではなく男性を一緒に連れていくこと。

もうひとつは「そもそも不動産を買わない」ですが、これはあまり現実的ではないですね。

若い女性は不動産業者にとって「いいカモ」

――女性ひとりで不動産業者と付き合うと、だまされてしまう可能性が高いのでしょうか。

例えば、我々のような会計士の仕事は女性も活躍する、性別を問わないフェアな世界です。でも不動産業界の営業マンは、現実として男性の方が圧倒的に優位。不動産を買おうとする若い女性は、男性の営業マンから「かなりナメられている」ということを前提に考えた方がいいと思います。

男性の営業マンにとって、例えば「投資用物件を買いたい」という若い女性の相手をするのは、合コンに来ている女性をオトすようなもの(苦笑)。不動産の知識のない女性がお客さんとして来るのは、彼らにとっては好都合なんです。不動産業者にとっては「買い手はなるべくバカがいい」というのがホンネです。

――特にだまされやすい女性の傾向などはありますか?

私が見てきたなかでは、研究所勤めなどの理系の女性、学校や幼稚園・保育園で先生をしている女性などが、特に人を信じやすくだまされやすい傾向にあると思います。営業マンがそういう女性をだまそうと思ったら、家賃統計や収支グラフなどの資料を見せて「賃貸保証しますよ」などもっともらしいことを言えば、それをそのまま信じてしまう人も多いです。

女性の場合、例えばガツンと強く何かを言われたら、反論せずに納得してしまう人っていますよね。だから、営業マンにとってはなおさら、言いくるめやすかったりするんですよね。

また、後でトラブルが起きた場合、男性は闘いますが、女性は訴訟を起こすことも少ない。そういう点でも、なめられやすい部分はあります。

――だから、男性を一緒に連れて行った方がいいんですね。

結婚している人は旦那さん、独身の人は自分のお父さんと一緒に行くのがベストです。お金持ちの方だと不動産業者とのやりとりに顧問弁護士や代理人を立てることもありますが、若い女性は、身内の男性を連れていきましょう。

女性が家を買う時は警戒心を持つ必要がある

山田さんからお話をうかがって「女性が不動産を買うのって怖いことなのかも……」と感じた私。しかし逆を言えば「家を買う」ことはそれくらい警戒心を持って慎重に考える必要があることがわかります。

次回は、女性が不動産を買うときにチェックすべきポイントについて、詳しくうかがいます!(後編に続く)

Y子 大学卒業後、出版社勤務等を経てフリーライターに。インタビューや取材、記事制作などを行う。20代の終わりが近づき、ただ漠然と貯金をすることに疑問を感じ「投資」に関心が出てきた。

(提供:DAILY ANDS

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下町が変貌する?「京成立石」「小岩」駅前に複合タワマン計画が続々

東京の下町が劇的に変わり始めた。北千住、日暮里といった交通の拠点になるエリアに次いで、立石、小岩といった昭和の雰囲気が多く残りシャッター商店街化が進んだ商店街でも大規模再開発がスタートする。

オリンピックを契機に都市再生が本格化

(写真=PIXTA)

下町には昔からの商業地区が多く、車でアクセスできるような大きな道も整備されていないことが多い。木造住宅密接エリアであり、土地の利権も入り組んでおり、再開発がなかなか進まない地区が多かった。アジアの主要都市が国を挙げた整備で、都市としての魅力、国際競争力を向上して行くのに対し、日本の街の整備の出遅れが目立ち始めていた。日本も、東京オリンピック2020を契機に、やっと官民をあげての市街地の整備に乗りだした。全国に緊急かつ重点的に市街化整備に取り組む「都市再生緊急整備地域」を制定し、整備を助成金の対象とするなど法律を整備した。

あの立石が未来都市として大きく変貌する

東京都葛飾区の立石。荒川と江戸川に挟まれた下町エリアだ。かつては急行の停車駅で、商業地区として沿線有数の乗降客数があり東西に商店街が拡がっていた。今は木造のレトロな駅舎が残るだけで、各駅停車しか停まらない駅になってしまった。ただ、「呑んべえ横丁」があり、千円でベロベロに酔える街「センベロ」のメッカとして、昼間から酒を愛する人達が集まる東京の酒都としても知られている。

その京成立石駅の周辺では京成電鉄押上線の連続立体交差化を機に、3地区で再開発が始まる。

先行しているのは駅の南口東地区。駅へのアクセスを整備し、約1.0haの敷地内に、地下1階地上3階建て延べ約900平方メートルのビルと地下1階地上34階建て延べ約3万7900平方メートルのビルの複合ビル2棟を建設する計画だ。低層部は公共施設や商業エリアとなり、高層部は住宅約450戸のタワーマンションになる。18年度後半に着手し、21年度後半に完成予定だ。野村不動産、阪急不動産、清水建設などの共同プロジェクトとなる。

北口地区の2.2haの敷地内には、葛飾区の総合庁舎を入居予定の地下3階地上13階建て延べ4万400㎡のビルと地下2階地上36階建て延べ8万1100平方メートルで公共施設や商業エリアと600戸のタワーマンションが入る複合ビルを建設する計画だ。旭化成グループが中心に行う。

南口西地区の1.2haの敷地内では、地下1階地上34階建て延べ約9万6000平方メートルのビルを計画している。低層部は商業エリア、スポーツ施設、公共施設などになり、上層部は550戸から590戸のタワーマンションとなる。

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相続しても空き家のまま?「不動産を相続したくない」は2割超

不動産関連の比較査定サイト「スマイスター」を運営するシースタイルは、9月23日の「不動産の日」(全国宅地建物取引業協会連合会制定)に合わせて、「不動産相続」についての調査を行った。回答者の2割超が不動産相続をしたくないと考えている等、不動産相続についての意外な実態も明らかとなった。

不動産相続に関わる人は5割超 活用方法は住居が最多

(写真=PIXTA)

9月23日は「不動産の日」である。秋に不動産取引が多くなる事や語呂合わせにより、1984年に全国宅地建物取引業協会連合会が制定した。シースタイルの調査は「不動産の日」に合わせて実施された。8月31日~9月11日にかけてインターネット上で行われ、20代以上の男女781人から回答を得た。

不動産相続の経験や相続する可能性の有無について、「相続の経験がある」と回答したのは21.9%であった。「相続する可能性がある」との回答は30.5%となり、全体の半数以上が不動産相続に関わるという実態が明らかとなった。

不動産相続の経験者に相続した不動産の種類を尋ねたところ、「戸建て」が79.5%と最も多かった。それに続いたのが「農地」であり、18.7%が回答している。「土地」(8.2%)や「マンション」(7.0%)よりも「農地」を相続した人の方が多いと言う結果となった。

相続した不動産をどうしたかについて尋ねたところ、「自分が住んだ」が最も多く、36.8%となった。「子供が住んだ」(3.5%)、「親が住んだ」(1.8%)を合わせると、4割を超える人が相続した不動産を住居として活用している。「売却」は22.8%で2番目に多い回答となっている。「賃貸に出した」(8.8%)や「駐車場経営」(4.1%)等、相続不動産の収益化を進める人も2割近くいる。一方、「空き家として管理」は17.0%、「空き家として放置」は11.7%と、相続不動産が空き家のままとなっている人も28.7%に上った。手間のかかる維持管理に手が回らず放置している人や、住居には困っていないが、相続不動産なので売るに売れないといった人もいると見られる。

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日本で小屋暮らしが定着するために必要な2つのこと【小屋ブームを知る・後編】

「小屋ブーム」の背景や真偽を確かめるべく、小屋暮らしの認知拡大・普及に取り組む「YADOKARI」の相馬由季さん(TINYHOUSE ORCHESTRA事業部長)を訪ねています。

前編では小屋ブームの背景を、中編では小屋暮らしのコスパについてそれぞれ掘り下げました。

最終回となる後編では「日本でこれから小屋暮らしは定着するか?」について探ってみたいと思います。

日本には小屋暮らしできる環境が整っていない

(写真=筆者撮影)

ーー「小屋ブーム」が来ているとはいえ、まだ「小屋暮らし」を本格的にする人はほとんどいないと、中編でおっしゃっていました。今後小屋暮らしが日本で広がっていくためにはどういうことが必要だと思いますか?

2つのことが必要だと思っています。1つは「認知」が広まること。そもそも、こういう住まいの選択肢があるということが広がっていくということですね。もう1つは「環境」です。

ーー都内でタイニーハウス暮らしをしようと思っても、今はできる場所がないということですね。

そうです。

中編でお話ししたタイニーハウスのコミュニティのようなものが作れたら良いのですが、土地が安いとなると郊外になってしまって、そうなるとどうしても住める人の職業が限られてしまいます。

YADOKARIでもコミュニティづくりを進めたいとは思っていまして、都内でも通えるぐらいの場所でできたらと思いますね。

ーー今は認知も広がっていないし、環境も整っていない、と。鳥が先か、卵が先か、という話しかもしれませんね。

そういうことです。なので、YADOKARIでは同時並行で進めたいと思っています。認知を広げつつ、コミュニティづくりや、タイニーハウスホテルなどの体験施設づくりを進めつつ。

認知の拡大については、タイニーハウスに特化したメディア「TINYHOUSE ORCHESTRA(タイニーハウスオーケストラ)」を7月26日に開設したところです。

タイニーハウスに関する基礎知識やイベント・ワークショップ、タイニーハウスを使った店舗や宿泊施設、実際に購入できるタイニーハウスの情報を発信しています。今後はタイニーハウス作りのリアルタイム配信やタイニーハウスコミュニティの紹介も考えています。

(写真=筆者撮影)

小屋暮らしに向いている人、向いていない人

ーータイニーハウス暮らしに向いているのはどういう人だと思いますか?

本当に好きなものとか人、好きな場所で好きな仕事をして生きていきたい人。これは特別なことじゃなくて、根本的な欲求で、当たり前の幸せです。それを実現したいなと思ったときに選択肢のひとつとしていいんじゃないかなぁと思いますね。

何が自分にとって幸せなのか、って人によっていろいろあると思います。都心の高級マンションに住んで豪華な暮らしをすることが幸せな人もいれば、温かいご飯を食べることが幸せだと感じる人もいる。

それがアパートでも、一軒家でも、シェアハウスでもなんでもいいと思うんですけど、幸せの選択肢の一つとして、小屋が合う人がいるんじゃないかなっていう感じですね。

ーー逆に、小屋ぐらしに向かない人っていうのはどういう人だと思いますか?

アメリカでも、タイニーハウスに住んでみたけど合わなかったという人はいましたね。その人は何がダメだったかというと、やっぱり狭すぎた(笑)。モノを所有できないことがストレスになってしまって、辛く感じる人もいるそうです。

女性だと、流行の服を着たい、流行のものがほしいとか、そういうタイプの人だと、モノを置きたくても置けないとなると辛い。どんどん捨てられればいいですけど、捨てられない人は狭い空間だと辛いと思います。流行とかに興味がないし、本当に自分が心地よいと思えるものだけあればいい人はぴったりだと思う。

ーー相馬さんご自身は結構、ミニマリストだったりするんですか?

意外とそうでもないです(笑)。ゾウの置物とか、どうでもいいものが結構好きだったりするんですよ。私は無理して極限まで減らさなくても、タイニーハウスの中にある程度モノがあってもいいと思っています。それが本当に自分の好きで、大切なものであれば。

小屋が社会問題を解決する

ーー一度、住んでみないと自分が小屋暮らしに向いているか、向いていないか、わからないかもしれませんね。

そうだと思います。なので、1週間や1カ月、ミニマムな暮らしが体験できるような場を作りたいなと思いますね。それが地方活性化、つまり地方への移住体験などとセットにできたら面白いとも思います。

ーーなるほど。小屋は社会問題の解決にも一役買うことができそうです。

そうなんですよ。実際、今も遊休地の活用として「小屋」が注目されています。

ディベロッパーが土地を取得して、開発が始まるまでだいたい2〜3年くらい期間があきますが、その間土地に対して固定資産税がかかってしまいます。どうせなら、開発する前に、地域のにぎわい生み出せるといいな、ということで、駐車場よりもこういう移動可能な小屋を選ばれる方が増えていて。

(写真=筆者撮影)

今、私たちがいる「BETTARA STAND 日本橋」(※上の写真。取材が行われた場所)がまさにそうで、遊休地を活用して小屋を移動させてきてできたお店なんです。1年後か、3年後か、何年後かは分からないのですが、いつかは開発されてしまう土地に暫定的なお店をつくる。移動がカンタンなタイニーハウスだからこそできることですよね。

もしかしたら小屋暮らしに興味あるけど、見たこと無い人は、遊休地活用しているところに出かけてみるのも一つかもしれません。まずは見たり、体験したりすると良いかともいます。

日本で小屋暮らしが広がるのは何年後?

ーー今後、小屋暮らしを広めていくためにどのような活動をしていきたいと思いますか?

「小屋暮らし」を一過性のブームでは終わらせたくないなと思います。いま、小屋ブームが起きていて、それだけ認知が広がるということはいいんですけど、流行りで終わらせてしまうのではなくて、しっかり精神性を伝えたいです。「ファッション小屋暮らし」じゃなくて、幸せを追い求めるための一つの手段なんだよっていう「核」の部分をしっかり伝えていきたいです。

ブームって強くて、メディアとか雑誌で取り上げられるのですけど、そこにひっぱられずに我々が発信したいことを発信し続けたいですね。

ーー日本で小屋暮らしが定着するまで何年ぐらいかかるでしょうか?

ここ1年ぐらいで、体験できる場ができるように進めてはいるつもりです。実際に小屋暮らしをし始める人が増えてくるのは2〜3年後くらいかなと思いますね。

たぶん、メジャーな住まい方になるかと言えば、そうではないとは思いますが、あと5年ぐらい経てば、ある程度の人が住み始めるんじゃないかなと思いますね。

ーーいつか、実際に住んでいる人のインタビュー記事なども読んでみたいです。

そうですね。一人でも、二人でも住み始める人が出てきて、メディアで取り上げられて、知っている人が増えればまた変わってくると思います。

ーーありがとうございました!

小屋で2時間取材、快適でした!

占めて2時間ほど、小屋でつくられた飲食店「BETTARA STAND 日本橋」で取材を行いましたが、小屋の中はとても快適で、外の熱気もまったく気になりませんでした。

自分の好きな空間を自分でカスタマイズしたら一体、どんなに快適に暮らせるのだろうか……想像するだけでもとてもワクワクします。

家賃って高いな、もっと安く押さえられないかな。そう思った人は一度、小屋について調べてみてもよさそうです。自分にとって何がコストで、何がパフォーマンスなのかを考えられる機会になりそうです。

取材に協力してくれたのは

YADOKARI

タイニーハウスの販売や、タイニーハウスに関連するメディアやイベントの企画・運営を行う。「ミニマルライフ」「タイニーハウス」「多拠点居住」などを通じて、場所・時間・お金に縛られないライフスタイルを実現し、人生の満足度、幸福度を向上させることを目指している。豊かなライフスタイルをテーマにした書籍『月極本』も発行しており、最新刊に『月極本3 好きなお金、嫌いなお金。』がある。日本の小さな住まいの実例集、『ニッポンの新しい小屋暮らし』(光文社)も発売中。

くすい ともこ DAILY ANDS編集長。北陸の地方紙で5年間記者として勤務後、Web編集者に。「無理のない範囲でコツコツ」をモットーに資産運用を実践中。

(提供:DAILY ANDS

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