中国・韓国

中国人の人生はアリババ次第? 信用情報機関「芝麻信用」の格付けが猛威

中国では支付宝とそのQRコードが猛威を振るっている。アリババは毎年8月8日に無現金日を設定し、現金不使用社会への広報宣伝活動を続けている。信用至上の社会が目前に迫っている。その信用審査の主役も今やアリババだ。その焦点“芝麻信用”の現状について、ニュースサイト「今日頭条」が伝えた。

芝麻信用とは?

(画像=芝麻信用Webサイトより)

芝麻信用とは、アリババグループのアントフィナンシャル旗下にある、独立した第三者信用情報機構である。2015年1月、中国人民銀行(中央銀行)が設立準備を認めた8社の信用情報機構のうちの1つである。

芝麻信用は「身分特質」「履約能力」「信用歴史」「人脈関係」「行為偏好」の5項目について個々人の点数を算出し、総合点で格付けしている。アリババのネット通販履歴、モバイル決済データ、ネット金融データ、さらに公安ネットなど公共機構のデータ、および協力機関のデータも加味した精緻なものだ。予約した配車アプリのキャンセル、水道光熱費などの未払いなど些細なデータも点数に影響を与える。

これで銀行の伝統的信用データではカバーしきれなかった、信用カードの無い者、学生、自由業者など、草の根の群衆までみなキャッチしてしまう。

点数は最低350点、最高950点で信用の高低を5つに分けて表現する。350-550を「較差」、550-600を「中等」、600-650を「良好」、650-700を「優秀」、700-950を「極好」と分類している。

次のページ600点以上の顧客が受けられるさまざまな優遇策 5つ紹介

中国、ビットコイン取引を全面的に排除 投機との割り切りが必要

中国は仮想通貨取引の排除を開始した。中国人民銀行など関連7部門は9月4日、「仮想通貨発行増資リスク防止に関する公告」を発表、政府の認可を受けない資金調達行為を禁止した。新規に仮想通貨を公開し、資金調達をする行為(ICO)は当然、政府から認可を得ておらず、全面的に禁止されることになった。

9月13日夜、中国インターネット金融協会は、「ビットコインなどの仮想通貨は明確な価値の基礎が欠乏している」と題した文章を公表している。

「近年、ビットコイン、LTCなどの仮想通貨がインターネット上で集中的に取引され、関与する人数が増加、金融、社会に対する隠れたリスクが無視できなくなってきた。ビットコインなどの仮想通貨は明確な価値の基礎が欠乏しており、投機の様相が濃厚であり、価格のボラティリティは極めて高く、投資家は盲目的な取引を繰り返している。資金を損失しやすく、投資家はリスク防止の意識を強化しなければならない。

特に注意しなければならないのは、ビットコインなどの仮想通貨は、日を追うごとに、マネーロンダリング、麻薬の販売、資金の違法送金、違法な資金調達などの犯罪活動の道具となっている点である。投資家は警戒心を保たなければならず、違法行為、犯罪活動を見つけたらすぐに当局に報告しなければならない。取引プラットフォーム(取引所)における技術的なリスクは高く、国際上、既にハッカーによる窃盗事件が発生しており、投資家は自身で投資リスクを負わなければならない」

などと指摘している。

中国、ビットコイン取引を全面的に排除

(写真=PIXTA)

9月15日には、監督管理部門がビットコイン取引プラットフォームの全面閉鎖、市場からの退却を要求。同日にはOkcoin、火幣網、雲幣網など大手プラットフォームが次々に閉鎖を公表、9月30日までにあらゆる口座の取引を停止し、10月31日までに、逐次あらゆるデジタル資産の人民元取引業務を停止すると発表した。

共産党一党独裁体制で社会主義市場経済の中国において、金融はもっとも閉鎖的な産業である。国内投資家に対する対外証券投資の開放は遅れており、当局の認可の必要なQDII(適格国内機関投資家)制度を利用するか、上海香港ストックコネクト制度あるいは深セン香港ストックコネクト制度を通じ、銘柄の制限、1日の取引制限(総量)の範囲内においてのみ、自由に売買を行うことができるといった仕組みである。

人民元取引においては、個人には年間の外貨換金額制限がある。企業では事業に関する換金、送金は原則自由であるが、金融取引のための換金、送金は原則禁止である。こうした厳しい規制のある業界で、これまでビットコイン取引が禁止されなかった方が不思議である。

中国人民銀行など10部門・委員会は2015年7月18日、「インターネット金融の健康的な発展を促進することに関する指導意見」を発布しており、インターネット金融プラットフォームを積極的に支援するとしている。

こうした点からいえば、経済、社会に悪影響を与えない限り、ビットコインも発展を支援される対象となったはずだ。一方、インターネットによる決済、銀行業務、株式公募、ファンド、保険の販売、信託業務、消費者金融業務などに関して行政における監督管理の責任分担が示されている。

これまでも、ビットコインの問題点は指摘されてきた。とはいえ、取り締まりの実態がない限り、企業はあらゆる分野において、自由、闊達に起業する。高いリターンが望める以上、リスクを恐れず取引に応じる大量の顧客が存在する。そうした中国人のアニマルスピリットが、中国のインターネット金融を爆発的に発展させ、ビットコイン取引量は一時、全世界の9割を占めるほどの隆盛を極めたのである。

次のページインターネット金融の発展により、金融の国際化、自由化は避けられない

中国産業は「AI技術の中核」すらも吸い込みつつある

本土A株市場では、半導体・部品セクターに対する注目度が高まっている。関連70社から構成される半導体・部品セクター指数の動きをみると、7月17日を底値に上昇トレンドを形成している。

直近では9月21日に高値3795ポイントをピークに利益確定売りに押されているが、それでも26日終値は3614ポイントで引けている。7月17日の終値2947ポイントと比べると、22.6%上昇している。

70銘柄の上場先をみると、上海メインボードが20銘柄、深センメインボードが5銘柄、深セン中小企業ボードが22銘柄、深セン創業ボードが23銘柄である。同じ期間で比べると、上海総合指数は5.3%上昇、中小企業ボード指数は10.9%上昇、創業ボード指数は11.0%上昇に留まっており、半導体・部品セクターの株価は市場平均を大きくアウトパフォームしている。

上昇率の高い銘柄の事業内容

半導体・部品メーカーといっても、業務内容は多彩である。上昇率の高い銘柄を中心に事業内容を示すと以下の通りである。

兆易創新(603986):メモリチップなどの製造 晶方科技(603005):半導体のパッケージング 北方華創(002371):半導体製造装置、真空設備、リチウム電池設備などの製造 東晶電子(002199):発振子、振動子などの製造 通富微電(002156):半導体パッケージの検査 康強電子(002119):リードフレーム、ボンディングワイヤなどを製造 湘南国科微電子(300672):半導体回路の設計、テレビ放送用チップなどの製造 江豊電子(300666):半導体用スパッタリングターゲットなどの製造 上海富瀚微電子(300613):監視カメラ用画像処理プロセッサなどの製造 中穎電子(300327):家電、電機コントロール用の半導体などの製造

株価上昇の背景は機関投資家の資金流入

株価上昇の背景には、本土機関投資家の資金が入り始めていることが要因とみられる。直近では6月30日の状況しかわからないが、例えば、兆易創新では、銀行系のファンド、信託、損害保険会社が大株主として数多く名を連ねている。

また、晶方科技(603005)では銀行系のファンドのほか、社会保障基金、国家部門である中国証券金融有限会社、中央匯金資産管理有限責任公司の資金が投入されている。ほかも同様であり、機関投資家好みの銘柄の多いセクターである。株価の動きをみていればわかることだが、最近の株価上昇は、個人の投機によって上がっているわけではなさそうだ。

9月25日付の上海証券報では、「半導体、既に上昇周期入り、機関投資家は“金鉱”セクターの掘削に乗り出す」といった見出しで、機関投資家の見方を伝えている。

最大の注目点は、現状において中国は半導体の消費大国であるが、大半を輸入に頼っている点である。今後、国産化が進む過程で、大きな成長が期待できると考えている。

中国半導体産業協会の統計によれば、2012年の中国IC製造業売上高は501億元であったが、2016年には1127億元に達している。この間の年平均伸び率は22.5%増である。さらに、2017年上半期は571億元で25.6%増と伸び率は加速している。

次のページ国家、地方政府資金による半導体支援ファンドは5000億元超の規模

最近の人民元と今後の展開(2017年10月号)~9月は往って来いの展開、年末にかけての動向は?

要旨

(写真=PIXTA)
  • 9月の人民元レート(スポット・オファー、中国外貨取引センター)は米ドルに対して小幅に下落、9月末は前月末比0.9%下落の1米ドル=6.6535元で取引を終えた。9月初旬はユーロドルが1ユーロ=1.2米ドルの大台を回復したことを受けて人民元も勢い良く上昇、7日には1年5ヵ月ぶりに6.4元台を付けた。しかし、ユーロが下落に転じたことや中国当局の姿勢が元高阻止に変わったとの思惑から人民元は下落に転じた。結局、9月は“往って来い”の展開となり、前月号で提示した想定レンジ内にぎりぎりの所で踏みとどまった。
  • 17年末に向けての人民元レートは、米中の長期金利差は縮小しないと見て、引き続き米ドルに対してボックス圏でほぼ横ばいの動きと予想している。想定レンジは1米ドル=6.5~6.9元(1元=16.0~17.4円)。なお、ユーロドルが再び上昇の勢いを強めて想定レンジの上限(1米ドル=6.5元)を突破する可能性は残る。しかし、9月の仏上院選ではマクロン政権が敗北、独総選挙でもメルケル首相が率いるキリスト教民主・社会同盟が議席を減らすなどユーロ圏改革のスピードアップに対する期待は後退、そのリスクは低下した。

9月の人民元の動き

9月の人民元レート(スポット・オファー、中国外貨取引センター)は米ドルに対して小幅に下落、9月末は前月末比0.9%下落の1米ドル=6.6535元で取引を終えた。9月初旬はユーロドルが1ユーロ=1.2米ドルの大台を回復したことを受けて人民元も勢い良く上昇、7日には1日だけだったが1米ドル=6.4901元と16年5月3日以来およそ1年5ヵ月ぶりの6.4元台を付けた。

しかし、ユーロが8日をピークに下落に転じていたのに加えて、12日には中国人民銀行が外貨リスク準備金(*1)を廃止する模様と伝わったことで当局の姿勢が“元高容認”から“元高阻止”に変わったとの思惑をよび、人民元は下落に転じた。結局、9月は所謂“往って来い”の展開となり、2017年9月号で提示した想定レンジ内に、ぎりぎりの所で踏みとどまったと言って良いだろう(図表-1)。

世界の外為市場の動きを見ると、9月は米ドルがほぼ全面高の展開だった。米連邦準備理事会(FRB)が20日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で保有資産の縮小を決め、また12月のFOMCでは追加利上げに踏み切る可能性が高いとの見方が強まったことが背景にある。

主要通貨ではユーロが前月末比0.6%下落、日本円も同2.2%下落した。他方、新興国通貨ではロシア(ルーブル)やマレーシア(リンギット)が原油高を受けて上昇したものの、その他の新興国通貨は概ね下落、インド(ルピー)が同2.1%下落、韓国(ウォン)も同1.5%下落した(図表-2)。なお、9月は日本円も米ドルに対して下落、人民元よりも下落率が大きかったため、日本円に対する人民元レートは100日本円=5.9105元(1元=16.92円)と前月末比1.2%の元高・円安となった(図表-3)。

————————————- (*1)外貨リスク準備金制度は、人民元ショック直後の15年9月に導入されたこともあって、人民元の急落を回避するための措置といわれている。 ————————————-

次のページ今後の展開

中国の飲食店は毎月10%が閉店、平均寿命わずか508日間

「民は食をもって天と為す」--。

このことわざの通り、飲食業は需要の尽きることのない、永遠に衰退しない産業のはずだった。ところが最近のデータは、それに反するものばかりである。中国の飲食業はどうなってしまうのか。ニューサイト「今日頭条」が最新の情勢を分析している。

平均寿命はわずか508日

(写真=outcast85/Shutterstock.com )

2017年上半期のデータによると、飲食業の現状は危機的である。全国の飲食業収入は1兆8546億元、前年同期比11.2%のプラスだった。しかし利益の出ている飲食店はわずか20%ほどにすぎない。北京、上海、広州、深センの4つの一線級巨大都市では、毎月平均で10%の飲食店が閉店している。新たに開店した飲食店の平均寿命はわずか508日しかない。1年と4カ月にも満たないその短さに、誰もが驚かざるを得ない(1元=16.8元)。

以下は閉店に追い込まれる主要原因の分析である。いかにも古典的な経営手法であったことは明らかだ。

4つの原因

1 サービス意識の欠如と効率の低さ

“顧客是上帝”(お客様は神様です)これはサービスの基本である。しかし多くの飲食店で守られていない。人によるサービスレベルの差は激しい。メニューの評価が高く、職場環境も優れ、営業も好調、その他の問題も何もないとしよう。しかサービス意識の欠如と効率の低さは、それらを帳消しにしてしまう。

直接顧客と接触する飲食業では、決してサービスを粗略にしてはならない。顧客は直観的に店員を判断し、それが容易に店の好悪につながる。閉店という結果は、金銭的な息詰まりだけではなく、サービスに対する答えでもある。

2 運営管理の不備

飲食業の運営は頭で考えるほど簡単ではない。些細なことにまで執着し注意を怠らず、管理しようとする決意が必要である。これは店の看板を維持するする第一歩なのだ。映画スターの開いた飲食店には客が殺到し、一世を風靡する。しかし運営管理の不備ですぐに負債を貯め込む。今年、西安で起きたケースでは、食材の仕入代金、従業員の賃金とも未払いだった。

次のページ3つ目、4つ目の原因とは?

中国の小売業、推進力は「80后以後」の世代 5億5000万人

中国商務部(経済産業省に相当)の発表した「2017零售業(小売業)報告」(以下、報告)は示唆に富む。ニュースサイト「今日頭条」は、中国の小売業は4.0新時代を迎えることができるだろうか、と題した詳細な分析記事を載せている。実際に中国の小売業はどこへ向かおうとしているだろうか(1元=16.8円)。

実体店舗の売上は冴えず

(写真=Wayne0216/Shutterstock.com )

報告によると、2016年末における中国の小売業の経営単位数は1811万9100に上り、前年比5.2%増加した。売上高は29兆7000万元で前年比10.4%プラス。全体の債務水準は下降し、利潤は小幅上昇、労働効率もアップしたと評価している。

業態別の売上伸び率は高い順から、コンビニエンスストア7.7%、ショッピングモール7.4%、スーパーマーケット6.7%、専門店3.1%、百貨店は1.3%だった。専門店の伸び率は持ち直したが、百貨店は下降が続いている。小売業全体の伸び10.4%を上回る業態は一つもない

さらにショッピングモールの伸び率には注意が必要だ。モールでは飲食業の売上げ比率が日に日に高まり、すでに50%を超えている施設もある。物販はSC内で押されているのだ。飲食は今やテナントソーシングの要だが、施設内競合も激しい。

ネット通販、実体店との融合が焦点

国家統計局のデータによると、ネット通販売上は、2017年1~8月の最新データで4兆2511億元、前年同期比34.3%の伸びだった。そのうち実物商品の売上は、3兆2101億元で伸び率は29.2%だった。つまり実物商品以外の、サービス産業ネット通販の伸び率はさらに高いのだ。この約1兆元は、今焦点の売上といってよい。

例えばこの部分には、話題のフードデリバリ-など最新O2Oの売上が、大きな影響を与えている。何しろ老舗レストラン「上海沈大成」「広州酒家」「杭州知味観」などがすでにアリババの通販「天猫」に出店している。これからますます多くの有名レストランが追随するに違いない。

また別データによると、20~35歳の飲食消費への貢献度は71%もある。ネットテクノロジーに習熟した彼・彼女らはますます利用頻度を上げるに違いない。それらのデータ蓄積は、また実体店の経営効率アップにも貢献する。技術革新が次の技術革新への呼び水となる。

次のページ5億5000万の目指す消費とは?

中国経済:景気指標の総点検(2017年秋季号)~党大会前の現状確認と開催中に公表のGDP予想

要旨

(写真=Thinkstock/GettyImages)

最近の金融マーケットを概観すると、株価は景気の持ち直しと世界的な株高を背景にじり高、人民元は基準値設定方法の変更やユーロ高を受けて反転上昇、住宅価格はその勢いこそ鈍化したものの上昇を続けている。そして、中国人民銀行は金融を引き締め方向に調整し始めた。

供給面を点検すると、ここもとの工業生産は4-6月期の伸びを0.9ポイント下回っており、9月の動きは未反映だが7-9月期の成長率は前四半期を下回る可能性がある。但し、製造業PMIは4-6月期の平均(51.4%)を上回って推移、工業生産が落ち込んだ割に堅調である。

需要面を点検すると、個人消費は4-6月期の伸びを小幅ながら下回っており、7-9月期の成長率を若干押し下げる可能性がある。また、投資は4-6月期の伸びを大きく下回って推移しており、7-9月期の成長率を大きく押し下げる可能性がある。なお、生産の動向を左右する輸出額(ドルベース)も4-6月期の伸びを下回って推移している。

その他の重要指標を点検すると、貨物輸送量は高い伸びを維持しているものの、電力消費量の伸びは鈍化、特に工業部門の伸び鈍化が目立つ。なお、通貨供給量(M2)の伸びが鈍化しているが、銀行は預貸率を引き上げており、銀行貸出残高は高い伸びを維持している。

景気指標を複数組み合わせた総合指標を点検すると、景気が上向きか下向きかを見極める上で有効な「景気評価点」は“減速”を示唆(下左図)、株価急落時に注目を集めた「李克強指数」は高水準で横ばいの動きとなっている。また、ニッセイ基礎研究所で開発した回帰モデルを用いて推計したところ、10月19日に公表される7-9月期の実質GDP成長率は前年同期比6.7%増と、4-6月期の同6.9%増を0.2ポイント下回る推計結果となった(下右図)。

最近の金融マーケット

最近の金融マーケットを概観すると、株価はじり高、人民元は反転上昇、住宅価格はその勢いこそ鈍化したものの上昇を続けており、短期金利は上昇したあと横ばいで推移している。まず、株式市場に焦点を当てると、15年後半以降ミニバブルの崩壊で何度か急落を演じたものの、16年1月28日(上海総合で2655.66)で底打ち、その後は上下を繰り返しつつも上昇している(図表-1)。

国内の景気が持ち直したのに加えて、世界的な株高が追い風となり、高値警戒感を凌ぎつつ戻り売りをこなし、じりじり上昇している。為替市場に目を転じると、15年8月には人民元の米ドルに対する基準値を3日間で約4.5%切り下げ(市場実勢の下落は約3%)、その後も下値を探る動きが続いたが、17年に入ると底打ちし上昇に転じた(図表-2)。

中共十九大を前に基準値設定方法が変更されたことが元安阻止のサインと受け止められたのに加えて、欧州でEU崩壊の懸念が後退するとともに景気が勢いを増しユーロが大きく上昇したことが元高圧力となった。また、住宅価格は最高値更新が続いている。16年秋に中国政府(含む中国人民銀行)が住宅バブル退治に乗り出したため、高騰の目立つ深?市や上海市などの上昇には歯止めが掛かったものの、住宅バブルは周辺都市に飛び火し、その勢いこそ鈍化したものの上昇を続けている(図表-3)。

そして、景気が持ち直し住宅バブル懸念が高まる中で、中国人民銀行は17年春にリバースレポ(7日物)や常設流動性ファシリティなどを2度に渡り引き上げ、金融を引き締め方向に調整し始めた。但し、ここもと人民元が反転上昇する中で、短期金利の上昇は止まり、横ばいで推移している(図表-4)。

次のページ景気10指標の点検

韓国、世界エコカー市場2位に浮上もEV(電気自動車)は遅れ

現代自動車と子会社の起亜自動車は、2017年上半期(1〜6月)に10万2480台のエコカーを販売し、世界エコカー市場で2位に入った。

前年同期(4万5324台)の2.26倍で、現代・起亜自動車は、2018年に新型の水素燃料電池車(FCV)の発売を計画するなど、エコカー市場で日本のトヨタ自動車に次ぐ2位に浮上したい考えを示していた。

半年ベースでハイブリッド(HV)市場世界2位に入った現代・起亜自動車だが、2016年の電気自動車は11位で、お膝元である韓国の電気自動車を取り巻く環境はお世辞にも良いとは言えない状況だ。

電気自動車で遅れをとる現代自動車

現代自動車のエコカー(写真=Dong liu/Shutterstock.com)

多くの国がガソリン・ディーゼル車の販売を中止する「アラーム」を設定している。英国とフランスは2040年以降にガソリン・ディーゼル車の販売を禁止すると発表した。ドイツは2020年までに電気自動車を100万台普及させるとしており、ノルウェー、オーストリア、デンマーク、アイルランドなども目標を設定している。米国は連邦レベルの政策はないが、複数の州が目標を設けている。

世界最大の自動車市場に成長した中国は2040年、インドも2030年を目標にガソリン・ディーゼル車の販売を禁止する方針で、各自動車メーカーは電気自動車拡大の取り組みを発表している。

アウディ−フォルクスワーゲンは2025年までに80モデル以上の電気自動車を出す計画で、200億ユーロ(約2兆7000億円)を投入する。メルセデスベンツは小型車ブランド「スマート」を電気自動車に変え、スウェーデン系のボルボは2019年から電気自動車だけを販売する予定だ。

HVで世界2位に浮上した現代・起亜自動車だが、電気自動車は遅れを取っている。2017年3月に米国で発売した現代車「アイオニック・エレクトリック」は4カ月間で157台しか売れていない。走行距離など、技術力でGMのボルトや日産リーフなどに比べて魅力がないためと専門家は分析する。

充電できない? 消極的な韓国政府

現代モービス(Hyundai Mobis)は2017年8月8日、忠清北道の忠州(チュンヂュ)に水素自動車(FCV)の核心部品を生産する工場を新築した。約700億ウォンを投資して完成した新工場は「パワートレイン燃料電池統合モジュール(PFCモジュール)」を年間3000台生産できる設備を整え、数万台規模にも拡張できるよう設計されている。

同月17日には、現代自動車がソウル市内の公園で次世代FCVを公開している。2018年初めに発売予定のFCV車は現行車と比べて、水素燃料電池の性能や効率などを飛躍的に向上させ、一度の充填で走行可能な航続距離は現行の415キロから580キロ(韓国国内基準)以上に延びるという。

電気自動車に取り組む韓国企業は自動車メーカーだけではない。バッテリー分野ではLG化学はパナソニックに次ぐ世界2位、サムスンSDIも5位に浮上した。電気自動車への取り組みを加速したい韓国企業だが、最大の壁は国内のインフラだ。2017年8月現在、韓国内にある水素ステーションは10箇所で、電気自動車の充電スタンドも1992個にとどまっている。電気自動車は一般住宅でも充電可能だが、中高層マンションが多く、地下駐車場の利用する韓国で家庭電源を利用する方策はない。

文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、国政5カ年計画で任期満了の2022年までに電気自動車を35万台に増やす目標を掲げたが、自動車登録台数の1.5%にすぎず、自動車産業が新しい時代に進んでいるなか、国家的な対応が見えないという声が自動車業界から出ている。電気自動車は安全基準すら整備されていない。

高いシェア率を望める自国での実績をベースに海外に売り込みをかけたいメーカーにとって、韓国政府と国内インフラがブレーキになりかねないのが実情だ。(佐々木和義、韓国在住CFP)

【編集部のオススメ記事】 ・ビジネスもプライベートも「プラチナ」カラーに染める(PR)「メルカリ上場」と日経が報道、時価総額1000億円超のユニコーン企業時代が変わっても変わらない金投資の魅力とは?(PR)100万円で79万円儲かる?「究極の」資産運用術とはIPOの当選確率を上げる6つの秘訣とは?(PR)

中国の地図検索サービス、アリババ系と百度の争い、しかしグーグルには敵わず?

中国のスマホ地図検索サービスについて、経済ニュースサイト「界面」が現状を伝えた。グーグルマップの存在しない中国市場では、一体どのような戦いが繰り広げられいるのだろうか。

2010年、グーグルを追い出す

(写真=Worawee Meepian/Shutterstock.com)

グーグルを追い出した以上、この技術を国産で確立しなければならない。中国とグーグルの関係は次のような経緯をたどってきた。2010年、スマホ元年ともいえるこの年に、グーグルを本土市場から締め出している。

2005年7月 中国に研究センター設立を発表。 2010年3月 グーグル幹部、中国大陸市場での検索サービスを停止と発表。香港へ移管。 2012年9月 中国大陸市場での音楽検索サービスを停止と発表。 2012年12月 中国市場からのショッピングサービスを停止。電子メールサービスのみ提供。 2015年9月 中国大陸市場への再参入を表明、Googl Playの中国専用設計版で。

国産の開発競争

2017年9月、中国の独立研究機関TalkingDataは、8月のアプリのシェアランキングを発表した。地図検索ナビ部門では、「高徳地図」と「百度地図」が1位と2位を占めた。この状況に至るまでの経緯は次のようになっている。

2008年  高徳ミニ地図を供用開始 2010年  百度地図移動版を供用開始、騰訊SOSO地図を供用開始 2011年  捜狗手機地図を供用開始 2013年  騰訊SOSO地図、騰訊地図に改名 2014年  アリババが高徳を買収 2015年  高徳AI戦略を発表 2017年  百度地図地図AI新版を供用開始。

グーグルを追い出した2010年以降、開発は加速している。ここでもやはりBAT(バイドゥ、アリババ、テンセント)が主導していた。

百度VSアリババ2強のつばぜりあい

2016年10月、高徳地図の総裁は、われわれはすでに百度を抜き去ったと発言した。しかしつばぜり合いは続いている。

調査機関・艾媒咨詢のデータによれと2017第二四半期のシェアは、百度地図33,0%、高徳地図32.7%、騰訊地図14.6%、捜狗地図7.5%の順になっている。

一方、電信大手・中国聯通の発表したアプリランキングでは、高徳地図のアクティブユーザー数が2億2500万元でトップ、百度地図は2億にとどいていない。しかしまた別の極光データという機関のランキングによると。2017年5月単月は、ユーザー数は2億8000万でぴったり並んでいる。

グーグルには敵わない?

次の目標は差別化をして状況を突破することだ。

高徳地図は、AI開発によって学習機能を強化、カーナビでは環境と要望を加味した位置サービスを提供するとしている。

百度地図はAugmented Reality(拡張現実)技術を導入し、顧客別の解決策を提示する。カーナビでは音声認識による運転支援の精度を上げていく予定だ。

問題はグーグルに対抗できるかである。高徳地図の総裁は、企業のための最良の可変型モデルには、まだ到達していないという。

百度地図の総経理(社長)は、全世界対応の商業モデルを指向していくが、百度地図の現実は、まだ早期の段階であるという。

どちらも自信がなさそうで、目前のことを着実にやっていくなどと、中国人にしては殊勝なことを述べている。グーグルを前に打つてが見当たらないのだろうか。これこそ中国科学技術部がグーグルの研究センターを歓迎すると述べた理由の1つかも知れない。(高野悠介、中国貿易コンサルタント)

【編集部のオススメ記事】 ・ビジネスもプライベートも「プラチナ」カラーに染める(PR)「メルカリ上場」と日経が報道、時価総額1000億円超のユニコーン企業時代が変わっても変わらない金投資の魅力とは?(PR)100万円で79万円儲かる?「究極の」資産運用術とはIPOの当選確率を上げる6つの秘訣とは?(PR)

韓国でも高まる「仮想通貨」投資熱 ビットコインキャッシュ急騰もけん引

2017年8月17日から19日かけてビットコインキャッシュ(BCH)が300ドル台から1000ドルに迫る急騰を見せたが、これをけん引したのは韓国の投資家とされている。

韓国最大の仮想通貨取引所ビットサム(BITHUMB)は8月19日に取引量が過去最高の2兆6018億ウォンを記録した。前日のコスダック市場2兆4357億ウォンを上回る取引高である。

ビットサムは1日の仮想通貨取引量世界1位をたびたび記録しており、8月19日前後のBCH取引では韓国ウォン取引の占める割合が60%前後に達した。

取引量の増大でハッキング被害も増えているが、韓国金融当局は仮想通貨の制度化に慎重な姿勢をみせている。

仮想通貨に殺到する韓国の投資家たち

(写真=xtock/Shutterstock.com)

2017年8月25日未明、仮想通貨リップルの公式ツイッターに重大発表がツイートされると取引量が跳ね上がり、価格が揺れ始めた。暴騰していた値が崩れ、1コインあたり344ウォンから一時230ウォンまで暴落した。

同日正午から24時間に取引されたリップルは61億7200個、ウォン換算で1兆4894億ウォンを超えたが、その48.7%が韓国のビットサムだった。コインワン17.3%やコービット11.7%など、80%近い取引が韓国の3大仮想通貨取引所で行われている。

リップルを含む世界の仮想通貨取引量の30%前後を韓国人が占めており、今後もさらに加速するという見通しもある。

仮想通貨の投資家は仮想通貨のホワイトペーパー、開発者や企業のTwitter、関連ニュースなどを見て投資に乗り出す。株式市場で公示やニュース、財務諸表を見て投資するのとかわらない。有望な投資手段として急浮上している仮想通貨だが、投機売買によるバブルを警戒する声がでている。

高まるハッキングの懸念

仮想通貨はハッカーのターゲットにもなっている。韓国の仮想通貨取引所ヤピゾンは、2017年4月にハッキングで55億ウォン相当のビットコインが奪われ、ビットサムも同年6月に社員のパソコンから3万人余りの顧客情報が流出した。

世界最大級の仮想通貨取引所ビットサムは、実態は小規模企業でセキュリティ水準は量的成長に追いついていない。仮想通貨取引所は許認可が不要で、インターネットショッピングモールと同じ通信販売業者と規定されており、投資家保護義務などはない。

発信者番号操作にだまされてワンタイムパスワードの使用を解除するなど、セキュリティ上の被害が発生しており、一部の被害者は民事訴訟を起こし、集団訴訟の参加者を募集する弁護士も現れている。

銀行関係者は「現在の仮想通貨取引は、金融業界から見るとあきれる水準で、金融委員会や韓国銀行が制度を先送りすれば大型事故が発生することにもなる」と警告する。

ビットサムの個人情報流出では100人以上の仮想口座から、数百万ウォン(数十万円)から数億ウォン(数千万円)が流出しており、ビットサムは個人情報流出の被害者を3万人程度と推算するが、会員数70万人以上で1日の取引額が7千億ウォン(約688億円)に達することから被害がさらに増える可能性もあるとみられている。

北朝鮮指導部が資金源確保のためにビットコインなどの仮想通貨を盗む試みを加速させているという指摘もある。核やミサイル開発を急ぐ北朝鮮に対して米国などが科す国際的な経済制裁に備えているとみられているのだ。

2016年5月、インターネット通販大手のインターパークから顧客情報が流出し、ハッカーから30億ウォン(約2億8000万円)のビットコインを要求される事件が発生している。韓国警察庁は、ハッキングに使われたIPが過去に北朝鮮逓信省が使用したハッキングのIPアドレスと一致することや脅迫メールに北朝鮮式の表現で書かれた内容があったことから北朝鮮によるハッキングを疑っている。

セキュリティ強化が急務の仮想通貨だが、金融当局は制度化を敬遠している。仮想通貨関連の制度化は、一般投資家の参入を助長し、市場が過熱して“バブル”が崩壊する懸念をもっているというのだ。

韓国は国内に投資適格案件が不足しているといわれている。有事に備えて国外で通用する資産を蓄えておきたいと考える人たちもいる。仮想通貨熱はまだ続くだろう。(佐々木和義、韓国在住CFP)

【編集部のオススメ記事】 ・ビジネスもプライベートも「プラチナ」カラーに染める(PR)「メルカリ上場」と日経が報道、時価総額1000億円超のユニコーン企業時代が変わっても変わらない金投資の魅力とは?(PR)100万円で79万円儲かる?「究極の」資産運用術とはIPOの当選確率を上げる6つの秘訣とは?(PR)