怖 76巻

学校主催の肝試し大会をやることになったので

 

僕が中学生の頃の話。

 

僕は中学の3年間は同じ部活に入っていて、そのクラブの顧問が「川セン」と生徒から呼ばれていた少し変わった先生だった。

 

川センは自分で作った電動のヒコーキのおもちゃを蛍光管から糸で吊るそうとして電灯を粉々にしたり、打ち捨てられたバイクやら三輪車やらをバラして組み立ててはゴーカートもどきを作って校庭を走り回ったり、と。

 

50歳を過ぎた教師とは思えない、子供みたいな人だった。

 

そんな川センは、幽霊を全く信じない人だった。

 

雑誌の心霊写真特集を見て騒いでる僕たちに、「こんな写真いくらでも撮ってやるよ」と言って来た時もあった。

 

(実際に、近所の公園の池からネッシーが顔を出している合成写真を作って持ってきた)

 

1年生の7月頃、学校主催で『肝試し大会』をやることになった。

脅かしてやろうと企んだが・・・

うちの学校は過去に、ユキちゃんという女子生徒が玄関近くの階段から落ちて亡くなっている。

 

僕が入学する前のことだけど、昔からいる先生は皆知っていた。

 

夜になると、『幽霊のユキちゃんが階段で当時の流行の歌を歌っている』という噂もあり、生徒はみんな夜の学校を気味悪がっていた。

 

先生たちはそうでもなかったみたいだけど、やっぱり気味悪いのか、肝試しを始める前に余興で流すビデオを撮る役目は、幽霊を信じていない川センがやることになった。

 

それを知った同じ部活のN男は、「先生を学校で待ち伏せてビックリさせようぜ!」と言い出した。

 

特に部内でもアホだった僕、N男、つーやん、ぴーちゃんの4人が作戦を実行することにした。

 

作戦決行当日、夕方頃に学校近くにある小屋の陰に、僕とN男、ぴーちゃんの3人が集まった。

 

手には安っぽいロン毛のかつらだの、ゴリラのマスクだの、段ボール製のジェイソンの仮面だの。

 

N男に関しては、本物の鉈まで持って来ていた。

 

(今思うと本当に危険である・・・)

 

だが、もう一人のつーやんが来ない。

 

つーやんは親元を離れた児童施設で暮らしていたので、なかなか抜け出せなかったのかも知れない。

 

辺りが暗くなり始めた頃、川センがビデオカメラを持って玄関に入っていくのが見えた。

 

「あっ、作戦失敗だ!」

 

全員がそう思い、それから十数分後、おもちゃのマシンガンを抱えて僕たちの前に現れたつーやんを皆が攻めたてた。

 

すると、N男があることを思いついた。

 

「じゃあ、帰ろうとする川センを脅かすのはどうだ?」

 

「それいいな!」と満場一致で決まり、僕たちは玄関先に植えてある木の陰で川センを待ち伏せすることにした。

 

近くの道路から車の音も聞こえ、夜でも不思議と怖くなかった。

 

夜9時頃、川センの足音が聞こえてきた。

 

2階から下りて来る音だ。

 

「来たか!!」

 

全員が息を殺す。

 

一段一段、ゆっくりと撮影しながら下りているようだ。

 

僕はジェイソンの仮面をつけて、その時に備えた。

 

すると突然、川センの足音が止まった。

 

「まさか気付かれたか?」

 

・・・と思い、そっと玄関を覗くと、川センが階段を見上げて立ち止まっているのが見えた。

 

「何してるんだ?」

 

僕たちがそう思っていたら、川センはいつも生徒に話しかける時の感じで楽しそうに喋った。

 

「おやすみ、ユキちゃん。バイバイ」

 

僕は黙ったまま一目散にその場から走って逃げた。

 

他の3人も同じように逃げた。

 

なぜ逃げたのか、自分でもよく分からない。

 

ただ、物凄く気味の悪い何かをその一言に感じた。

 

そのまま家に帰った僕たちは、誰ひとり欠けることなく次の日に学校で合流した。

 

ただ、あの時の話は誰もしようとはしなかった。

 

川センもいつもの調子で部活に現れた。

 

後日開催された肝試しそのものは全然怖くなくて、川センが用意した余興のビデオもただ淡々と夜の学校の人体模型や美術室の絵画を映しただけの物足りない内容だった。

 

そして、みんなが噂していて確実に怖がるであろう例の階段・・・。

 

そこの映像は一つも流されず、肝試しのコースからも外されていた。

 

一体、あの階段には何があるのだろう・・・。

 

(終)

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同級生が自殺したと聞いて

 

随分と前のことになるが、中学の同級生が自殺した。

 

どうやら飛び降りらしい。

 

ほとんど関わりは無かったが、同じ中学を卒業したやつが自殺なんて・・・と思ってショックだった。

 

葬式にはニュース用のTVカメラも来ていて、「本当に来るんだな」と思って見ていた。

 

葬式の時に聞いた話だと、彼は駅のホームで人を突き落として死亡させ、刑務所に入っていたらしい。

 

出所後に、それが原因で自殺したのだろう、と。

 

殺人やら自殺やら、俺とは全く関係の無いものだと思っていたので、話を聞いた時は気分が悪かった。

 

それから数年が経って、中学の同窓会があった時に彼の話が出た。

 

話の流れだったか、彼と親しかったらしい友人がぽつぽつと話し始めた。

少女は一体何者だったのか?

彼は、仕事が深夜に終わって終電で帰るような仕事をしていたらしい。

 

その日も彼は終電を待ってホームに立っていた。

 

すると後ろから、「尻尾の生えた姉妹の合い言葉な~んだ」と訊かれた。

 

後ろを振り返ると、小学生くらいの可愛らしい子供が立っていたそうだ。

 

(こんな時間に子供?)

 

そう思って周りを見渡したけれど、親らしき人は居ない。

 

するとその子供が、「尻尾の生えた姉妹の合い言葉な~んだ」と、また訊いてくる。

 

なぞなぞだと思って考えてはみたものの、全く答えが分からない。

 

「分からないなあ」

 

と彼が言うと少女は少し笑い、「それはね・・・」と呟いた次の瞬間、その少女は彼を前へ押した。

 

大した力が無くても、不意に押されたらしっかり立ってはいられない。

 

彼はよろめき、前へ並んでいた人に倒れ込んだ。

 

前に居た人はホームから線路に押し出され、ホームに入ってきた列車に轢かれて死亡した。

 

そうして彼は刑務所へ入ることになった。

 

友人の話が終わった頃には誰も喋らなくなり、しばらくシーンと静まり返っていた。

 

「そんなの、誰かが考えた作り話だろ。死んだやつに失礼だぞ」

 

そう誰かが言った。

 

確かに”人を殺した”という過ちがあっても、死んでしまったやつのことをこういう話に使うのはどうかと思う。

 

その日はすっかり冷めてしまい、俺は一次会でそそくさと帰った。

 

そして昨日、家に甥っ子が遊びに来た。

 

一緒にテレビを見ていたら、甥っ子が「なぞなぞをしよう」と言ってきた。

 

「尻尾の生えた姉妹の合い言葉な~んだ」

 

それを聞いた瞬間、あの同窓会の話を思い出して背筋がゾッとした。

 

それに答えるのも、答えを聞くのも嫌になり、自分の部屋へ逃げた。

 

中学生の間では、このなぞなぞが流行っているのだろうか・・・。

 

追記

おそらく、なぞなぞの答えは『おしまい』だと思われる。

 

『尻尾(お)+姉妹(しまい)=お終い』

 

(終)

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夜中に公園で子供を遊ばせるのは・・・

 

先輩の妹さんに聞いた話。

 

深夜の2時くらいに、先輩がかなり思いつめた顔をしていたらしい。

 

妹さんは心配になり、どうしたことかと兄に尋ねた。

 

先輩「最近、そこの公園で夜中に子供を遊ばせてるけど・・・」

 

先輩が住んでいるマンションのすぐ下には公園がある。

 

ここ最近、夜中になると子供の笑う声や滑り台を上る音がうるさいという。

 

先輩「やっぱり夜中に公園で子供を遊ばせるのはどうかと思うんだ。住宅街の真ん中だろ?近所迷惑じゃないか」

 

先輩「注意すべきかどうかとも思うんだけど、子供もいない俺が他人の家の子育てに口を出すのもどうかと思って」

 

先輩「それに、親が共働きで昼間は働いていて、子供と遊ぶ時間が取れない家庭とかあるじゃん。だから夜中に公園で子供と遊ぶ時間も、今そこの公園にいる親子には貴重であって・・・」

 

先輩はかなり悩んでいるらしかったが、妹さんは笑顔でこう言ったそうだ。

 

妹「大丈夫。私もお母さんも、多分近所の人も、夜中に子供の笑い声も滑り台を上る音も聞いてないから。だから兄ちゃんは音楽でもかけながら安心して寝てください」、と。

 

(終)

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首刈り地蔵にお供え物はするな

 

小学生の頃に両親が離婚し、俺は母親に引き取られて母の実家へ引っ越すことになった。

 

母の実家は東北地方のとある町で、かなり寂れている。

 

家もまばらで、町にお店は小さなスーパーが一軒とコンビニもどきが一軒あるだけ。

 

その町の小学校へ通うことになったが、全学年で20人弱。

 

同級生は自分を含めて4人しかいなかった。

 

越してきて1年半ほど経ったある日、俺は一学年上の子にいじめられるようになった。

 

原因は何だったか思い出せないが、おそらく大した事ではなかったと思う。

 

俺はその子の事が大嫌いで、この世から居なくなって欲しかった。

 

その時、『首刈り地蔵』の事を思い出した。

 

首刈り地蔵の事は、越して来た時に爺ちゃんから教えてもらった。

 

小さな公園の奥の林の中にある、首の無い3体のお地蔵様。

 

「絶対にお供え物をしてはいけない」と言われた。

 

理由は教えてくれなかったが、越して来てしばらくした頃に同級生から教えてもらった。

 

このお地蔵様にお供え物をして「○○を殺して下さい」とお願いすると、その相手を殺すことが出来るという。

 

俺は、「首刈り地蔵にお願いしよう」、そう思った。

誰を殺したいのだろうか・・・

週1回のお弁当の日。

 

おにぎり2つを残し、学校の帰りに首刈り地蔵にお供えし、お願いした。

 

その日の夜、寝ていると足音が聞こえた。

 

ガチャ、ガチャ、と鎧を着て歩いているような音。

 

「足りない」

 

そう聞こえた。

 

ああ、そうか。

 

お地蔵様は3体だった。

 

おにぎりが1つ足りなかったか。

 

翌朝、おにぎりを1つ持って登校した。

 

登校途中にある首刈り地蔵の元へ行くと、2つのおにぎりはそのままある。

 

持って来たおにぎりをお供えしようとすると、「こんのクソガキが!何やってんだ!」と怒鳴り声が聞こえる。

 

後ろから顔見知りのおじさんが走って来て、おもいっきり殴られた。

 

引きずられるように自分の家に連れて行かれ、爺ちゃんと婆ちゃんに怒鳴り声で何かを言って帰っていった。

 

夕方になると、沢山の大人が家へやって来た。

 

爺ちゃんと婆ちゃんはとにかく謝っている。

 

東北弁がきつく、何を言っているか分からなかったが、俺も一緒になって謝った。

 

とにかく大変な事になってしまったらしい。

 

何日か話し合いがされ、うちは『村八分』という事になった。

 

村八分(むらはちぶ)

仲間はずれにすること。村の掟や秩序を破った人や家族に対し、村民全部が申し合わせて絶交するもの。(語源由来辞典より引用)

 

『首刈り地蔵にお供え物をした一家は村八分』

 

昔からそうらしい。

 

実際、村八分がどういうものか知らなかったけれど、それ以上だったのかも知れない。

 

うちの人間とは一切会話が禁止され、スーパーやコンビニでは何も売ってもらえなくなった。

 

母は町の病院で看護師をしていたが解雇され、俺は学校に通わせてもらえなくなった。

 

母と一緒に町役場に抗議しに行ったが、話すら聞いてもらえない。

 

どうにもならない。

 

ここではとても生きていけなかった。

 

東京にでも引っ越そうと話したが、爺ちゃんと婆ちゃんは「ここを離れたくない」と言う。

 

生まれてからずっとこの町で過ごしてきた。

 

「死ぬ時もこの町で死にたい」と。

 

「自分たちは大丈夫だから2人で東京へ行きなさい」と。

 

母はかなり心配していたが、ここに居ては学校すら通えないし、母も働く場所が無い。

 

生活がまともに出来なかった。

 

母と俺は東京へ引っ越すことにした。

 

実家にはまめに電話をし、食品などの荷物を送っていたが、しばらくして電話線を切られたらしく、電話が通じなくなった。

 

町へ買い物に出た時に公衆電話からこちらにかけて来る以外は、手紙が連絡手段になってしまった。

 

帰省した時に電話線を直そうと言ったが、爺ちゃん達はこのままで良いと言う。

 

多分、他にも何かされていたと思うけれど、何か全てを諦めているというか、受け入れているというか、そんな感じだった。

 

それから何年か経ち、俺は高校へ入学した。

 

高校生になっても、あの町の事が頭にあった。

 

とんでもない事をしてしまったとか、爺ちゃん達に悪いことをしたとか、そういう事ではなく、「あれ以来、あの足音と声が未だに聞こえる」からだ。

 

別に何か起きるわけではない。

 

ただ聞こえるだけ。

 

それでも、やはり不気味で良い気分ではない。

 

ある日、運送会社から電話がかかってきた。

 

実家に荷物を送ったのだが、何度行っても留守だと言う。

 

嫌な予感がした。

 

何かあれば電話をしてくるはずなのに、何度行っても留守という事は・・・。

 

すぐに実家へ行くことになった。

 

着いたのは夜遅くなのに、家に明かりは無い。

 

玄関を叩くが、応答が無い。

 

玄関は引き戸なので簡単に外すことが出来る。

 

ドアを外して一歩家に足を踏み入れた瞬間、確信した。

 

ものすごい腐臭がする。

 

母を見ると、少し嗚咽を漏らし震えていた。

 

※嗚咽(おえつ)

声をおさえて泣くこと。

 

中に入って明かりを点ける。

 

どこだろう。

 

寝室かな?

 

玄関を入り右へ進んだ突き当たりが寝室だ。

 

寝室へ行く途中、左の部屋の襖(ふすま)が開いていた。

 

仏間だ。

 

ちらっと見ると、婆ちゃんが浮いていた。

 

首を吊っている。

 

爺ちゃんは同じ部屋で布団の中で死んでいた。

 

母は子供のように泣いた。

 

とりあえず外に出ようと言っても動こうとしない。

 

警察を呼ぼうとしたが、まだ携帯が普及し始めた頃でそこは圏外だった。

 

母と最寄りの交番まで歩いて行った。

 

「爺ちゃんは病死」、「婆ちゃんは自殺」、と警察から説明された。

 

爺ちゃんの後を追って婆ちゃんが自殺をした、そういう事らしい。

 

葬儀はしない事とし、お坊さんを霊安室に呼んでお経をあげてもらい、火葬した。

 

家に帰る日、写真などを持って帰りたいから実家へ寄ってから帰る事にした。

 

財産はこの家以外に何も無いから相続しないらしい。

 

この町に来るのはこれで最後。

 

母が色々やっている間、俺は懐かしい道を歩いた。

 

学校へ登校する道。

 

公園でブランコに乗りながら考えた。

 

どうしようか。

 

もうこの町と一片の関わりも持ちたくない。

 

このまま帰った方がいいか。

 

でも、あの足音と声がある。

 

そうする事こそが、この町との関わりを無くす事なのだと思った。

 

林の中へ入り、首刈り地蔵へ持って来た『おにぎりを1つ』お供えした。

 

何を願おう。

 

誰を。

 

すぐに思い付く名前は無かった。

 

俺は誰を殺したいのだろう・・・。

 

(この町の人間全員を殺してください)

 

そう願った。

 

公園の方を向くと、5~6人の町人がこちらを見ていた。

 

見知った顔もある。

 

向こうも俺が誰だかすぐに分かったと思う。

 

俺が近づいて行くと目を逸らし、誰も何も言って来なかった。

 

俺も何も言わず無言ですれ違った。

 

その後、足音と声は聞こえなくなった。

 

あの町の人達がどうなったのかは分からない。

 

(終)

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後ろの荷台に髪の長い女が

 

兄から聞いた高校時代の話です。

 

友人のKさんはその日、同じ部活の後輩と一緒に帰っていました。

 

時刻は夜の10時前。

 

田舎なので近くに家は無く、外灯の明かりしかない海岸線を、後輩の自転車の荷台を原付に乗るKさんが後ろから足で押す形で長い坂を登っていました。

 

“ソレ”に気付いたのは、バイクの後ろに重みを感じ、まるで誰かを乗せているような錯覚を感じたからです。

実は・・・

ミラーを覗くと、バイクの荷台に”髪の長い女”が俯いて座っていました。

 

洋服は所々に血が滲(にじ)んでおり、髪は乱れていたそうです。

 

女が今にも顔を上げそうな気がしたので、Kさんは慌ててミラーから視線を外しました。

 

「自分が女に気付いていることを悟られてはいけない!目を合せちゃいけない!」と思い、前だけを見て運転をしていました。

 

しかし、後ろから女がジッとこちらを見ているのが分かります。

 

しばらくはそのままミラーを絶対に見ないよう気を付けて走っていました。

 

ふと荷台から重みをが消え失せたので、Kさんは恐る恐るミラーを確認しました。

 

すると後ろの女は居なくなっており、一気に緊張が解けたKさんは、後輩に声をかけようと前を見た瞬間、凍りつきました。

 

後輩の自転車の荷台に、女が前を向いて座っていたのです。

 

後輩とは女が現れてから会話しておらず、何も気付いていない後輩を怖がらせてはいけないと思い、Kさんは女の存在を黙っていました。

 

そして、後輩の自転車を押している足を女からなるべく遠ざけ、前を見ないように走り続けました。

 

途中、女が振り返り、自分をジッと見ているのは分かりましたが、決して女を視界に入れませんでした。

 

女は坂を登り切ったところで消えたそうです。

 

そのまま無言で後輩を送り届け、その日は終わりました。

 

後日談

次の日、Kさんは昨日のことを全て後輩に打ち明けました。

 

怖がるかと思えば後輩は納得したように頷くと、「実は・・・」と語り始めたそうです。

 

実は、後輩も女の存在に気付いていたそうです。

 

途中、急に黙った先輩を不思議に思い振り返ると、先輩の後ろに髪の長い女が座っており、慌てて前を向きました。

 

しかし、気になったので何度か後ろを振り返っていると、先輩の後ろに座っていたはずの女が先輩の顔に付きそうな近さで凄い形相をして見ていました。

 

怖くなって、それ以降は後ろを振り返らず前だけを向いて走っていると、急に荷台が重くなり、微かに血の臭いがしたのであの女が来たのは分かったそうです。

 

しかし、女は後ろでブツブツと何か言っているようでしたが聞き取れず、しばらくすると重みが消えたそうです。

 

Kさんは後輩の話を聞き、女が自分に執着している気がして怖かったそうですが、何の心当たりもなく、以来ひとりでは帰らないよう気を付けていました。

 

その海岸線では何年か前に女性の身元不明の遺体が上がっており、この話を聞いて、彼女がまだ彷徨っているのかなと悲しくなりました。

 

(終)

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もっさんに魅入られた患者と死の関係

 

私が働いている病院のカテーテル室には、『もっさん』と呼ばれるモノが出る。

 

※カテーテル室

重症の心臓病患者の処置をする場所。

 

もっさんは、「青い水玉模様のパジャマを着ていたり」、「ぼさぼさ頭の中年だったり」、「若い好青年だったり」、「痩せた女だったり」、と様々。

 

そんなもっさんの共通点は、「部屋の隅で俯いて立っている」、「同じパジャマを着ている」、「何も喋らないし動かない」、「気が付くと現れ、気が付くと居なくなっている」、「その場にいる全員に見える」等。

 

もっさんが出た時、その処置中の患者は後日に必ず亡くなる。

 

亡くなった患者の処置の全てに現れているわけではなく、もっさんが現れた時の処置の患者は必ず亡くなるということ。

 

処置が成功しても、なぜか予後が悪い方へと向かってしまう。

 

もう随分も前から、もっさんは目撃されているらしい。

 

御祓いの類は何度か試みたらしいが、まるで効果が無いという。

 

年に3~4回しか現れないが、うちの科の先生やスタッフはみんな知っている。

 

処置中にもっさんが出ても、誰も反応せずに黙っている。

 

怯えるのは新人の看護師くらい。

 

若い先生なんかは、もっさんを見ると酷く落ち込んでしまうが、部長先生だけは、もっさんが出ても諦めない。

 

誰よりも、もっさんの姿を見ているはずなのに、このジンクスを信じていない。

 

「もっさんに魅入られた患者をなんとか救えないか・・・」と、部長先生は今も戦い続けている。

 

(終)

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亡くなってしまった患者の日記

 

私の先輩が看護師として勤めている病院であったこと。

 

先輩のチームの受け持ち患者だった末期ガンの初老の女性が急変し、亡くなった。

 

社交的で明るく、ナースや同室の患者とも仲良くやっていた、感じの良い人だった。

 

身寄りの無い人だったので先輩が私物の整理をしていると、『一冊のメモ帳』が出てきた。

 

なんの気なしにパラパラめくると、日々の出来事や病院食の献立、見たいテレビ番組のメモ等、他愛のないものが書かれていた。

今でも思い出すと・・・

「きょうは看護師の○○(先輩の苗字)さんと散歩に出かけた。相変わらず優しい人。私の話もよく聞いてくれて心が晴れた。噴水もキレイだった」

 

・・・という記述もあり、先輩は少しほろりときたとか。

 

しかし、亡くなる前日の内容を見て、先輩は戦慄した。

 

それまで黒のボールペン一色だったメモ帳が、そのページだけ赤や青などの色が使われている。

 

字体は汚く、字の大きさにまるで一貫性が無い。

 

「○○○○(先輩のフルネーム)は以前から私の事を嫌っていたようだが、最近は露骨になってきた。注射はわざと痛くするし、体を拭くのも雑で乱暴だ。もう我慢出来ない」

 

「薬の中身も先生にバレないようにこっそり変えている。私には分かる。いつも薄笑いで馬鹿にしている。許さない」

 

「殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す・・・・・・」

 

「想像の中で何度も練習した。きっと成功する。明日やる。血を取りに来た時、首を刺してそのまま横に裂く。これを書いているだけで心が晴れる。今夜は眠れそうにない」

 

先輩は同室にいる同僚や患者に動揺を隠すのが精一杯で、その後どう行動したかは覚えていないとか。

 

メモ帳はすぐにゴミ箱に捨てた。

 

そして、ベッド交換を行った同僚が、ベッドと壁の隙間の死角から『ハサミ』を見つけた。

 

特に誰も気には留めなかった。

 

先輩以外は・・・。

 

先輩は本気で退職を考えたが思い留まった。

 

少なくとも、この部屋には二度と立ち入りたくないと、体調不良を理由に転科を申し出て、病棟業務から外れた。

 

当たり前だが、先輩は邪険に接したことなど無いし、むしろ自分には心を開いてくれているように思っていた。

 

恨まれる心当たりはまるで無い。

 

今でも思い出すと全身の毛が逆立つようだ、と言っていた。

 

(終)

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説明不可能な現場写真の数々

 

警察官の従兄から聞いた話。

 

仕事柄、現場写真を山のように撮るが、たまに『説明不可能な写真』があるそうだ。

 

①、高速道路の事故現場

連続して撮ったうちの一枚だけ、自分の遺体を見ている犠牲者が写っている。

 

服や髪形はまるで同じ。

 

しかし、その犠牲者を取り囲むようにして、十数人の人が無表情で写っていた。

 

 

②、放火殺人の現場

現場写真に野次馬を写したものがある。

 

なぜか一人、火事場と逆方向を見つめている人がいる。

 

後の発表で気付いたが、その時の火事場に居たはずの犠牲者だった。

 

「もしかしたら視線の先は・・・」と考えたが、とくに捜査に役立つ情報は得られなかった。

 

 

③、自殺現場

遺体を運んだ後の現場を写した連続写真に一枚だけ写り込んでいた。

 

その自殺者とは全く違う人が血まみれで倒れていた。

 

靴は履いていなかった。

 

 

④、死体遺棄現場

大戦時、軍の演習場として使われていた荒地。

 

遠くの草の陰に、銃剣を構えた日本兵らしき人物が写り込んでいた。

 

 

⑤、殺人事件の現場検証

一枚だけ、犯人の顔が透けて骸骨が見えているかのような写真があった。

 

犯人はその後、急性肺炎で獄死した。

 

 

従兄は「もう慣れた」という。

 

最初はびっくりして上司に報告したが、上司は「ほっとけ」と笑っていた。

 

従兄いわく、「今は俺も無かったことにしている。こんなの誰かに見せてもしょうがないだろ」と語っていた。

 

(終)

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タルパという幻影を作り出す方法

 

『タルパ』とは、チベット密教の秘術で、修行を極めた者のみに伝えられる奥義だとか・・・。

 

タルパを日本語で言えば、『人工未知霊体』となる。

 

つまり、人間が「無」から霊体(幻影)を作り出してしまう方法です。

 

その手順を以下に紹介します。

この秘術を極めると・・・

まず、あなたが理想とする人間を想像します。

 

イメージに揺らぎ(迷い)が出ないよう、全体のバランスを取りながら、細部まで想像します。

 

そして、人格も同じように細部まで想像します。

 

この秘術のポイントですが、「頭の中の世界」で想像するのではなく、“現実世界に重ねて想像する”のです。

 

「今、自分の目の前に理想の恋人がいる」、と想像します。

 

何か、とても簡単で、どこも特別ではないような気もしますが、「現実世界の上に重ねて想像する」というのは、簡単なようでいて、意外と誰もしないのです。

 

実際にやってみると、えらく難しいのが分かります。

 

細部まで想像出来るようになるには慣れが必要ですし、全体を捕らえながらやろうとすると、また難しいのです。

 

そして、理想の恋人をただ想像するだけでなく、「人格の形成」も同時に行っていきます。

 

恋人を「動かす」のです。

 

例えば、恋人と「会話」をしてみましょう。

 

もちろん最初は、あなたが恋人のセリフを考えて、一人で二人分の会話をスムーズに頭の中に流さなければなりません。

 

そして慣れてきたら、会話の内容も細部にこだわっていきます。

 

会話をする時、例え自分が考えたセリフだとしても、「恋人に喋らせる」事を忘れないでください。

 

恋人のセリフも、「この人ならこう答えるに違いない」とか、「この人は頭が良いのだから、ここまで考えて喋るはずだ」、と考えるようにします。

 

そのうち慣れてくると、自分が考えて喋っているのか、恋人が考えて喋っているのか、これらが全く分からなくなってきます。

 

そうして最後には、恋人自身があなたの力を借りずに喋り始めます。

 

(終)

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タルパという幻影を作り出す方法

 

『タルパ』とは、チベット密教の秘術で、修行を極めた者のみに伝えられる奥義だとか・・・。

 

タルパを日本語で言えば、『人工未知霊体』となる。

 

つまり、人間が「無」から霊体(幻影)を作り出してしまう方法です。

 

その手順を以下に紹介します。

この秘術を極めると・・・

まず、あなたが理想とする人間を想像します。

 

イメージに揺らぎ(迷い)が出ないよう、全体のバランスを取りながら、細部まで想像します。

 

そして、人格も同じように細部まで想像します。

 

この秘術のポイントですが、「頭の中の世界」で想像するのではなく、“現実世界に重ねて想像する”のです。

 

「今、自分の目の前に理想の恋人がいる」、と想像します。

 

何か、とても簡単で、どこも特別ではないような気もしますが、「現実世界の上に重ねて想像する」というのは、簡単なようでいて、意外と誰もしないのです。

 

実際にやってみると、えらく難しいのが分かります。

 

細部まで想像出来るようになるには慣れが必要ですし、全体を捕らえながらやろうとすると、また難しいのです。

 

そして、理想の恋人をただ想像するだけでなく、「人格の形成」も同時に行っていきます。

 

恋人を「動かす」のです。

 

例えば、恋人と「会話」をしてみましょう。

 

もちろん最初は、あなたが恋人のセリフを考えて、一人で二人分の会話をスムーズに頭の中に流さなければなりません。

 

そして慣れてきたら、会話の内容も細部にこだわっていきます。

 

会話をする時、例え自分が考えたセリフだとしても、「恋人に喋らせる」事を忘れないでください。

 

恋人のセリフも、「この人ならこう答えるに違いない」とか、「この人は頭が良いのだから、ここまで考えて喋るはずだ」、と考えるようにします。

 

そのうち慣れてくると、自分が考えて喋っているのか、恋人が考えて喋っているのか、これらが全く分からなくなってきます。

 

そうして最後には、恋人自身があなたの力を借りずに喋り始めます。

 

(終)

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