怖 79巻

俺はもうすぐ死ぬ人間です

 

俺はもうすぐ死ぬ人間です。

 

自殺するわけじゃありません。

 

医者の手に余る『大病』が判明しただけです。

 

俺の人生はろくでもなかった。

 

小学生くらいの頃までは神童でした。

 

※神童(しんどう)

特定分野において驚異的な能力を発揮する人物、特に少年時代に並外れて優秀であった者に対しての尊称。

 

けれど、あることをきっかけに、全てが上手くいかなくなりました。

なにより憎いのはこの頭

中学も高校も、ろくでもない生活を送り、大学も中退。

 

その後、仕事も出来ずに苦しんでいました。

 

なぜか病院には行かせてくれなかったので、10年近くこの状態でした。

 

3ヶ月程前にあることがきっかけでやっと病院へ。

 

その後、先生が青い顔をして紹介状をくれました。

 

紹介状を携えること4度くらいで、とても大きい病院へ。

 

俺は「最先端医療とか掛かる金は無いからやめる」と言いましたが、お金はいらないというので診てもらいました。

 

結果、前頭葉と左脳の表面の方はかなりダメージを受けていて、機能はおそらくあまりしていない、と。

 

この時の衝撃が原因と思われる病は他にもあり、この患部近くの血管にやたらと血栓が多く、いつ脳梗塞を起こしてもおかしくない状態だという。

 

俺の頭の中は、過去の小さい脳梗塞の痕跡がいくつもあるそうです。

 

医者は、「助けてあげることは出来ない」とはっきり言ってくれました。

 

手術なんてものに縋って生きるよりかは、人様に迷惑をかけない範囲でやりたいことをやり尽くして未練を残さないように、と。

 

俺は医者に訊いてみました。

 

「俺の脳の状態はひょっとして右のこめかみを強く打つような、そういう倒れ方をした時に起きるものですか?」、と。

 

覚えがあるのがその一回なら、間違いなくそれが原因だろうとの事。

 

俺は小学生の頃、担任の教師に宿題を忘れたことで黒板の前に立たされ、思い切り張り倒された上に、教卓に頭をぶつけて気絶したことがあります。

 

それ以来なんです。

 

俺が「まともでない」と半ば自覚しながら苦しんできたのは。

 

まさか、学校に行って生きながらに殺される羽目になるとは夢にも思いませんでした。

 

あの時に死んでいた方が、親にも迷惑が掛からなかったんじゃないかとさえ思います。

 

親族にだって俺が働けないでいることで、どれほどの迷惑を掛けたか・・・。

 

教師の立場を利用して、加虐趣味を満たしたあの鬼畜に法の裁きを。

 

時効が憎い。

 

なにより憎いのはこの頭。

 

今、体半分の感覚がありません。

 

(終)

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俺はもうすぐ死ぬ人間です

 

俺はもうすぐ死ぬ人間です。

 

自殺するわけじゃありません。

 

医者の手に余る『大病』が判明しただけです。

 

俺の人生はろくでもなかった。

 

小学生くらいの頃までは神童でした。

 

※神童(しんどう)

特定分野において驚異的な能力を発揮する人物、特に少年時代に並外れて優秀であった者に対しての尊称。

 

けれど、あることをきっかけに、全てが上手くいかなくなりました。

なにより憎いのはこの頭

中学も高校も、ろくでもない生活を送り、大学も中退。

 

その後、仕事も出来ずに苦しんでいました。

 

なぜか病院には行かせてくれなかったので、10年近くこの状態でした。

 

3ヶ月程前にあることがきっかけでやっと病院へ。

 

その後、先生が青い顔をして紹介状をくれました。

 

紹介状を携えること4度くらいで、とても大きい病院へ。

 

俺は「最先端医療とか掛かる金は無いからやめる」と言いましたが、お金はいらないというので診てもらいました。

 

結果、前頭葉と左脳の表面の方はかなりダメージを受けていて、機能はおそらくあまりしていない、と。

 

この時の衝撃が原因と思われる病は他にもあり、この患部近くの血管にやたらと血栓が多く、いつ脳梗塞を起こしてもおかしくない状態だという。

 

俺の頭の中は、過去の小さい脳梗塞の痕跡がいくつもあるそうです。

 

医者は、「助けてあげることは出来ない」とはっきり言ってくれました。

 

手術なんてものに縋って生きるよりかは、人様に迷惑をかけない範囲でやりたいことをやり尽くして未練を残さないように、と。

 

俺は医者に訊いてみました。

 

「俺の脳の状態はひょっとして右のこめかみを強く打つような、そういう倒れ方をした時に起きるものですか?」、と。

 

覚えがあるのがその一回なら、間違いなくそれが原因だろうとの事。

 

俺は小学生の頃、担任の教師に宿題を忘れたことで黒板の前に立たされ、思い切り張り倒された上に、教卓に頭をぶつけて気絶したことがあります。

 

それ以来なんです。

 

俺が「まともでない」と半ば自覚しながら苦しんできたのは。

 

まさか、学校に行って生きながらに殺される羽目になるとは夢にも思いませんでした。

 

あの時に死んでいた方が、親にも迷惑が掛からなかったんじゃないかとさえ思います。

 

親族にだって俺が働けないでいることで、どれほどの迷惑を掛けたか・・・。

 

教師の立場を利用して、加虐趣味を満たしたあの鬼畜に法の裁きを。

 

時効が憎い。

 

なにより憎いのはこの頭。

 

今、体半分の感覚がありません。

 

(終)

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村の守り神を見るはずが

 

俺の住む集落には、『武君様』という神様が祀られている。

 

なんでも、この集落を野武士などから守り、命を落とした青年が神と成り、今もこの集落を守っているらしい。

 

そして、この武君様を祀っている祠の様なものが村の山奥にある。

 

その場所には、夏と冬の年に二度ある祭りの時にしか子供は入ってはいけない。

 

しかし俺は小学生の時、同級生の友達と無断で入ったことがある。

 

そこで俺は凄いものを見た。

扉を開けるとそこには・・・

祠は木で出来た小さくて古い社の様なものであり、その中に何があるかは村の極一部の人しか知らない。

 

俺の父や祖父も知らなかった。

 

その話を友達にすると、「見てみたい!」と言ってきた。

 

俺は村の大人に怒られるから止めた方がいいと思ったが、自分も一度見てみたかったので同意した。

 

社には錠がしてあったが、古く錆びていたので簡単に外せた。

 

扉が開くと、中から異臭と茶色に変色した布に包まれた物が出てきた。

 

俺と友達は異臭で胸が悪くなり、その場でゲェーゲェーと吐いた。

 

そして、異臭を放っている茶色の塊の変色した布を剥がした。

 

中からは、黒茶色の小さなミイラが出てきた。

 

次の日、祠を管理していた集落の長が逮捕された。

 

その逮捕のきっかけになったのは、祠で見つかったミイラにある。

 

どうやら、高校生の我が娘に子供が出来てしまったらしいのだが、気付くのが遅かったらしく産ませてしまったらしい。

 

そして、この不名誉を村人から隠す為に子を殺し、遺体を祠の中に隠したそうだ。

 

この一件以来、友達は扉を開けるのが怖くなったそうだ。

 

俺も時々あのミイラの夢を見る。

 

本来、祠の中には武君様を模して作った仏像があったらしいが、長はそれを捨ててしまったらしい。

 

そのせいか、これを「武君様の祟り」と呼ぶ人も少なくなかった。

 

長の高校生の娘は、父に子を奪われたショックで発狂してしまい、長は娘を部屋に監禁していた。

 

施設で治療して順調に回復したらしいが、長の奥さん共々、今何処にいるかは誰も知らない。

 

長は今も刑務所に居るらしいが、定かではない。

 

(終)

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お母さんを探していた赤ちゃんの霊

 

今から2年ほど前の話なのですが、小雨の降る初夏の夜でした。

 

私はチューンアップした車で、山にドリフトをしに行きました。

 

平日の深夜ということもあり、いつもよりは車の通りが少なく、雨の音がよく聞こえる夜でした。

 

この日は、山に着く前から少しおかしなことがありました。

ありえない光景に出くわす

山に行くわけですから、少し森のようなところを通ります。

 

当たり前のように「動物注意」の看板があり、私も実際にそこで動物を見たことがあります。

 

その日も3匹の動物を見ました。

 

イタチのようなもの、大きな鳥、そしてタヌキ。

 

しかし、なぜかその動物たちは体が白く光っていたのです。

 

もちろん街灯などは全くありません。

 

私の目の錯覚かも知れませんが、確かに白かったのです。

 

目的の場所に着き、動物のことを忘れ、私は走りに夢中になっていました。

 

時間も深夜3時を回り、気がつけば私一人だけになっていました。

 

ガソリンも少なくなったことで、私も帰ることにしました。

 

少し飛ばし気味に山を下っていく途中、急カーブを曲がった瞬間、また目の前に白い物体が現れたのです。

 

私は目を凝らしてその物体をよく見ました。

 

すると、なんとハイハイをしている赤ちゃんだったのです。

 

私は急ブレーキをかけました。

 

しかし、雨に濡れた道路、さっきまでドリフトをしていたせいでツルツルのタイヤ。

 

少しスピードは落ちましたが、そのまま赤ちゃんに「ドンッ!」とぶつかりました。

 

慌てて車から飛び降り、車のフロント部分に行きました。

 

エアロは割れ、バンパーもへこんでいました。

 

しかし、赤ちゃんの姿はどこにもありません。

 

車から懐中電灯を持ってきて、一時間近くも探しました。

 

辺りもだいぶ明るくなっていました。

 

しかし、一向に赤ちゃんは見つかりませんでした。

 

よく考えると、あんな時間にハイハイする赤ちゃんがこんな所にいるのはおかしいと思いました。

 

私は怖くなり、慌てて車に飛び乗り、急いで家まで帰りました。

 

家に着いた時には、もう朝の6時でした。

 

疲れ切った私は、すぐに寝てしまいました。

 

起きた時はもう昼過ぎで、なぜかつけた覚えのないテレビがついていました。

 

おかしいなと思いながらもテレビのニュースを見ると、昨日いた山で母親と1歳になる子供の死体が見つかったというのです。

 

私はびっくりしました。

 

テレビの続きを見ると、死後1ヶ月以上は経っていて、親子は別々の所に埋められていたそうです。

 

私はすごく怖くなりましたが、仕事があるので急いで用意をして車へ向かいました。

 

すると、昨日確かにへこんでいたバンパーも、割れたエアロも、元通りになっていました。

 

私の考えなのですが、あれは「お母さんを探していた赤ちゃんの霊」ではなかったのでしょうか。

 

そう思うと可哀相になり、私はその場で手を合わせ、ご冥福をお祈りしました。

 

(終)

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状況と事実の相違

 

「貴方はお酒を飲み過ぎて酷く酔っ払っていた。最後に飲食店から出たのは深夜4時過ぎ。その後は近くのコンビニに立ち寄り、自宅マンションに着いたのは深夜4時半頃」

 

「かなりお酒に酔っていた為に貴方はマンションの階を間違え、本来自宅は7階の7号室であるところを、一つ下の6階の7号室に入ってしまい、たまたま6階の鍵は開いていた」

 

違う、違うんです。

 

私は酷い二日酔いのまま地元警察署の中の一室で、4人の警官にジッと見つめられながら事実確認を求められました。

彼女はお腹が減っていた

事実は違うんです。

 

私は確かに酔ってはいました。

 

けれど、記憶はちゃんとあります。

 

間違えて住居侵入なんてしていません。

 

この日は飲み屋を3軒ハシゴし、3軒目は自宅に程近い場所にあるバーで、そこに居た綺麗な女性客と盛り上がったんです。

 

この女性をMさんとしましょう。

 

私とMさんは話をしていくうちに、偶然二人共同じマンションに住んでいる事が分かったんです。

 

そのMさんが私の一つ下の六階に住んでいたんです。

 

バーの閉店時間も来たので私達は店を出たんですが、Mさんが「うちで飲み直さない?」って言うんです。

 

お互い明日は仕事も休みでしたし、私はもう鼻の下を伸ばしながら二人でコンビニに入って、ワインとチューハイとお茶、Mさんがお腹が空いたというので弁当とアイス、それからなるべく薄いコンドームを買ったんです。

 

レシートもあります。

 

コンビニから出ると私達はMさんの部屋に直行したのですが、二人でベッドに入った途端すぐに爆睡してしまったんです。

 

2時間程して私が先に目覚めると、ベッドの周りが酷く臭かったので寝たまま吐いてしまったかなあ・・・と思ってMさんを見たら、Mさんもちょうど起きたのか、私の方を見て口を開けていて・・・。

 

「貴方はそこで亡くなっているMさんを発見した」

 

そうなんです。

 

でも、警察の方はMさんの遺体の状況からみて、亡くなってから一週間は経過していると。

 

“餓死”だそうです。

 

だから、私がMさんと飲んでいるわけもなく、また決定的なのは最後のお店のバーテンさんの話によると、私はバーでずっと一人で喋っていたそうで。

 

もうここまで来ると酔っ払いの戯言かも知れません。

 

戯言かも知れませんが、それでも私が昨夜見た光景や行動したままを警察の方に力説したんです。

 

そうする事しか出来ませんから。

 

次に私は、警察の方にMさんと話した会話の内容を説明しました。

 

Mさんの下の名前やら田舎、趣味や仕事の事、食べ物の好みなど。

 

この時、すぐに私の情報を警察官が照らし合わせると、下の名前、田舎(本籍)や仕事が一致していました。

 

「貴方とMさんとは、以前面識があったのではないですか?」

 

無いです。

 

バーで初体面でした。

 

初対面・・・。

 

ただ、バーテンさんが居なかったと証言しているという事から思い返してみると、Mさんの前にはグラスやおしぼりも無かったような気がしてきました。

 

また、一緒に会計したつもりだったレシートには、手書きで合計金額だけが書いてあったのですが、私の分だけのような気がしています。

 

なんだか分からなくなってきました。

 

でも、ここで警察の方が急に声のトーンを変えてきたんです。

 

それは「疑って悪かった」とでも言いたいかのような、表情が一瞬緩んだというか。

 

まるで、今まで私を試していたかのような雰囲気でした。

 

警察官同士で何やら目で合図を交わすと、4人居たうちの3人は部屋から出て行って、残った一人が少し言葉を選ぶようにして私に話しかけてきました。

 

ですが、まるで手の平を返したように「どうやら貴方はMさんと居たようだ」と、あっさり言ってくるんです。

 

警察の方は、私が始めにこの話を現場でざっと話し、少ししてから警察署に移動する間に、昨夜Mさんと立ち寄ったコンビニの防犯カメラをチェックしていたようなんです。

 

すると、Mさんがしっかりと、そこに映っていたようなんです。

 

それ早く言って下さいよ!って、私は言いました。

 

そうしたら、その警官が言うんです。

 

「人間じゃなかった」、と。

 

正直、私は恐怖で気が狂いそうです。

 

少し前に自宅に戻ったのですが、座っているとガタガタ震えてしまうので、部屋の中をウロウロと歩き周っています。

 

もう何かに集中していないと、今までの事を何とか頭の中で整理を付けないと、本当に気が狂いそうです。

 

そう言えばMさん、「お腹が減った」と言っていた。

 

ご遺族の方がそろそろ新幹線で東京に到着されるようです。

 

今また警察から電話が入りました。

 

第一発見者である私に対して、警察の方は「ご遺族の気持ちを配慮したい」という事から、私がMさんの遺体を発見した経緯は伏せるような形にするようで、少々打ち合わせをしました。

 

発見出来た事、良かったと思っています。

 

涙すら出ます。

 

でも、どうしてもこの震えだけが止まりません。

 

(終)

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夜な夜な聞こえる壁を引っ掻く音

 

知人が体験した話です。

 

彼は杉並区にある築40年は経とうかという古い木造アパートに一人暮らしをしていました。

 

最近ではどこもそうでしょうが、隣人とも会話は無く、すれ違い様に会釈する程度の付き合い、という人も多いのではないでしょうか。

 

彼も越してきて半年にもなりますが、隣に住む人の顔も知らなかったそうです。

 

そんなある日、隣人とたまたますれ違った時に、「あんたさぁ、夜中に壁を引っ掻くのを止めてくれない?うるさくて眠れないんだけど」と言われました。

 

彼はサッパリ意味が分からず、「そんなことしませんよ?夜中は寝てますし」と。

 

しかし隣人は、「次にやったら大家に言うからね」と吐き捨て、部屋に戻っていきました。

 

もちろん彼は身に覚えはありません。

 

近所付き合いなんて面倒だな、という程度にしか捉えませんでした。

 

その翌日の夜、仕事から帰宅して疲れ切っていた彼は、すぐに布団に横になって眠りにつきました。

 

深い眠りについていた時、突然壁を「ドン!ドン!」と叩く音が。

 

彼はその音で驚き、目を覚ましました。

 

眠気まなこで彼は、「隣の奴だな・・・なんだってんだよこんな夜中に・・・」と、急に起こされたせいでイラつきました。

 

が、疲れていたので再び眠りにつこうとした時、「カリカリ、カリカリ」と、なにかを引っ掻くような音が聞こえるのです。

 

ネズミかな?と月明かりしか差さない薄暗い部屋を見渡すと、隣人に叩かれた壁側に、5歳くらいの小さな男の子が壁を向いて座っていたのです。

 

そして男の子は爪で土塗りの壁を「カリカリ、カリカリ」と。

 

彼は凍りつきました。

 

隣人の言っていたことは本当だったのです。

 

10分ぐらい経った頃でしょうか、彼はしばらく布団の中からその男の子の様子を見ていましたが、意を決して男の子に訊きました。

 

「ぼく、なにやってるの?」

 

すると男の子はこちらを振り返り、「この中にお母さんがいるの」と言った後、再び壁をカリカリと引っ掻き始めました。

 

その後、すぐに彼が引っ越したのは言うまでもありません。

 

(終)

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死者の霊と波長が合ってしまった

 

私の父親の体験談です。

 

今から30年以上も前の話です。

 

当時、母が長男を妊娠中で、平屋の貸し屋に住んでいた頃、父と母は一番奥の寝室に寝ていたそうです。

 

父は霊感が強く、頻繁に霊体験をしていました。

 

その日、夜中に父は金縛りに遭い、仰向けのまま目だけが動く状態でした。

 

「疲れてるのかな」と思い、再び寝ようと思いましたが、突然つま先からボーリングの玉のような重い丸いものが胸元まで転がってきたそうです。

 

胸元まで来るとふっと消え、またつま先から。

 

それが数回繰り返された後、金縛りは解けました。

 

ふと横を見ると、白いパジャマ姿の母が枕元に座っていました。

 

臨月だった母が不安で起きたのだと思い、父は母の手を握り「大丈夫だから」と言うと、枕元にいた母は消えたそうです。

 

父は「えっ?!」と思って、横で寝ている母の方を見ると、母はぐっすり眠っている。

 

父が母を揺すり、「おい!おい!」と声をかけると、「・・・う~ん・・・なぁにぃ?」と不快そうに起きたそうです。

 

その時、母は黒いパジャマを着ていました。

 

後日、自宅近くの病院の看護士が、隣の公園で首を吊って自殺したという話を聞いたそうです。

 

日付けと時間が、父が母と間違って手を握ったのと同じだったそうです。

 

父いわく、「面識は全くないからたぶん波長があっちゃった」だそうです。

 

(終)

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一人で留守番をしていると

 

私の祖父は保護司をしていた。

 

その為、祖父のお世話になった人達が保護者などを伴って、時々挨拶に訪れる事もあった。

 

私が中学生の時、祖父は亡くなった。

 

祖父が亡くなってからしばらくしたある日、私が家で一人留守番をしていると、高校生くらいの男子二人が家にやって来た。

二人の様子がおかしかった

一人は髪を染めてちょっとヤンチャしてます~という感じの少年Aで、もう一人は少し大人しそうな雰囲気の少年B。

 

「自分たちは以前、○○さん(祖父)の世話になった事がある者です。○○さんのお仏壇にお線香を捧げたいのですが」

 

私はわざわざ祖父を訪ねて来てくれる人がいた事に感激し、深く考える事もなく、その二人を家に上げてしまった。

 

しかし、少年達の態度はどこか変だった。

 

少年Aが、私の顔や体を食い入る様に見つめてくる。

 

少年Bの方は、家の中の様子を伺うようにキョロキョロしている。

 

仏間に案内し、ロウソクや線香の準備をしながら、私は何か妙な違和感を感じ始めていた。

 

焼香を済ませると、二人はやたら馴れ馴れしく私に話しかけてきた。

 

「君かわいいね。何歳?××中学に通ってるの?高校はドコに行くの?彼氏は?彼氏いるの?デートしてみたいとか思った事ある?」

 

矢継ぎ早な質問に私が困惑していると、少年Aがさらに発言した。

 

「ところで今日って一人で留守番なの?」

 

蛇のようなねっとりした目で私を見つめる少年A。

 

その発言を聞いて、明らかにギョッとしているもう一人の少年B。

 

なんか、変。

 

何なのこの人達・・・。

 

なんかヤバイ、なんかオカシイ。

 

その時になって、私の違和感はようやくハッキリした形を取り始めた。

 

「ねぇ、一人?今日はもしかして他に誰もいないの?」

 

「おい、やめろよ。やめとけって」

 

「何だよ、いいじゃん。この子、結構俺の好みなんだよね」

 

徐々に近くに寄ってくる少年A。

 

表情を引きつらせながら、それを押し止めようとする少年B。

 

「やめろって。何考えてんだよ!ヤバイって!!」

 

と、その時・・・「ピンポ~ン」と玄関のチャイムが鳴った。

 

「すみませ~ん、集金で~す」

 

「は~い、今出ます!」

 

慌てて玄関先に飛び出す私。

 

ほっと肩を落とす少年B。

 

後で、少年Aが「チッ」と小さく舌打ちするのが聞こえた。

 

「もう帰ろ!」

 

ふてくされた様子の少年Aは、少年Bに促されて帰路についた。

 

帰り際、少年Bは申し訳なさそうに「・・・ごめんね」と、小さな声で謝ってくれた。

 

レイプとか強盗とか、テレビ画面の向こうにある世界だと思っていた当時の私にとって、かなり衝撃的な事件でした。

 

(終)

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泣き叫ぶ声はどこから

 

去年入院した時に遭遇したほんのり怖い体験。

 

3日間意識がなく、目覚めて初日の深夜に人生初の金縛りに。

 

体が急に強張ったような感覚と共に硬直し、若干パニックになりつつも、「これが金縛りか・・・」などとのんきに構えていた。

 

だが、白いモヤが足元からゆっくりと覆い被さって来ていた。

私がいた病棟は・・・

「あら幽霊さん初めまして。私は○○です」なんてフレンドリーに頭の中で呟きつつも、視界がどんどん白く塗り潰されていき、これはそろそろ気絶するという直前、見回りの看護士がドアを開け、その瞬間に白んだ視界や金縛りが嘘のように消えた。

 

それからは興奮冷めやらぬで寝れずにいたのだが、昼前から強い睡魔に襲われた。

 

昼寝にはうってつけの日和だったので、横になるとすぐに眠りに落ち、夢を見た。

 

それは明晰夢というもので、昔の古き良き日本家庭の夢だった。

 

※明晰夢(めいせきむ)

自分で夢であると自覚しながら見ている夢のこと。

 

私は小さな女の子になっており、なんとなくこの子の記憶を見ている気がした。

 

数十分で起きるのだが、すぐにまたまどろみ、夢を見る。

 

その都度違う場面なのだが、私の視点はいつも着物を着た女の子だった。

 

木造の家の中で男の子と遊んで笑っていたり、縁側で足をぶらぶらさせていたり、兄と思われる青年におんぶされながら綺麗な林道を眺めていたり・・・。

 

この夢に不思議に思いつつも、とても穏やかで心地よい日常の景色に夢中だった。

 

そのまま夜が更け、目覚めて二度目の夜。

 

昼に寝続けたせいかなかなか寝付けなく、横になりながら天井をボーっと眺めていると、小さく何かの声がした。

 

耳を済ませてみると上の階かららしく、自分から”左斜め上”から聞こえる。

 

さらに耳に意識を向けると、女の子の泣き叫ぶ声がした。

 

その瞬間だった。

 

目の前、頭の中に真っ赤なイメージが次々と沸き上がってきた。

 

あえて表現するなら、血みどろの内臓の中をドロドロになったヒトの群れと一緒にもがいている感じ。

 

とにかくグロテスクで、不気味で、気持ち悪く、泣き叫ぶ声が大きくこだましていた。

 

もう訳が分からなくて、頭が焼き切れそうに熱くなり、気付いたら朝だった。

 

あの夜は一体なんだったのか不気味に思いつつも、あの泣き叫ぶ声が気になった。

 

看護士に上の階に女の子の入院患者がいるのかと訊いてみたところ、ちょっと不思議そうな顔をしながら「うん、いるよ」と軽く答えてくれた。

 

なんだ、夜泣きしたところを自分で変なイメージにしちゃって混乱したのかと納得し、その夜からは何事もなく眠れるようになった。

 

2週間が経過して無事退院することになり、看護士たちにお礼を言って病棟から出た。

 

目が覚めて初日の夜、あの夢のことなどを考えながらエレベーターで1階に降りたところで、はたと気付いた。

 

私がいた病棟は”最上階”だった。

 

私が聞いたあの泣き叫ぶ声はどこから聞こえてきた?

 

あの時、看護士は上の階に女の子の患者がいると言ってなかったか?

 

鳥肌が一気に総立ち、あの看護士に詳しく訊きたかったが、迎えの家族に手を引かれながら帰宅した。

 

それからは特に何事もなく過ごしている。

 

(終)

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怪奇現象の絶えない家

 

僕が小学生の頃、沖縄に住んでいた時の話。

 

当時の僕は、ひどい寝不足に苦しんでいた。

 

なぜなら、僕が住んでいたその家は、とにかく『怪奇現象の絶えない家』だったからだ。

 

一旦眠りについたとしても、必ず夜中の2時ぐらいに目を覚ましてしまう。

 

そして、必死になってまた眠ろうとするが、その時に妙な音が聞こえてくるのである。

 

ラップ音というやつだ。

 

誰も居ないはずの台所から食器がカチャカチャと鳴る音が聞こえたり、床を叩く様な音、何かが倒れる様な音、人の足音、人の声のような低い音。

 

そういうのが毎日のように続き、寝ようにも眠れず、寝不足に苦しんでいた。

もうこの家とは関わりたくない

ある夜、僕はまた夜中に目が覚め、必死になってまた眠ろうとしていた。

 

すると、遠くの方から男の人の声が微かに聞こえてきた。

 

最初はよく聞き取れなかったけれど、その声がだんだん近づき、はっきりと聞こえてきたのである。

 

「こ・・・い、こ・・い、こ~い、こ~い」

 

誰かが外から呼んでいる。

 

僕はさすがに怖くなり、布団をめくりあげると、周りをあまり見ないようにして急いで隣の部屋で寝ている両親の部屋に駆け込んだ。

 

ドアは内側から鍵がかかっていたため、泣きながらドアを叩き、ようやく開けてもらった。

 

両親は何事かと思ったようだが、僕が青ざめた顔で「外から誰かが呼んでいる」と言うと、すぐに事態を察したらしく、一緒の部屋で寝ることになった。

 

そして寝ようとすると、ドアを思いっきり叩く音が。

 

だけどそれは、僕と一緒の部屋で寝ていた弟だった。

 

僕が部屋から居なくなっていることに気づき、後を追って来たらしい。

 

ホッとしてまた寝ようとすると、またドアを叩く音が聞こえた。

 

もうこの部屋の外には誰も居ないはずなのに・・・。

 

しかもそれは、ドアを叩くというよりは、何かがドアの前で暴れている、のたうち回っている様な感じだった。

 

僕はギョッとして、母親の目を見つめた。

 

母親は口に人差し指を当て、「しー」という動作をした。

 

両親もその現象は気づいていたようだけど、特に何かをしようとはしなかった。

 

しかしある朝、父親が青ざめた顔で変な夢を見たと言った。

 

夜中に目が覚め、突然『金縛り』に遭ったというのだ。

 

すぐ近くでお経が聞こえ、なんだか人の気配がする。

 

目を開いて横を見ると、一人のお坊さんが自分の横に座って、お経を唱えているというのだ。

 

そして、そのお坊さんの後ろには、泣いている沢山の人の姿。

 

なんと、自分の葬式が行われていたという。

 

大声で叫ぼうとしたり、必死になって身体を動かしているうちに、やっと目が覚めたらしい。

 

さすがに父親も怖かったのか、「お祓いをしよう」ということになり、神主さんのような人にお祓いをしてもらった。

 

しかし、その後も怪奇現象は止むことはなく、その後に色々な事情等から、その家を引っ越すことになった。

 

引っ越してからは夜に目が覚めることもなくなり、家庭内の雰囲気も明るくなった。

 

今、その家は他の人が借りて住んでいる。

 

しばらくして、その家を借りている人からこんな話があったそうだ。

 

昼間、テレビを見ながらふと窓の外に目をやると、若い上半身だけの日本兵と目が合ったのだという。

 

どういう霊がいるのかは分からないけれど、とにかくもうあの家とは関わりたくない。

 

(終)

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