投資の基礎

ビットコインの誕生と背景が分かる1冊『デジタル・ゴールド』【書評】

ビットコインについては、その技術面について解説した書籍が今も続々と出版されている。アンドレアス・M・アントノプロスの『ビットコインとブロックチェーン:暗号通貨を支える技術』などもその一冊である。

だが本書は、そういった一連の著作とは趣を異にする。ニューヨーク・タイムズ紙記者ナサニエル・ポッパーの手になるこの本は、ビットコイン草創期とそれ以後の人びとの群像劇を活写したノンフィクションである。ビットコインの誕生とその背景について知りたければ、まず手にとるべき一冊であろう。

『デジタル・ゴールド――ビットコイン、その知られざる物語』 著者:ナサニエル・ポッパー、土方奈美訳 出版社:日本経済新聞出版社 発売日:2016年9月23日

ビットコインとリバタリアン

(画像=Webサイトより)

本書の登場人物たちは、当人にどれだけ自覚があるかはさておき、多かれ少なかれ、リバタリアン(ときに無政府主義者)の思想的・心情的な傾向を持つ。ビットコインの考案者で、サトシ・ナカモトという日本名を名乗る謎の人物をはじめ、ビットコインの開発・推進にたずさわった「はみだし者」のエンジニアや資産家たちの多くがリバタリアンである。

『神と国家の政治哲学』や『難破する精神』などの著作があるアメリカの政治学者マーク・リラは、リバタリアンに共通する価値観として、「個人の尊厳、自由の重視、公的権威への不信、寛容」を挙げている(ニューリパブリック誌、2014年6月17日)。

そうした価値観に照らせば、「技術の力で大衆の手に権力をもたらし、過大な禄(ろく)を食(は)む企業経営者や過干渉な役人を駆逐しうるビットコイン」が、反権力志向のリバタリアンから幅広い支持を得るのは当然と言えよう。

次のページビットコインの理想(理念)と現実(実態)

投資信託でよく出てくる「ドル・コスト平均法」をおさらい 本当に万能なの?

「ドル・コスト平均法」という言葉は、投資をしない人にとっては馴染みがないかもしれません。しかし投資を始めてみると、初心者のリスク軽減法としてあがる手法です。

ドル・コスト平均法はいったいどのような手法なのか、そして本当に役立つのでしょうか。今回は、ドル・コスト平均法の気になるポイントを確認してみましょう。

そもそも「ドル・コスト平均法」って、何?

(写真=Vintage Tone/Shutterstock.com)

投資は、お金を増やすことが目的である以上、安く買って高く売り、利益を得ることが基本となります。

もちろん、いつが「安い=買い時」で、いつが「高い=売り時」なのかがわかれば、確実に利益を得られるでしょう。しかし実際には常に読み違えるリスクは存在しますし、むしろ「他の多くの人が読み違えているとき」こそが、利益をあげるチャンスとなります。

このタイミングの判断は、投資初心者には難しいものです。仮にビギナーズラックで大きな利益を得た場合、退け時を間違えて大きな損害を被ることもあります。

そこで、投資初心者におすすめの手法が「ドル・コスト平均法(dollar cost averaging)」という投資手法です。

言葉だけ聞くと何だか難しいイメージがしますが、「一定の期間を置いて、必ず決まった額の対象金融商品を買っていく」といういたってシンプルなものです。具体的には、「毎月決まって1万円ずつ、同じ金融商品を買う」というわけです。別名「定額購入法」ともいわれています。

相手は金融商品なので、相場に従って値動きがあります。たとえば、平均して1万円で10口買える商品を例に考えてみましょう。この商品が値下がりして1万円で12口買える月もあるかもしれませんし、逆に値上がりして8口しか買えない月もあるかもしれません。ドル・コスト平均法では、値下がりしているときも値上がりしているときも1万円しか購入しません。しかしそれよって、「自動的に、価格が下がっている時に多く買い、値上がりしている時には少ししか買わない」という投資の基本姿勢が実現できるのです。

万能ではないことには注意

この方式のポイントは、「値下がりしそう、値上がりしそう」という、本来投資に必要とされる“読み”がまったく必要ないことです。

もちろん常に一定額を買っているので、「安値の時に多く、高値の時に少なく」とはいっても、その差は僅かです。つまりは「ローリスク・ローリターン」となるわけですが、投資の安全性・確実性は向上します。「上がった、下がった」などと一喜一憂する必要もないのです。

まさに投資初心者の心強い味方といえそうなドル・コスト平均法ですが、万能ではないことには注意が必要です。

ドル・コスト平均法がそのメリットを最大に発揮するのは、「適度に値動きがあり、しかし長期的に見て平均価格が比較的安定している」場合です。

仮に相場が右肩下がりに下落を続けるような場合であれば、(最初にどんとまとめて投資する場合ほどではないものの)常に損を重ねていくことになりますし、逆に右肩上がりに上がり続けていく場合には、損はしないものの高値で買い足し続けることで利益を少なくしてしまいます。

しかし、そのようなデメリットもあることを踏まえ、ある程度長期的に安定している商品を最初から選ぶことさえできれば、挑戦しやすい投資手法といえます。

投資に興味はあるが、いまいち踏み出せないという方は、ドル・コスト平均法を活用して投資にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

(提供:IFAオンライン

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けものフレンズ「たつきショック」で株下落 SNSを使った情報収集の注意点

9月26日、出版・動画配信大手のカドカワ <9468> の株価は売り気配で始まり、一時前日比45円(3.3%)安の1326円まで売られた。カドカワの下落は「たつきショック」と騒がれ、前夜のあるツイッターから始まった。SNS発で株が下落する流れを追ってみよう。

株の下落は正式発表でなくSNSで始まった

((C)けものフレンズプロジェクト/KFPA)

9月25日20時、ツイッターで「たつき/irodori (@irodori7) 」アカウントから「突然ですが、けものフレンズのアニメから外れる事になりました。ざっくりカドカワさん方面よりのお達しみたいです。すみません、僕もとても残念です」とのつぶやきがあった。 アニメの「たつき監督」のアカウントとして18万人のフォロワーがいる人気アカウントだ。

たつき監督は、人気アニメ「けものフレンズ」で知られる。「けものフレンズ」は、3Dのかわいい動物としてアニメ化された少女達「フレンズ」が、サファリパークの「ジャパリパーク」を舞台に、旅や冒険をする話だ。17年1月から3月までテレビ東京系列で放送されて人気化した。制作はたつき監督が所属する製作会社のヤオヨロズだった。テレビ番組終了後は、アニメの第2期制作が、ニコニコ動画で有料コンテンツとして配信されることが決まっていた。

たつき監督のツイッターは、第2期の制作から監督が外れることを意味する。

たつき監督が辞めることは、SNS経由でネット上を瞬く間に広まった。「たつきショック」がファンにあたえた衝撃の大きさは、当該ツイッターが31万回(9月28日時点)もリツイートされていることでもよくわかるだろう。発表直後からネット上で「たつき監督辞めないで!」と題した署名運動が始まり、一晩で2万人もの署名が集まったようだ。

27日にやっと行われた正式発表では、アニメの2期制作から監督だけでなく制作時会社のヤオヨロズ自体が外れることがわかった。ニコニコ動画には、カドカワ批判や有料コンテンツの解約宣言などの書き込みが急増しているようだ。

次のページツイッター後にPTSでカドカワが急落

チューリップの「球根」で家が買えた異常な時代 ビットコインはバブル?

旅行代理店大手のエイチ・アイ・エス(H.I.S.) <9603> が店頭決済に導入をスタートさせたり、テレビのコマーシャルでも見かけたりと、仮想通貨ビッドコインが市場で浸透しつつある。

夏場以降、荒い値動きを繰り広げているビットコインに対し、欧州中央銀行(ECB)のコンスタンシオ副総裁は、「ビットコインはチューリップのようなもので、儲けたい人のための投機手段で、通貨ではない」と述べ、17世紀にオランダで発生したチューリップの球根バブルを引き合いに出し、仮想通貨の躍進による中央銀行の立場が脅かされる懸念を払しょくした。

副総裁が持ち出した球根バブルとは一体どのようなものだったのか。過去の教訓から仮想通貨との付き合い方にいかせる教訓は何か。

ビットコイン 17年は5倍の値上がり

(写真=PIXTA)

ECBの副総裁が何世紀も前の球根バブルを引き出して語るほど、ビッドコインの値動きは激しい。2017年初は1ビットコイン(BTC)=1000ドル前後の水準だったが、6月には3000ドルを突破。その後、一旦は値下がりをみせたものの、7月以降、再び上昇ピッチが加速し、9月には5000ドルに迫る水準まで高騰した。

飛ぶ鳥を落とす勢いで値上がりをみせていたビットコインだが、中国が仮想通貨に対する規制を強化し、同国内の3大取引所がすべて閉鎖することになり、その影響からビットコインは9月半ばには3000ドル台まで下落した。

いまだ語り継がれる400年近く前のバブル

ビットコインの激しい値動きが回想させるチューリップの球根バブルは、16世紀にオスマン・トルコから球根が持ち込まれたことから始まる。いまや、風車と並び、オランダの象徴ともいえるチューリップだが、もとは異国から持ち込まれたものだった。

当時は、スペインとの独立戦争が収束に向かい、オランダの東インド会社がインドネシアへの植民地開発を進めて本国に利益をもたらし、オランダ共和国の所得水準はヨーロッパでも最高水準となり、人々の消費が旺盛になっていった。

こうした時代背景の中で登場したのがチューリップだった。富の象徴とされたチューリップを収集家たちは、花の色や花びらの模様などで分類し、最も価値があるとされた「センペル・アウグストゥス」は、花びらの紫の縞模様があり、このチューリップ1本に、アムステルダムに家が購入できるほどの値段がついた。

チューリップは、球根にウィルスが感染することで突然変異を起こし、花びらの美しい模様が現れる。当時は、このウィルスによるメカニズムが解明されていなかったため、花の模様に対する不確実性がバブルを助長させた側面もあった。

時間をムダにしないために。有益な投資セミナーの見分け方、教えます

かつては、お金のことを相談するのは金融機関の窓口や営業担当が定番でした。現在も金融機関は相談業務に、より一層の力を入れていますが、銀行や証券会社には属さず「お金の相談業」を営む人々が増加しています。特にファイナンシャル・プランナー事務所や保険の相談窓口などの多彩な相談先が顧客の獲得に力を入れています。

そこでよく開催されるようになってきたのが投資セミナーです。今回は、自分に本当に役に立つセミナーの探し方を考えていきましょう。

有料のセミナーは、おトクにプロのアドバイスが聞ける場

(写真=Hriana/Shutterstock.com)

まず、セミナーといっても有料のものと無料のものがあります。

有料のものは、「セミナー」という名前はついているものの、実際にはコツコツと勉強をする「学校」的な存在といえます。株式投資を学ぶセミナーはこの形式が多く、多くは複数回の連続講座になっています。受講料はかかりますが、質の高い講義内容が期待できます。お試しで無料体験をやっているところもあるので、参加して内容を確かめてから受講の有無を決めるといいでしょう。

有料のセミナーは、公平・中立な話が聞ける可能性が高いのもポイントです。いくら無料のセミナーであっても、セミナー講師の収入が「セミナーで売った商品からのキックバック」というからくりになっている場合は、途中から話が特定の商品のみを勧める流れになることもありえます。その場の雰囲気で自分に不必要な商品を買ってしまわないように注意しなければなりません。

一方、有料セミナーが販売するのは「金融知識」なので、特定の商品への紐づけは原則行われないことがほとんどです。確かに値段は高めですが、マンツーマンでファイナンシャル・プランナーに相談すると何倍もお金がかかります。おトクにプロのアドバイスが聞けると考え、利用するのがいいでしょう。

無料セミナーは興味×知識×性別レベルで選択

もちろん無料のセミナーの中には質の高いものもあります。銀行や証券会社が主催するセミナーは、最終的には自社で取り扱っている金融商品を買ってもらうためのものですが、昨今のフィデューシャリー・デューティーの流れを受け、公平・中立な内容が多くみられます。

新登場のファンド、国別の市場動向など、あらかじめ特定の商品やサービスにフォーカスして開催しているセミナーもあります。興味のある内容の場合は積極的に利用し、情報収集に努めるのがおすすめです。

最近では、「初心者向け」「女性向け」とセミナータイトルに銘打ったり、セミナーの難易度をスコアで表示したり、主催者側も選びやすいように工夫を凝らしています。過去のセミナー動画を配信している会社もあるので、参考にして自分に合ったものを探していきましょう。

講師の質を見極めることが大事

どのセミナーに参加するにも必ず確認しておきたいのが「講師は誰か」ということです。ネットで検索すると出てくる金融関係のセミナーの中には、金融関係ではない会社が主催している開催目的が不明確なものも紛れ込んでいます。

・ 金融関係の資格を保有しているか(FP技能士・証券アナリスト・宅地建物取引士・税理士など) ・ 信頼できるキャリアを持っているか(過去に勤務していた金融機関を確認) ・ 著書やメディアの登場歴はあるか(著書は自費出版でないこと)

などについて最低限チェックしたうえで、講師の評判を確認しておくといいでしょう。

(提供:IFAオンライン

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IFAが具現化する「フィデューシャリー・デューティー」の世界

「フィデューシャリー・デューティー」という言葉を検索すると、各金融機関が発信する「フィデューシャリー・デューティー基本方針」と記載されたサイトが数多くヒットします。書かれている内容は「お客さま本位の取り組み」「お客さまニーズを踏まえた商品ラインナップの充実」など、「顧客本位」の姿勢を前面に打ち出したものです。

フィデューシャリー・デューティーとは「受託者責任」と訳される言葉で、資産を預かり運用する側は、預けた人の利益が真に最大化できるように幅広く適切な方策を検討、実施する義務がある、という考え方です。

IFAにとって当たり前ともいえる考え方が、やっと日本の金融業界のスタンダードになってきました。今回は、フィデューシャリー・デューティーについて詳しくみていきましょう。

利益相反関係に待ったをかけた金融庁

(写真=designer491/Shutterstock.com)

日本の金融業界はこれまで、しばしば顧客の利益よりも自社の利益を優先してきました。典型例が投資信託運用会社と販売会社の系列関係です。

日本の投資信託運用業者のうち、社数ベースで約4割、純資産ベースで9割弱が、金融機関・事業法人の系列です。そして、大手の銀行・証券会社が、系列の投資運用業者の商品を取り扱う比率が50%を超えています。一方で、競合するグループ系列の商品は取り扱わないというグループ内の利益を優先する販売スタイルは、顧客本位の姿勢とは相反するものとして金融庁から厳しく指摘されています。

また、毎月分配型の投資信託については、商品説明の不十分さが問題視されています。運用収益を超えて分配を行っている毎月分配型投資信託が増加傾向にあること、分配金として元本の一部が払い戻されることもあること、分配金に課税されるため再投資額が税金分減少し、複利効果が得にくい商品であることなどについては、保有者の理解が十分とはいえない状況です。

今後は、金融機関もIFAと同様に、顧客の立場に立った公平性の高い販売スタイルが迫られることになります。グループ内利益をどう確保していくのかについては、抜本的な構造改革が必要となることでしょう。

顧客から見えづらい手数料の高さも問題に

金融機関の収入源として外せないのが手数料です。投資信託については購入して一定期間が経過した商品を売り、他の商品を購入させる「回転売買」が顧客の利益ではなく、金融機関の手数料収入目当ての行為としてここ数年、厳しく指摘されています。

このほか金融庁が名前をあげて指摘しているのが「外貨建一時払い年金保険」の高額な手数料です。保険会社が保険を販売した金融機関に支払う手数料は5~7%と高水準であるのが現状です。しかも、この手数料の原資は、主として運用資産から支払われています。ファンドラップも同様に、金融庁が手数料の高さを指摘している商品です。

一方、IFAのなかには、顧客から手数料ではなく運用残高の成果に連動して報酬を受け取るという、利益相反のない形を採用するケースも目立つようになってきました。このような状況がフィデューシャリー・デューティーを具現化する動きの1つといえるでしょう。

森金融庁長官が推し進める金融大改革

ここ数年の金融業界の大改革の背景にあるのは現金融庁長官、森信親氏の存在です。自社の利益追求のために顧客の利益を犠牲にしてきた姿勢に徹底的にメスを入れ、顧客の利益を第一に考えるよう要請してきました。

2017年3月に金融庁から発表された『顧客本位の業務運営に関する原則』には、「本来、金融事業者が自ら主体的に創意工夫を発揮し、ベスト・プラクティスを目指して顧客本位の良質な金融商品・サービスの提供を競い合い、より良い取組みを行う金融事業者が顧客から選択されていくメカニズムの実現が望ましい」と明記されています。

そして、現在は多くの金融機関が「フィデューシャリー・デューティーの基本方針」を策定、公表するに至っています。

現在金融業界の一大変革は加速度を増しており、この変革はIFAにとっては追い風となるでしょう。フィデューシャリー・デューティーの担い手として期待が高まっています。

(提供:IFAオンライン

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「配当落ち後」日経平均、先物価格に差が出るのはなぜ?

株主優待や配当金を狙った投資法は、投資を始めたばかりの個人投資家から人気が高い。株主優待と配当金を受け取るためには、株主優待と配当金を実施している企業の株主になり、決算期末の時点で株主名簿に名前が掲載され、権利を確定した株主になる必要がある。ここでは、権利確定日の翌日(配当落ち/権利落ち)に日経平均株価と先物価格に乖離が出ることについて解説していこう。

配当落ちとは

(写真=PIXTA)

配当を実施している企業の株主になったとしても、権利確定日に株主でなければ、株主優待と配当金を受け取れるわけではない。

権利確定日に株を保有している必要があるため、権利確定日の3営業日前(=権利付き最終日)までに株を購入しなければならない。

権利確定日の翌日、いわゆる権利落ちした日に株式を購入した場合、次の権利確定日まで株を保有しなければ、株主優待と配当金を受け取ることができない。

1株1000円の株式が1株あたり10円の配当金を出す場合には、配当金を支払う配当落ちの後は、配当金10円分だけ株価が値下がりし、理論的には990円の株価になる。

しかし、株価が必ず配当金の10円分値下がりするとは限らない。というのも、人気のある銘柄の場合には、権利確定日を通過して配当落ちをして安くなった時を狙っている個人投資家もいるからだ。そのため、配当落ちするはずの株価が配当落ちを埋めて、株価が上昇するケースも散見される。

次のページ日経平均株価と先物に価格差が発生する場合とは?

継続は力なり 小口でコツコツ投資できる積立NISAとは

「貯蓄から投資へ」をスローガンにNISAはスタートした。テレビCMやインターネットなどプロモーション効果もあり、2014年の開始から着実に口座数を増やしている。だが、日本の人口から考えれば、まだまだ発展の余地があると言えるだろう。

2018年1月からは積立NISAが新たに開始される。今回は、そんな積立NISAを中心に「コツコツ投資」について紹介しよう。 (写真=Watchara Ritjan/Shutterstock.com)

金融庁が推し進める積立NISAとは

NISAとは、2014年にスタートした小額投資非課税制度のことで、年間120万円までの投資で得た利益に関しては非課税とする制度のことだ。以下がNISAの基本的な特徴である。

・ 年間120万円までの投資で得た利益は非課税 ・ 1人につき1口座まで ・ 確定申告が不要 ・ 非課税期間は5年

本来、投資で得た利益には約20%の税金がかかる。年間120万円までの投資枠という制限はあるものの、約20%の税金が非課税になるのだから、使い方によってはとても有意義な制度だ。しかし、金融庁が実施したアンケートによると、一度も買付をしていない口座が全体の約5割を占めているという。投資をしない理由として「まとまったお金がない」「投資の知識がない」「投資は怖い」といった声が多かったようだ。

そこで金融庁は、少額から投資が可能で、積立 (分散投資) 式のNISAを2018年1月からスタートさせる。年間の投資上限金額は40万円であり、投資期間は2018年から2037年までの20年間だ。もちろん、現行のNISAと同じく、投資で得た利益は非課税となる。

同じく長期目線での積立制度「iDeCo」

もう一つ、長期目線での積立かつ税優遇を受けることができる制度がある。それがiDeCo (個人型確定拠出年金・イデコ) だ。

iDeCoでは、積立時、運用時、受取時、それぞれに税優遇がある。その内容を見ていこう。まず、積立時については毎月、一定額 (最低5,000円) を拠出金として積み立てていく。その年間の拠出金が課税所得分から控除されるのだ。つまり、所得税の負担が少なくなり、かつ所得税が減るので翌年の住民税の負担も少なくなる。

また、運用で得た利益に対しても非課税となる。利益が非課税で再投資できるので効率よく資金を運用することが可能だ。最後に、受取時に一括で受け取ると退職所得控除、分割で受け取ると公的年金等控除の対象となり、一定額が非課税になる。

長期的な視点で運用を考えているならば、iDeCoを検討してみる価値は充分にあるだろう。

少額でコツコツ投資するメリットとデメリット

積立NISAとiDeCoに共通するのは「少額」を「定期的」に「コツコツ」と投資する、ということだ。積立NISAの場合は、年間の投資上限金額が40万円なので、12ヵ月で割ると、1ヵ月あたりの積立金額は約3.3万円となる。もちろん、それよりも低い金額で投資することも可能だ。iDeCoの場合は、人によって月の最高拠出金額が異なるが、最低5,000円から始めることができる。

小額でコツコツと投資していくことによって、リスクを抑えることができると言われている。例えば、世界経済に悪影響を与えるような出来事があったとしよう。定期的に一定額を購入していれば、その出来事によって株価が暴落する局面は、むしろ絶好の買い場とも言える。

一方、デメリットとしては、効果を得るにはある程度の時間が必要という点が挙げられる。短期勝負ではないので、忍耐力が求められる局面もあるかもしれない。また、流動性が低いということも挙げられる。iDeCoに関しては60歳にならないと原則として現金化することができない。急に資金が必要になったときに解約ができない点は考慮したいところだ。積立NISAにしても、急に現金化しないといけない際に、投資元本を下回っている可能性がある。

非課税枠を使って賢い投資を

将来に対して漠然とした不安があるのなら、毎月少しずつでも積み立てていくことが大切になる。長期的な積立投資はリスク分散にもつながるため初心者でも取り組みやすい。積立NISAやiDeCoなど非課税枠を使用できる制度もあるので、メリット・デメリットを理解したうえで自分に合った運用してくことが重要だ。

(提供:大和ネクスト銀行

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好調から一転「くら寿司」の株価急落 月初に見せた下落の理由

くら寿司を運営するくらコーポレーション <2695> の株価が9月8日、14.2%の急落を見せた。順調に上昇トレンドを継続していた同社株にとっては久々の大幅下落となり、同社株を保有する投資家もおそらくは肩を落としたことだろう。

最新の業績発表(第3四半期)の翌日に起こったことから、業績悪化が引き金となったと考えられるが、業績を確認してみると14.2%もの下落を演じるほど悪い内容ではなさそうだ。同社の現状を確認しつつ、今後の見通しを探っていきたい。

くらコーポレーション 最近の動きは?

(画像=Webサイトより)

くらコーポレーションは「くら寿司」「KULA」などを国内外にて展開する回転寿司チェーン企業で、にぎり寿司や巻き寿司を100円で提供するコストパフォーマンスの高さが目立つ。最近では「しゃりカレー」など寿司以外の商品も多く提供しており、オンラインメニューを確認すると3分の1近くが寿司以外のメニューとなっている。

さらには、食べ終えたお皿の枚数に応じてグッズがあたるゲームに挑戦できる「ビッくらポン」や人気アニメ「銀魂」とのタイアップなどエンターテインメント要素も取り入れ、ファミリー層向けの集客にも成功している。

米国や台湾にも積極展開しており、特に米国では和食「REVOLVING SUSHI BAR」として西海岸沿いに位置する都市を中心に店舗を展開している。世界的な和食人気を追い風に、店舗を拡大している。

最新の業績推移 前回は売られなかったはずなのに……

最新(第3四半期)の数値は以下となっている。

29年10月期第3四半期

売上高:910億7600万円、純利益:33億4300万円

28年10月期第3四半期

売上高:840億1500万円、純利益:31億9700万円

前期(同期間)と比べ、売上高は8.4%、純利益は4.6%の増収増益となっている。また、第2四半期の業績の伸び率は前期比で売上高は8.8%、純利益は8.1%の伸びとなっている。

第2四半期と比べて若干の伸び悩みが見られるものの、本業は好調なようだ。5月に実施したふぐフェアやアニメフェアが好評、新規出店においても米国テキサス州や台湾に2店舗出店するなど事業拡大は進んでいるようだ。店舗改装など他飲食業との差別化を図る積極投資なども行っており、引き続き業績伸長に期待がかかる状況だと言えそうだ。

結局のところ売られた要素は?

業績鈍化傾向は見られたものの、くらコーポレーションの株式は好業績の株主優待銘柄ということもあり、15%近い下落は少々異常だと言わざるを得ない。

考えうる理由としては、好業績推移のペースが鈍化したことで現在の株価水準が高すぎると判断され、換金売りを誘ったのではないかということ。同社の最新業績を鑑みて、成長性の面で失望売りをした大口投資家がいてもおかしくはないだろう。

換金売りをする理由はさまざまだが、高すぎる株式を売却し、これから上がりそうな株を新規で買うために株を売ることがある。最近では、いきなりステーキを展開するペッパーフードサービス <3053> や串カツ田中 <3547> が新高値をつけており、より成長が期待される外食企業へ資金が移動したことも十分に考えられる。

押し目形成中か 今後の巻き返しに期待

こう考えると、現在の同社株は押し目を形成中だと考えることもできる。押し目とは上昇の途中で起きる反動のようなもので、時間をかけて売りを吸収したのちは何事もなかったかのように再び上昇をし始めるタイミングのことをいう。

もちろん今後、くらコーポレーションの業績が下方修正されるような悪材料が出てくることで、株価のトレンドが変わるということもあるかもしれない。

しかし寿司をはじめとする和食はまだまだインバウンド需要としての側面も持ち、今後オリンピックが近づくにつれ注目される日本文化の目玉のひとつとなりそうだ。

谷山歩(たにやま あゆみ) 早稲田大学法学部を卒業後、証券会社にてディーリング業務に従事。Yahoo!ファイナンスにてコラムニストとしても活動。日経BP社の「日本の億万投資家名鑑」などでも掲載されるなど個人投資家としても活動中。個人ブログ「インカムライフ.com」。著書に「超優待投資・草食編」がある

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プロも気にする投資用語「織り込み済み」

決算発表の時期になると多くの投資家の注目を集めるのが、ネットや新聞で伝えられる企業業績の数字です。企業によって業績はばらつきがありますが、増収増益の好決算を見て株価が上がるに違いないと思っていたのに、株価が上がらないどころか逆に下がってしまうことさえあります。ネットや新聞のコメントでは好決算は「織り込み済み」だというのです。さて、いったいどういうことなのでしょうか。

「織り込み済み」材料には株価は反応しない?

(写真=PIXTA)

マーケットを動かす出来事や要因となるものを材料といいます。 投資家は、少しでも投資のチャンスをねらいあらゆる材料を収集して、株価の動向を予測しながら投資の判断をしています。

ある企業の商品販売が好調で今期の業績が良さそうだという好材料の情報が流れ、投資家の買いが増えて株価が上がったとします。実際に決算の数字が発表されたときには、好決算だったとしても、好業績への期待から先に株価が上がっていたので、予想通りの結果として「材料出尽くし」の利益確定の売りにより株価が下がってしまうこともあります。これが織り込み済みということです。 市場で良くいわれる「期待で買って事実で売る」の格言がありますが、事実が公表されたときにはすでに株価が上昇していることが多く、「期待で買って事実の材料がでたとき売るとよい」と言い伝えられています。

反対に、悪い決算の数字が発表されても株価が下がらないケースもあります。業績が悪いという悪材料の情報が事前に予想されすでに株価は下がっていて、決算発表後にその悪材料が予想どおりであれば強い下げ反応が起こらない場合もあるのです。

相場全体にも「織り込み済み」がある

企業業績だけでなく、相場全体を動かす材料にも「織り込み済み」があります。

アベノミクス解散で行われた2014年12月の衆議院総選挙では与党の圧勝が予想され、事前に株価が上昇していたことで、前評判通りの選挙結果が判明した翌日の日経平均株価は、選挙の公示日の株価より500円を超える大幅下落となりました。投資家に知れ渡っている材料はたいてい「織り込み済み」で、それ以上相場を押し上げるエネルギーにはならないこともあるのです。

株価を動かす「事実」はサプライズ

このように予想された材料は事前に株価に織り込まれ、事実が判明しても株価はそれに反応しないことが多くあります。

一方、事前に誰もが予想しなかった材料が出た時には、株価が大きく動くことがしばしばあります。

2016年1月29日の日銀政策決定会合では、予想されていなかったマイナス金利導入という政策が発表されました。発表直後から株価は急上昇し、日経平均は一時前日比600円弱上昇しました。

このような予想されていない材料をサプライズといいます。株価は、良くも悪くも予想とサプライズで動き「織り込み済み」の材料にはほとんど反応しないという傾向があります。

「織り込み済み」の影響は短期

好決算が発表されても「織り込み済み」だからといって株価が反応しない、または反落するというのは、思惑の段階で期待が先行し株価が買われてしまった影響ということになります。事実が確定した段階では材料出尽くしから新規の買いが出ない一方で、期待で買っていた投資家が利益確定の「売り」を出すなどの需給要因から、株価が上がらない、もしくは下落したりするというわけです。

しかし、これはあくまで一時的な株価の変動であって、好決算という事実は長期的には好材料なことに変わりないと考えられます。従って「織り込み済み」で株価が下がったからといって、慌てて株を売るというのは早計といえるかもしれません。

サプライズについても同じようなことがいえます。

サプライズで相場が動く時は、利益をねらったり、損失を回避するためできるだけ早く動こうとしますから、急に株価が反応するというケースが少なくないようです。好材料がでたときは、時間が経って冷静に考えると、 “さすがに買われ過ぎである”と受け止める投資家が増えて、相場が反落するということがしばしば起こるようです。このように、日銀のマイナス金利導入の際も発表直後に日経平均株価は急騰し、その後軟調に転じました。

さて、ここまでの説明で「織り込み済み」とはどのようなものかおわかりいただけましたでしょうか。「織り込み済み」とは、株価の上げ下げに影響がある情報が一般に公表される前に、すでにそれらの情報がある程度株価に反映されたことをいうのです。株式だけでなく他の投資を行う際にも、ぜひとも意識してはいかがでしょうか。

(提供:お金のキャンパス

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