特集「仮想通貨/ビットコイン」

電子マネーとココが違う!「ビットコイン女子」のスマート決済術

東京・新宿三丁目の「新宿マルイ アネックス」で、8月7日から仮想通貨「ビットコイン」が使えるようになりました(まず、10月末までの試験導入)。

前編に続き、メディア向けに開かれた体験イベントルポの後編では、この決済サービスで使えるスマホアプリ「bitFlyer ウォレット」を手掛けるbitFlyer社の執行役員 CFO、金光碧さんが登場。

「ビットコイン歴2年」の金光さんに、くすい ともこDAILY ANDS編集長が聞きました。「ぶっちゃけ、ビットコインと電子マネーって、どこが違うのでしょう?」

bitFlyerの金光さん(右)とくすい編集長(写真=筆者撮影)

女性にとっては「投機」でなく「便利なサービス」

くすい:女性ならではのビットコインの使い方というのはあるのでしょうか?

金光:男性目線だと投機的に捉えて「ビットコインで儲かる」という方向に行きがちなんですよね。でも女性の場合、海外に送金するのに便利とか、ちょっとした金額の寄付が手軽にできるとか、そんな便利なサービスのひとつとして活用できると思います。

くすい:金光さんご自身も、ビットコインユーザーなんですよね?

金光:はい、私のビットコイン歴は2年くらいです。面白いなあと思って、いろいろな場所で使いたかったのですが、当時は本当に使える場所がありませんでした。ですから今回、新宿マルイ アネックスで使えるようになるのは、利用者としてもうれしいんですよ。

(写真=筆者撮影)

日本での決済は、六本木のバーからはじまった

くすい:日本でビットコインというのはどういうところで使えるんでしょうか

金光:飲食店とかが多いですね。日本ではじめてビットコインで決済ができるようになったのは、六本木にあるバーなんですよ。

くすい:外国のお客さんも多そうですし、わかる気がします。

金光:回転寿司、美容院、ネイルサロン。都心のそんなお店でも、ビットコイン決済を導入するところが増えています。でも大きいのは、今年4月からビックカメラの都内2店舗で試験導入がはじまって、今は全国に拡大していることですね。あのくらいの大きさの規模のお店で使えるとなると、存在感が違ってきますから。

ビットコイン女子のリアルライフは?

くすい:金光さんも一人のビットコイン女子として、どんな場所でビットコインを払っているのか、使い方を詳しく教えていただけますでしょうか?

金光:例えばビックカメラで、自宅のパソコンのモニターを買いました。それからインターネット上の百科事典「ウィキペディア」で、寄付を募っていますよね。あれもビットコインでできるんですよ。

くすい:そうなんですね。どうやるのですか?

金光:「寄付をする」をタップして決済方法でビットコインを選び、自分のメールアドレスを入力すると、QRコードが表示されるので、それをスマホで読み取ればいいんです。日本円にして300円といった少額な寄付が、すぐ、手数料もほぼ無料でできます。

くすい:寄付、募金みたいなものにも使えるんですね。

金光:それから友達と割り勘するときですね。友人にはビットコインユーザーが多いので、一瞬で割り勘できるのも便利です。女性ってどうしても、1円単位まで割り勘したくなるじゃないですか(笑)。

くすい:わかります(笑)。友達と割り勘をする時はどうやるんですか?

金光:先程と基本的には同じです。私のスマホにQRコードを表示して、友達のカメラで読み込みます。そこに友達が金額を入力してくれて送信をすると、私にビットコインで支払いができるんです。

くすい:お財布をあけたり両替したりしないで済むのがいいですね。

(写真=筆者撮影)

電子マネーとの違いは「海外送金も、個人間も」

くすい:使い方は電子マネーと似ている気がしますが、電子マネーとビットコインで、大きな違いというのは?

金光:電子マネーでは、友達に送金はできないし、海外送金もできないですよね。そうした送金が気軽に、手数料も安くできるところが一番の違いですね。

ビットコインというのは何となく、まだまだ投機っぽいイメージが付いて回っていますが、使う人が増えると、「便利な決済手段」というイメージも広がると思います。

「きちんとした技術の上に成り立っている」

くすい:金光さんは、転職でbitFlyerに入社していますよね。入社される前は、ビットコインについてどう思っていましたか?

金光:前職は、加納裕三社長と同じ外資系の金融機関です。2014年に加納から「ビットコインの会社を立ち上げる」と言われたとき、ちょっと怪しいのかなと実は思いました(笑)。でも詳しく勉強していくうちに、非常に可能性のある分野だということがわかってきました。「これは今後流行るのではないか」そんなふうに思って転職したんですよ。

技術ベースのものですので、なじみがないと理解するのは非常に難しいのですが、ひとつひとつ理解をすることによって、きちんとした技術の上に成り立っているものだということがわかります。

(写真=筆者撮影)

仮想通貨に詳しい人に、聞いてみよう

くすい:うーん、とはいえ仮想通貨の安全性を保つ技術を全ての人が理解するのは難しいようにも思います。「投資をはじめるときには、人に聞くのがいい」と言いますが、ビットコインにも当てはまるでしょうか?

金光:「詳しい人に聞く」はその通りだと思います。仮想通貨に関しては男性の方が興味のある人が多そうですから、質問すれば喜んで教えてくれるかもしれないですよ。

くすい:その方法はありそうですね(笑)。その他に、ビットコインの女性ならではの魅力はありますか?

金光:ビットコインでの支払いって、本当にスムーズで感動するんですよ。海外にも、安い手数料ですぐ送金できますし。これは一度、操作していただくとすごく分かりやすいと思います。ビットコインの便利さをぜひ、多くの方に体験していただきたいなと思います。

(丸井グループビットコイン決済試験導入リポート、前後編おわり)

前編はこちら

(写真=筆者撮影)

阿部祐子(あべゆうこ) 出版社勤務(雑誌編集者)を経てフリーに。2009年CFP資格取得。社会、金融、ビジネス系記事、やさしい言葉を使ったファイナンス系の読み物などを手掛けています。

(提供:DAILY ANDS

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新宿マルイで「ビットコイン決済」を体験してみた!

東京・新宿三丁目の「新宿マルイ アネックス」で、8月7日から仮想通貨「ビットコイン」が使えるようになりました。まず10月末までを試験導入として、結果によって、拡大するかどうかを検討します。

ビットコイン決済ってどんな感じ? くすい ともこDAILY ANDS編集長が体験しました。

(写真=筆者撮影)

スマホをタブレットにかざして完了

今回は売場でバッグ(税込、1万800円)を購入することにします。ビットコイン決済の手順の次の通り。

①キャッシャーで商品を渡し、「ビットコイン決済をお願いします」と言います。

②店員さんが専用のタブレットを操作し「1万800円」と入力。端末にそのときのビットコインと日本円のレートが表示され、決済用のQRコードが表示されます。この日(2017年8月7日)のレートでは、1万800円は0.03138ビットコインでした。

(写真=筆者撮影) (写真=筆者撮影)

③OKなら、bitFlyer社のスマホアプリ「bitFlyer ウォレット」のカメラでQRコードを読み取ります。

(写真=筆者撮影)

④スマホ画面に「この請求金額を支払いますか?」という質問が表示されるので、「支払う」をタップします。

(写真=筆者撮影)

これで、決済は終了。電子マネーでの決済をしたことがある人なら、違和感のないスムーズさです。

「レート」は日々、変化

電子マネーとの違いはと言うと、ビットコインは日々「レート」が変化するので、海外で買い物をする時のように、決済する日によって必要なビットコインが変化すること。

ちなみに、決済用のタブレット端末は5〜10台ほどしか設置されていないので、もし端末のないレジでヒットコイン決済をする場合は、店員さんが端末を取りに行くため少し時間がかかりそうです。

今回の試験期間中、1回の決済で使えるのは、日本円で10万円まで。飲食店など一部のテナントを除いてマルイアネックスのほぼ全ての店舗が対象となっています。丸井グループでは、試験期間中の利用状況をみた上で、ほかの店舗でもビットコイン決済を導入する可能性があるそうです。

女性の口座開設、全体の2割弱にまでアップ

今回のサービスを提供するのは、ビックカメラでも導入実績のある、国内のビットコイン取引所を運営するフィンテック系ベンチャー企業bitFlyer(ビットフライヤー)社です。

決済で使えるのは、bitFlyer社のスマホアプリ「bitFlyer ウォレット」。ユーザーはまず口座を開いてお金をビットコインに替え、電子マネーの要領で決済します。

bitFlyer社は2014年創業ですが、当初の女性ユーザーは数パーセントでした。ところが加納裕三社長によると、ビットコインの知名度アップなどの影響で、全口座数のうち、女性ユーザーは2割弱にまで伸びてきているといいます。

新宿マルイ アネックスでの導入のターゲットは女性。まさにDAILY ANDS読者の世代の女性にアピールすべく、記者会見も、同店の浴衣・水着売り場で行われました。

今回の導入について「特に若い女性の方にどれだけご利用いただけるのか確認していきたい」と、新宿マルイ アネックスの土屋充店長は話していました。

握手を交わす加納社長(左)と土屋店長(写真=筆者撮影)

仮想通貨をめぐる法整備も少しずつ整っている

ビットコインの仕組みは複雑です。世界中のコンピューターにデータを分散させ、データの改ざんを不可能にする仕組み「ブロック チェーン」がベースになっていますが、利用が多くなり、コンピューター上での計算に時間がかかりすぎるようになっていました。

関係者のなかで意見が割れ、8月1日には、ビットコインと、「ビットコインキャッシュ」という新しい仮想通貨に分岐するなど、ニュースにもなっていましたね。

複雑なだけに、そうした仮想通貨の世界に詳しくない私たちが見聞きすると「本当に大丈夫?」と思ってしまいます。こうした疑問に対して加納社長は「通貨に換算した場合のビットコインの価値は、8月1日の分岐前を超える水準です。決済への影響は出ていません」と語りました。

2017年4月に改正資金決済法が施行され、仮想通貨を取り扱う業者は「仮想通貨交換業」としての登録をすることが義務づけられました。このように法整備も少しずつ整いつつあります。

次回は「ビットコイン女子」の仮想通貨活用法

ビットコイン決済は、家電量販店の「ビックカメラ」でも導入されていますが、何となく『爆買い』系の外国人旅行者や男性が多そうでした。

一方、丸井の場合、大部分が女性客。もしかして今後、「ビットコイン女子」が増えているのでしょうか?

次回は、実生活でビットコインを使っているというbitFlyerの執行役員CFO 金光碧さんに、女性の目線から見たビットコインの活用法を伺います。

仮想通貨はどうしても「投機」として注目されがちですが、実は女性にうれしいツールなんだとか!(後編に続く)

(写真=筆者撮影)

阿部祐子(あべゆうこ) 出版社勤務(雑誌編集者)を経てフリーに。2009年CFP資格取得。社会、金融、ビジネス系記事、やさしい言葉を使ったファイナンス系の読み物などを手掛けています。

(提供:DAILY ANDS

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JPモルガンCEO「政府がビットコインを廃止する」?

JPモルガン・チェースのジェームズ・ダイモンCEOが、「ビットコインの人気が高まれば高まるほど、政府が廃止に向けて動きだす」とCNBCのインタビュー で発言してまた注目を集めている。

「ビットコインは詐欺」「ビットコインを購入したブローカーは解雇する」というダイモンCEOの先日により、ビットコインは大きく価格を下げたばかりだ。

これに対して英国のブロックサイズ企業が金融局に訴えを届けでる一方、JPモルガンが顧客の注文でビットコインを購入していることなども 発覚している。

ビットコイン支援者は「価値を見誤っている」と反撃

(写真=Thinkstock/Getty Images)

前回の発言の波紋に追い打ちをかけるように、ダイモンCEOは投資家が物珍しさから仮想通貨を購入しており、至るところに散乱していると指摘。仮想通貨が「何もないところから現れた物」――つまりやがては消えてなくなるバブルであるとの警告を繰り返した。

先日の「ビットコインは詐欺」発言の際、価格は4300ドル台から2900ドル台に急降下するなど(CNBC調査 )、仮想通貨市場を激しく揺るがした。

ダイモンCEOのビットコインに対する懸念は、ビットコインが政府の管轄下に置かれた信用紙幣ではないという事実に根差すものだ。厳格な規制が設けられていない環境で、巨額の資金が循環している危険性への警告である。

しかしダイモンCEOのような金融産業の著名人からの批判は、ビットコインを促進する上で深刻な妨害となりかねない。ビットコインの支援者は、「ダイモンCEOは完全にビットコインの価値を見誤っている」 と反撃を開始。

ブロックチェーンスタートアップBlockswaterブロックウォーターはダイモンCEOの批判を、「欧州市場濫用行為規制(MAR)第12条に違反している」とし、スウェーデンの金融局に通報したとCITY A.Mが報じている 。

市場操作の可能性も示唆?JPモルガンのビットコイン購入データが流出

予想以上の波紋を投げかけているダイモンCEOのだが、ここに来てJPモルガンが大量のビットコインを購入しているとの報道も流れている。

Twitter に投稿されたJPモルガン証券のデータが切っ掛けのようだが、この情報が本物であると仮定した場合、いくら顧客の資産運用が目的と割り切っていても、先日の解雇発言と対立することになる。

Twitterの投稿者は、JPモルガンが1907年恐慌の際、同社が介入していたことを挙げ、今回も何らかの市場介入的な意図があるのではないかと示唆している。例えば批判によってビットコインの価格を下げ、買い占めを目論んでいるといったような計画だろうか。

ダイモンCEOの娘が個人的にビットコインを購入しているとの報道に関しては、あくまで個人的な資産運用範囲であり、JPモルガンのビジネスとは無関係と考えることも可能だ。

ビットコインの価格は9月24日現在、3663ドル(コインデスク調査)まで回復している。(アレン・琴子、英国在住フリーランスライター)

FinTech online編集部

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「ビットコインは詐欺」JPモルガン・ダイモンCEOが相場操縦と訴えられる

米大手銀行JPモルガン・チェースのジェームズ・ダイモンCEOによる、「(仮想通貨ビットコインは)詐欺であり、所有する者は愚かである」との発言に対し、ブロックチェーンスタートアップBlockswaterがEUの市場濫用規制(MAR、 Market Abuse Regulation)第12条に違反していると主張した。海外メディアが報じたもので、同条は虚偽や誤解させる情報を流布させるなどして相場を操縦することを禁じている。

モルガン自体の注文はしてないと否定

JPモルガン・チェース(写真=Katherine Welles/Shutterstock.com)

Blockswaterのマネージングパートナー、フローリアン・シュワイツァー氏は、「ダイモン氏の主張は、ビットコインの評判だけでなく、彼自身のクライアントや良い金融システムを作り上げるためにがんばっている若い企業にも損害を与えた」と指摘している。

ダイモン氏は投資家会議の席上、「ビットコインは続いていかない。どこからともなく通貨を生み出したり、それを購入する人が賢いと思われているようなところでビジネスなどできない」(ロイター)と語ったという。さらに自社のトレーダーが暗号通貨を取引していたら「即刻解雇する。理由は2つで、第一に就業規則違反、第二に間抜けで、いずれも危険だからだ」と述べたという。影響力のある同氏の発言を受けて、ビットコイン価格は10%以上下落した。

シュワイツァー氏はさらに、ダイモン氏の発言前後にモルガンがストックホルムに拠点を置く取引会社で、顧客のためにビットコインのデリバティブを取引していることから、「相場操作の疑いがある」と指摘。モルガンの広報担当者はロイターに対し、「独自の資本を使って商品のポジションを取っておらずJPモルガン自体の注文ではない、それを購入した顧客がいただけだ」と説明したと報じられている。

FinTech online編集部

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みずほ・ゆうちょ・地銀が新仮想通貨「Jコイン」構想

みずほフィナンシャルグループとゆうちょ銀行、地銀が手を組み、個人や企業が買い物や取引の決済に使える新しい仮想通貨「Jコイン」(仮称)を構想していると日本経済新聞が報じた。

Jコインは、売買価格が変動するビットコインなどとは違い、円と等価交換できる仮想通貨である。このような決済サービスは、海外勢が大きく先行しており、キャッシュレスの決済を目指すととともに、邦銀連合で規格をそろえて対抗するのが狙いだという。

2020年東京オリンピック・パラリンピックに間に合うよう開始予定で、独自コイン「MUFGコイン」を模索しているとされる三菱UFJフィナンシャル・グループにも合流を呼びかけている。実現すれば、スーパーや外食チェーンなどでも、消費者の支払いが電子マネーのやり取りに大きく様変わりすることになろう。

みずほ・ゆうちょ・地銀など70行が集合

報道によると、みずほフィナンシャルグループは8月に、ゆうちょ銀行や地銀約70行を集め、新たな仮想通貨について協議した。仮称「Jコイン」と呼ばれるこの仮想通貨は、あらかじめ銀行口座にある円をJコインに替えることで、スマートフォンなどを使ってお店で支払いをしたり、個人間で代金を受け渡したりできるようになる。

みずほ銀行はWiL LLC.とともに新事業創出を目指す合弁会社「Blue Lab」を7月に発足した。社長に就任した山田大介氏は同社の設立パーティーが行われた日、新たな通貨の創設に対する意欲を示していた。

銀行連合によるJコインの強みは、決済データの活用である。Jコイン管理会社は利用者の買い物や送金の履歴をビッグデータに蓄積する。それを匿名データに加工して、ほかの企業や銀行と共有して商品開発や価格戦略に活かすことができる。

国内の電子マネーによる昨年の決済総額は5兆円余りと、前年からさらに1割増。決済ビジネスは、アップルなど世界標準を競い合う時代に突有しており、邦銀連合の仮想通貨は、米国やアジアなどグローバルな土俵で競える試みである。(長瀬雄壱 フリージャーナリスト、元大手通信社記者)

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「ビットコインは詐欺」JPモルガンCEOが批判 中国で大手取引所は取引停止発表

ビットコインの価格が急落した。JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモンCEOが「ビットコインは詐欺」と発言したことで値を下げ、さらには中国の大手取引所が取引停止を発表したことで、9月14日は3490ドル、翌日15日には3275ドルと、急騰以前の8月上旬と同じ水準まで後退した(コインデスク調査)。

ビットコイン市場にとっては中国のICO廃止騒ぎに輪をかける、ネガティブな流れが続いている。

「仮想通貨は後味の悪い終結を迎える」

(写真=Thinkstock/GettyImages)

ブルームバーグの報道によると、ニューヨークで開催された投資家カンファレンスに参加したダイモンCEOは、仮想通貨を痛烈に批判。痛烈な批判は自社のトレーダーの行動にまでおよび、「仮想通貨を取り扱ったら解雇する」とまで言い放った。

「チューリップ・バブル(17世紀にオランダで起きた世界最古の金融バブル)」を引き合いにだし、「オランダの球根より悪質だ」と言及。「仮想通貨は後味の悪い終結を迎える」と、仮想通貨バブルの崩壊を予言した。

また自社のトレーダーがビットコインの取引を行った場合、「社の規則に反する愚かな行為」であり、そんな「愚かな従業員」は即座に解雇する意向を明らかにした。

中国当局の取り締まりが強化 今後もさらに厳しく?

前後して中国の大手取引所、ビットコインチャイナ(BTCC)の取引停止発表が報じられた。コインデスクなど大米メディアの報道では、中国当局から9月上旬に受けた通達に従い、今月末で取り引きを全面停止する意向を、中国のメディアやTwitterで明らかにしたという。

同様の動きがほかの取引所に広がるかどうかが気になるところだが、中国メディア、第一財経は、上海金融当局がほかの取引所にも業務停止を示唆する口頭命令をだしたと報じている。

さらには仮想通貨取引所だけではなく、P2Pやブロックチェーン技術を基盤とする取引所にも、当局の手が伸びる可能性も否定できない。 中国の強制的な取り締まりが、他国に及ぼす影響も注目されるところだ。

ビットコインは特定の地域や犯罪者向き?

ダイモンCEOは仮想通貨が400ドル前後で取り引きされていた2014年にも、「仮想通貨など政府に潰されて生き延びれない」と発言している(Finextraより)。

特に殺人など深刻な問題が起こった場合、各国の当局が監督もなしで仮想通貨の流通を黙認するとは考えにくいとの見解だ。

将来的な可能性として、仮想通貨の基盤となるブロックチェーン技術自体の有益性は認めているものの、金融機関での応用については「まだ分からない」と答えている。

またベネズエラやエクアドル、北朝鮮といった地域の住民や、麻薬密売人や殺人者などの類ならば、「米ドルよりもビットコインを利用する方が利益を得れる」と述べる一方で、自分の娘もビットコインを購入していることを明かした。

ダイモンCEOのような金融産業の大物が、仮想通貨を真っ向から100%否定し、さらには解雇を盾に従業員にまで「反ビットコイン」を通告した事実に、驚きの声も挙がっている。

米国のダブルライン・キャピタルの共同設立者兼チーフインベストメント・オフィサー、ジェフリー・ガンロック氏は、ダイモンCEOのコメントを「大胆」と批評。自身は「ビットコインについて特に思うこともない」と冷静に構えており、「年を取り過ぎたのかも知れないが、手をだすつもりはない」と語った。(アレン・琴子、英国在住フリーランスライター)

(FinTech online編集部

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ICOに続き仮想通貨取引所も閉鎖?中国メディアが報道

「中国がICO廃止に続き、仮想通貨取引所も閉鎖する」との報道を受け、ビットコインの価格がさらに暴落した。 大手取引所HuobiやOkcoinの広報部は、「そのような通告は一切受けていない」と否定しており、通常通り運営している点を強調している。

9月1日には5000ドルに届く勢いだったビットコイン価格は、一連の報道を境に4319ドルまで急降下。9月12日現在は4300ドル台まで持ち直しているものの、一時は4100ドル台を記録した(コインデスク調査)。

監査委員会が60カ所の仮想通貨取引所の調査実施と報告書を要請?

(写真=Thinkstock/GettyImages)

ブルームバーグなど欧米メディアによると、取引所閉鎖は中国のニュースサイトCaixin(財新)が報じたものだ。中国人民銀行や中国銀行業監督管理委員会を含む) インターネット金融リスク防止チーム」の動きに詳しい匿名者」からの通告で、地方規制当局に廃止が書面通告されたという。

しかし詳細については明らかにされておらず、大手取引所も報道を否定していることから、少なくとも現時点では取引所を閉鎖する段階にまでは至っていないものかと推測される。

中国が9月に入りICO全面廃止を発表したことで、ICOだけではなく、仮想通貨自体の風向きが変わったのは事実だ。

CaixinはICO廃止が発表された際、「監査委員会は60カ所の仮想通貨取引所の調査を実施し、報告の提出を求めている」と報じた(pymnts.com より)。

注目が集まるICO廃止騒動の影響

果たして本当に取引所閉鎖はあり得るのだろうか。

中国政府はICOを「金融詐欺、ネズミ講」と見なし廃止を決定した。規制に準拠しない仮想通貨が同じく規制に準拠しないICOという手段で循環している現状を、法的に取り締まる目的だ。

米国、シンガポール、マレーシアなどでも、同様の懸念が高まっている。元々仮想通貨には、テロ資金調達を含む金融犯罪に利用されきたという歴史がある。そうした背景から、短期間で巨額の資金調達が可能なICOが、金融犯罪発生の危険性を高めるとの見解だ。

2014年~17年8 月末の期間のICOによる資金調達は1.8億ドルを突破(コインデスク調査 )。黙視するには境界線を越えている。特に今年後半から急激な伸びを示していたが、今回のICO廃止騒動の影響は避けられないだろう。

中国は2013年にも仮想通貨取引を一時禁止 にしている。この時も価格が一夜にして50%下落した。

今回のICO廃止や報道されているような仮想通貨取引所閉鎖が、規制環境が整うまでの一時的な動きであることを祈るばかりだ。

中国政府が独自の仮想通貨開発に着手している点も、規制環境強化に乗りだした一因かも知れない。(アレン・琴子、英国在住フリーランスライター)

(FinTech online編集部

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国際シンクタンクがICOで資金調達へ 10月から英国

中国や米国などで規制当局によるICOや仮想通貨の締めつけが目立つ中、英国の国際シンクタンク、CCEG(市民権センターエンタープライズおよびガバナンス)が、10月1日からICOを開始する 。

価値ある仮想通貨の未来像とインフラの構築に向け、「英国初の規制枠に準拠したICO」で資金を調達することが狙いだ。

2011年に設立されたCCEGは、「非財務および社会価値の移動」に関する研究で世界をリードするシンクタンクだ。無形価値の社会への影響を測定し、「財務的な価値を有さない通貨」を促進することで、将来的には通貨と同等の価値に引き上げる意図がある。

法律、仮想通貨分野の専門家による強力なバックアップ

(写真=Thinkstock/GettyImages)

ICOにあたり、UNブロックチェーンラボの協力を得て「セラティオ・エンタープライズ・ブロックチェーン・プラットフォーム」を立ち上げた。10月1日から30日まで、イーサリアム・ベースの「セラティオ・トークン(SER)」を発行する。

ホワイトペーパーによると、今回のICOは完全に英国の規制の枠組み内で実施され、ブロックチェーンを通して財務価値・非財務価値の両方が初めて記録・取引されることになる。 「英国の規制に100%準拠している」というだけに、専門家によるサポート体制も万全だ。 国際法律事務所エヴァーシェッズ・サザーランドが法律顧問を担当するほか、著名ビットコイン投資家のチャンドラー・グオ氏やブロックチェーンのパイオニア、エリック・グー氏をICO顧問に迎え入れている。

監査はブロックチェーン・コンサル企業サンドブロックス・コンサルティング 、規制アドバイスは仮想通貨コンサル企業コインソルト が受け持つ。

新たなICOエコシステム・モデルに?

ICOは個人投資家から機関投資家まで誰でも利用可能だ。前売り特典を予定しており、アーリーアダプター(初期採用者)は10~50% の割引を受けられる。

支払いはビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH/ETC)、ライトコイン(LTC)のほか、ドルやポンド、ユーロなどの全不換通貨で行う。もちろん、KYC(身元確認)やAML(マネーロンダリング対策)も配慮されている。

安全性が確立されてたプラットフォーム上で、参加者がデジタル資産の管理や取引を自由に行えるという環境は非常に魅力だ。

現在セラティオ・プラットフォームには「女性専用コイン(Women’s ’s Coin ) 」「シティコイン(City Coin)」「フェイスコイン(Faith Coin)」など35種類以上の仮想通貨が委託されており、2018年には「セラティオ・アルトコイン」の発行も計画している。

SERはこうしたセラティオ・コミュニティーの、親仮想通貨の役割を果たすと期待されている。長期的な展望からICOや仮想通貨の普及を促進する上で、新たなICOエコシステムの模範となりそうだ。(アレン・琴子、英国在住フリーランスライター)

(FinTech online編集部

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ワンルーム 30BTCから「高級マンションをビットコインで販売」する狙いーードバイ

「ドバイ・サイエンスパーク内に2棟の高級マンションを建設し、最初の150軒をビットコインで販売する」 という、ビットコイン建て不動産開発事業が発表された。

2.5億ポンド(約360億円)を投じた巨大プロジェクトで、プール、野外映画館、ショッピングモール、医療施設などを設備した高級商業施設複合型タワーマンションとなる予定だ。ウェブサイトを見る限り、住居用というよりは投資用物件として売り出されている。

初期ビットコイン決済には最高20%の割引特典

(写真=Aston Plaza.comより)

「アストン・プラザ・アンド・レジデンス 」という名称の分譲マンション事業で、初売りで購入した投資家は「8~10%の年間賃貸利回りが期待できる」そうだ。

敷地面積は240万平方フィート (約7.3万平方メートル)、全423戸。40階建ての1~31階までが住居となり、娯楽施設などはその上に建設される。

スタジオタイプ(日本のワンルームマンション)は30ビットコイン(BTC)から、1LDKは51BTCから、2LDK は79BTCからという価格帯だ 。ドル建てなので為替レートによって変動する。

15~20%の割引を受けれるという特典付きで、最初の150軒限定でビットコイン払いが可能だ。価格自体は初売り期間期間終了(2018年1月)が近づくにつれ、徐々に値上がりしていくようだ。

ビットコイン決済大手BitPayが、ビットコイン決済を処理する。完成は2019年9月予定。インテリアデザイン・サービスや家具の購入なども、ビットコイン決済を受けつけている。

バロウマン会長「テクノロジー産業と不動産の融合」

大規模なビットコイン建て不動産開発事業を立ち上げたのは、運用資産総額15億ポンド (約2161億円)というノックス・グループ・オブ・カンパニーのダグ・バロウマン会長と、パートナーである著名女性実業家、ミシェル・モネ男爵夫人だ。

ベテラン不動産開発者兼投資家のティム・ケイグ氏などが、サイドを固める。ノックス・グループはマン島を拠点とする企業で、ドバイや英国を含む欧州圏で事業を展開している。

バロウマン会長はドバイで進行中のデジタル改革プロジェクトを、「デザイン、アーキテクチャー、商業性の頂点」と賞賛。さらなる飛躍を目指し、「テクノロジー産業と不動産を融合させることで、ユニークなチャンスを提供する」ために、ビットコイン建て不動産開発事業に着手したという。

CNNの取材に応じたモネ男爵夫人は、「このプロジェクトがビットコイン促進に貢献することを望んでいる」と同時に、ビットコイン投資の新たな旋風となるとの期待をいだいている。

また目的はあくまで「不動産開発事業」であるため、販売後にはビットコインを投資商品として保有せず、即換金する意向を示している。(アレン・琴子、英国在住フリーランスライター)

(FinTech online編集部

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中国ICO禁止、他国の中央銀行への影響は?カナダは当局がICOを認可

中国政府によるICO全面禁止令が、各国の中央銀行の動きに影響を与えそうだ。

米国、シンガポールなどが、ICOや仮想通貨の無秩序な取引に対する警戒心を強める一方で、カナダなどは規制当局の支援の元、安全な流通環境の整備に力を注いでいる。

米国、シンガポール規制当局「ICOトークンは証券規制の対象」

(写真=Thinkstock/GettyImages)

中国人民政府は2017年9月、「経済および金融の秩序を著しく乱す」として、ICOによる資金調達を違法と見なす見解を正式に示した 。

中国の規制局が大部分のICOを「金融詐欺、あるいはネズミ講」のような存在と懸念し、捜査中であったことは以前から報じられていたものの、全面禁止令が市場に与えた衝撃は計り知れない。

また今回の決断が他国の政府におよぼす影響も、市場を不安に陥れている。特に同様の警鐘が鳴り響く米国やシンガポールでは、ICO、ひいては仮想通貨への規制が強化される可能性も予想される。

2016年、ハッキングの被害で360万イーサ(当時の価格で5000万ドル相当)を流出させたDAOのハッキング事件 を機に、米国証券取引委員会(SEC)はその背景の調査に乗りだした。その結果、一部のICOトークンを証券規制の対象と結論付け 、取引所の登録を義務化すると同時にSECの管轄下に置く意向を示している(フォーチュン誌より)。

規制は米国内での売買にのみ適用されるが、SECの決断が世界各地の仮想通貨・ICO市場への「警告」として受けとめられた感が強い。

シンガポール金融管理局(MAS)も国内におけるICO規制を明確化し、 SEC同様、「証券先物法の対象に該当するICOトークンには規制が適用される」と発表した。

カナダ、マン島は「安全なICO環境」を整備

こうした流れは「ICOや仮想通貨を抑制する動き」と捉えられがちだが、各国の中央銀行が懸念を示しているのは「ICOや仮想通貨による犯罪行為の増加や金融市場の混乱」であって、ICOや仮想通貨、トークンの流通そのものを否定しているわけではなさそうだ。

実際、中国、米国、シンガポールを含め、多数の中央銀行が独自の仮想通貨発行の可能性を探索している。正式な機関の承認を受けず、法の手が届かない仮想通貨やトークンを流通させておくよりも、規制の行き届いた安全な商品を市場に送りだすという試みだ。消費者や投資家を保護するという点では理論にかなう。

コインデスクの報道 によると、カナダのケベック州の金融機関規制当局AMFは、スタートアップ、インパックコインのICOの安全性を承認。カナダ初の認可ICOの誕生に至った。

早期からビットコインの促進と共に規制の導入検討にも積極的だったマン島(アイルランド海に存在する、英王室属領)でも、「マネーロンダリング対策やKYC規制に準拠したICOを可能にする規制フレームワーク」を完成させたことが、経済開発省FinTechデジタル開発部門責任者、ブライアン・ドネガン氏の発言 から明らかになっている。

危険性を恐れるあまりに将来の可能性を摘み取ってしまうのではなく、危険性への対策を注意深く盛り込みながら可能性を育てていくというアプローチに好感が持てる。カナダやマン島のような柔軟な姿勢が、今後のICO市場にポジティブな影響をもたらすはずだ。(アレン・琴子、英国在住フリーランスライター)

(FinTech online編集部

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