商船の高等専門学校に通っていたお爺ちゃんから聞いた話。

 

学校では卒業前に『航海実習』というのがあるらしく、その実習をしなければ卒業出来ないそうだ。

 

その実習とは、航海訓練所という場所へ行き、そこの練習船で長期間の航海に出るという。

 

もちろん、他の商船学校から来る人もいる。

 

船の中で何ヶ月も同じメンバーで生活し、且(か)つ閉鎖的な為か、 どうしても『いじめ』というものがあるそうだ。

 

尚且つ、船関係は人間の上下関係が凄く厳しいという。

 

そうしたことから、いじめや人間関係に耐えられず、海に身を捨てて自殺する人が出てくるそうだ。

 

そんな航海実習中のある日、一人の男子学生が消えてしまった。

数日後に異変が起きる

「いじめられていたし、悩んでいたから、多分海に身を投げたんだろう」

 

みんながそう思っていた。

 

陸に着くまではまだ数週間かあったので、彼の追悼は先延ばしに。

 

・・・だが、何日かした頃、「飲料水がおかしい」と大勢の生徒が言い始めた。

 

そして、さらに何日かした頃、水道から人間の髪がごそっと出てきた。

 

早急に飲料水用のタンクを調べると、海に身を投げて自殺したと思っていたその男子学生が沈んでいたそうである。

 

また、飲料水用のタンクはそれだけしかなかった。

 

陸に着くまでは『その水』で過ごさなければならず、脱水症状になる生徒もたくさん出たとか。

 

ちなみに、その練習船は寿命が尽きて今ではもう無いそうだ。

 

これらの事は、船に携わる人達の間では結構有名な話となっている。

 

(終)

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