霊体験

死者の霊と波長が合ってしまった

 

私の父親の体験談です。

 

今から30年以上も前の話です。

 

当時、母が長男を妊娠中で、平屋の貸し屋に住んでいた頃、父と母は一番奥の寝室に寝ていたそうです。

 

父は霊感が強く、頻繁に霊体験をしていました。

 

その日、夜中に父は金縛りに遭い、仰向けのまま目だけが動く状態でした。

 

「疲れてるのかな」と思い、再び寝ようと思いましたが、突然つま先からボーリングの玉のような重い丸いものが胸元まで転がってきたそうです。

 

胸元まで来るとふっと消え、またつま先から。

 

それが数回繰り返された後、金縛りは解けました。

 

ふと横を見ると、白いパジャマ姿の母が枕元に座っていました。

 

臨月だった母が不安で起きたのだと思い、父は母の手を握り「大丈夫だから」と言うと、枕元にいた母は消えたそうです。

 

父は「えっ?!」と思って、横で寝ている母の方を見ると、母はぐっすり眠っている。

 

父が母を揺すり、「おい!おい!」と声をかけると、「・・・う~ん・・・なぁにぃ?」と不快そうに起きたそうです。

 

その時、母は黒いパジャマを着ていました。

 

後日、自宅近くの病院の看護士が、隣の公園で首を吊って自殺したという話を聞いたそうです。

 

日付けと時間が、父が母と間違って手を握ったのと同じだったそうです。

 

父いわく、「面識は全くないからたぶん波長があっちゃった」だそうです。

 

(終)

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ある時から幽霊が見えるようになった

 

俺のばあちゃんの話。

 

ばあちゃんは不思議な人で、昔から俺だけに「おばあちゃんは幽霊が見えるとよ。誰にも言っちゃいかんけんね」と言っていた。

 

実際に俺が霊体験をしたわけではないが、ばあちゃんの話は印象に残っている。

幽霊というのは知らん振りをすれば・・・

ばあちゃんが幽霊が見えるようになったのは、15歳の頃からだったらしい。

 

ばあちゃんは元々福岡に住んでいて、福岡大空襲の後に見えるようになったと言っていた。

 

空襲が終わった後、辺りは一面の焼け野原。

 

ばあちゃんの両親も亡くなって、これからどうしようと途方に暮れていた時、一人の大怪我をした男の人を見つけたそうだ。

 

急いで近づいたけれども、どう考えても生きていられるような傷ではなかった。

 

両腕は吹っ飛び、脳みそがはみ出ている。

 

「痛い・・・、痛い・・・、お父さーん、お母さーん・・・」

 

ずっと泣き叫んでいる。

 

ばあちゃんはその男の人の体を掴もうとするが、なぜか掴めない。

 

話かけても反応しない。

 

そのうち、ばあちゃんも怖くなり、走って逃げたらしい。

 

ばあちゃんは、「その日から幽霊が見え始めた」と言っていた。

 

外を見れば、体中から血を噴き出して叫んでのた打ち回っている人や、焼け爛れた体でひたすら助けを求める人、頭が無いのに動いている人など、最初は地獄だったそうだ。

 

空襲が終わった後、どうにか親戚に身を寄せることが決まっても、幽霊は見え続けた。

 

でも、それは絶対に言えなかった。

 

「幽霊が見える」なんて言ったら、すぐに異常者扱いされるような時代だった。

 

でも、ばあちゃんもなかなか強い女で、段々と幽霊も見慣れてきたらしい。

 

足が無かろうが、頭が吹っ飛んでようが、あまり怖くなくなった。

 

ばあちゃんいわく、幽霊というのは知らん振りをすればあまり関わって来ないらしい。

 

下手に近づく方が危ないのだと。

 

最初に見た頭が吹っ飛んでいる人にも、相当長い間付きまとわれたらしい。

 

そんなある日、だいぶ町並みもまともになってきた頃、ばあちゃんは一人の知り合いの男の子を見つけたそうだ。

 

その男の子は近所に住んでいてよく遊んであげた子。

 

でも本当は死んでいるはずの男の子だった。

 

両腕が無くなった痛々しい姿でばあちゃんを見ると、「お姉ちゃーん!」と大きい声で叫んだ後にっこりと笑った。

 

でも、幽霊の怖さを知り始めたばあちゃんは、知らん振りをし続けた。

 

それからそこを通る度、絶対に返事をしないばあちゃんに向かって「お姉ちゃーん!」と叫び続けていたそうだ。

 

「幽霊が見えるようになって随分経つけれど、あの子はまだあそこにいるんだろうね・・・」

 

ばあちゃんは寂しそうに俺に言った。

 

(終)

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サービスエリアに居たタチの悪い霊

 

霊感なんて無い私ですが、唯一の怖い体験話を聞いてください。

 

私は去年まで、親の脛をかじる貧乏学生でした。

 

しかも実家から離れていて、アルバイトもろくに出来ないくらい厳しい学業生活の二重苦。

 

恥ずかしながら、骨までバリバリむしゃむしゃな気合いの入った脛かじりでした。

 

余分なお金などありません。

 

学費に生活費まで出してもらっていたので、帰省時の交通費をおおっぴらに「新幹線で帰るから2万くらい頂戴よ」なんて、口が裂けても言えません。

 

が、今は便利な時代。

 

ネットで夜行バスを予約すればかなり安く帰れます。

 

お盆や年末は短いながら必ず帰るようにしていたので、毎回一番安く済むバスを予約して帰省していました。

霊体験なんて懲り懲り・・・

盆を前にして、その時も四列ぎゅうぎゅうトイレ無し、ゴワゴワしたブランケット付きの夜行バスで関西から関東を目指して、他の乗客同様に私も狭い座席に身を縮こめておりました。

 

夜行バスを利用した事のある方なら分かると思いますが、こういったバスは2~3時間置きにサービスエリアに寄ってトイレ休憩を挟みます。

 

大体10分~15分程度のものですが、トイレの無いバスには特に大事な休憩です。

 

私はそれとは別に、帰省時に毎回ご当地キティちゃんを欲しがる友人がいるので、サービスエリアには必ず起き出してバスを降りていました。

 

その時もバックを持って降り、まずはトイレに向かいました。

 

深夜でしたが、同じように関東へ向かう夜行バスが何台も駐車場に停まっているのもあり、人はそれなりにいます。

 

なので、トイレから出た私の後ろに同じくトイレから出てきた男性が付いて来ても、なんら違和感を感じませんでした。

 

自販機が並ぶ室内に入ったところで、背後から沸き立つ異様なプレッシャーに気が付きました。

 

それと・・・臭いです。

 

花火大会の簡易トイレの中のような、むわっと熱気を伴った不快な臭い。

 

胃から何かが逆流した気がして、思わず俯いて口を押さえました。

 

私はそこでさらに気持ち悪いことに気が付いたのです。

 

左側の研きあげられた白い床に映る、私のすぐ後ろにピタッと立つ男の姿に。

 

ドッと胃液と冷や汗が湧きました。

 

背後に立つ人物は、背の低いずんぐりむっくりな私より遥かに身長が高く、床に映る姿をちらっと見る限りでは、私の頭頂部を一心に見つめているようでした。

 

悪いことに自販機コーナーには誰も居らず、お土産物コーナーからは死角になっていました。

 

緊張で動くことが出来ず固まっていると、後ろの自動ドアから誰かが入ってくる音が聞こえました。

 

すると、背後の気配もスッと消え、臭いも遠ざかっていったのです。

 

最後に髪を触られた感触がしたのですが、変な男に襲われなくて済んだ安堵で気にも留めませんでした。

 

私は休憩時間の終わりが近づいていたので、去っていっただろう男を振り返らず慌ててバスに乗り込みました。

 

座席に座った時、またあの不快な臭いがした記憶があります。

 

その後は無事に目的地に着き、さらに電車を乗り継ぎました。

 

実家に帰ってきた私を見るなり、母は「ダメだ、髪切らないと」と、私の下ろした長い髪をまとめあげ、かなりの長さをいきなり切ってしまったのです。

 

私はボー然。

 

でも、母が玄関を開けて外に散らした髪を見て、ようやく意味が理解出来ました。

 

私の髪は黒髪なのですが、外を舞う髪は真っ白だったのです。

 

まだ母の手に残っていた髪は、まるで埃のようでした。

 

途端、襲ってくるあの不快な臭い。

 

サービスエリアで嗅いだものをより濃縮したような強い臭いに襲われました。

 

また背後にあの男が立っている気がしてビクビクしていると、台所に走った母が塩を持って戻ってくるなり、私の頭を目掛けて塩を投げつけてきた。

 

鬼の形相で「娘に手を出したら承知しない!」だとか、「誰の子に目つけてんだ、このドクサレ野郎!」とか言ってくるので本当に怖かったです。

 

やがて塩も尽き、あの不快な臭いもしなくなると、母は塩と散った髪を丁寧に掃き集め、庭の隅で燃やし始めました。

 

その上、髪の毛入りの塩釜でも作るように追加の塩を盛りながら、「地獄で高血圧になって死ね!」と呟いていたのでさらに怖かったです。

 

どうやら私は、サービスエリアにいたタチの悪い霊に何故か目をつけられ、霊が憑きやすくなる何かを髪に付けられたらしいのです。

 

もうすでに何体か憑いて来ていたようですが、母の鬼気迫る除霊で事なきを得ました。

 

母には霊感があると、本人や母方の親類からは聞いていたのですが、こんな荒っぽい除霊方法では、確かに親類がこのことを話すとき苦笑いになるはずです・・・。

 

私が落ち着くと母は、「ぼやっとしてるからあんなろくでなしに声かけられるんだよ」と、一緒にゲンコツを落としました。

 

正直、あんなに怖い思いをするなら、もう絶対に憑かれたくないです。

 

霊体験なんて懲り懲り・・・。

 

(終)

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